岩村月子は普通になりたい

先日、人と会った時にいろいろ話したところ
「なんでそんなに普通になりたいんですか?」
と聞かれた。

実際メンタルの病院でも言われて自覚していたことなのだが基本的に私の苦しみは
「普通の人ならこうするはず、こう思うはずなのにできない」
と言うところから始まっているのだ。

じゃあなんで普通になりたいと思うのか?それに関して表面的なことはわかる。普通というのは言い換えで
「人並みになりたい」
ということなのだ。

私がやりいたくないけどやらなければならない…と思って悩む時の内容は大概
「世間体が人並み程度に回復する」
ということがあるからだ。
気の進まない仕事も、結婚も、子供もそう。
本心からはどれもやりたくない。全くやりたくない。そうする意味がわからない。
ただ、普通の人は皆やってますよと言われると私にはかなりのダメージが入るのでそれを防ぐためにやろうかなと思っていただけだ。

もう一つは、私という人間は(私の中で)普通にしていてもどうやら普通じゃないということに気がついているからだ。私は変わっていると思われたい普通の人間だと思っていたのだがここ数年でどうやら本当に変わっているのだなと思った。変わっているということは弱点でもあって、そもそもの普通がわからない。わからないから今やってることが普通なのかそうでないのかもわからない。これは強い不安を覚える。
だから意図して普通のラインを作らないと自分がどこにいるのかすらわからないのだ。

漫画の仕事で言うならそれは完全に弱点で、共感性が得られにくいと言うことなのだ。それに私は女性で、女性の社会で共感できないと言うことはつまり群れからの排斥でそれは死を意味する。

それにこれは意外に思われるかもしれないが、性格的には私は皆と共感したいし皆と同じになって安心したいのだ。
普通に普通のみんなが好きなものを好きになってみんながするような挫折をして皆がした失敗の話を聞いてわかるー!と言って慰め合いたい。あたかも自分の意思で決定してるように思いながらも他の人と同じ行動を取りたい。

「でもそんな君が想定している普通の人はいないよ」
そんなことはなんとなくわかっている。そんな全てが平均値の人間はいない。

ここで別の話を出すが、幸せってなんだろう。
私には正確にはそれを定義できない。
でもいわゆる「普通の人の幸せの見本」をメディアは提示してくれる。「普通の人ならこう言うのが幸せってものですよ?」と教えてくれる。
私が普通の人であるならば、それを幸せと感じるはずだ。だから普通の人が幸せであると言うことを実行しようとした。私の心の中はともかく、普通の人が幸せであると言うことを実行して幸せっぽい顔をして、周りに幸せなんだねって思われれば幸せなのではないか?そしてそうなれば私は普通の人だと言えるのではないか?私が何を考えているかは関係なく、表に出たものが全てだ。心なんて定義できないのだから。

だから私は普通になりたかった。
自分が自分で自分のことを普通じゃないと認めたくなかった。
だって、普通じゃない人の幸せは誰も教えてくれないし、自分で探さなきゃならないし、たとえ本人が幸せでも「あの人いい歳して〇〇なんてして社会性もなくて…」
とかになってしまう。

でもこれは良くなかったのかもしれないなと思う。有り体だが幸せやらは自分で考えないといけないのだろう。メディアに教えてもらうものではない。

「そんなことしたら仙人になっちゃうじゃないですか」
もう普通は…とか考えるのやめた方がいいと言われた時に私はこう答えた。しかし帰って来たのは意外な答えだった。
「みんな仙人になりたいの!」

ええええ…!?…本当にそうか?正直今までの私には「普通の女として生きていけないなら奇抜な女として生きていくしかない!」みたいな覚悟はできていなかった。
奇抜な仙人女の幸せはメディアじゃ教えてくれないし、もし私が幸せでも「あの人自分は幸せとか言ってるけど生活は酷い」とか言われそうだし…
何より奇抜な女としての自分の幸せはものすごくおしゃれじゃないところにある。

私は…漫画を中心としたいろんなクリエイティブしてそれを人に見てもらえれば結構それでいいのだ。

速い話が、やりたいことしかやりたくないしそれで生きていきたい!できれば評価もされたい!それで生活もできたら踊っちゃうね。

普通になりたいと言う気持ちをどっかにやると私の幸せは完全にこれで、そう言う意味だと私は結構幸せだし…メインは漫画家なのに展覧会やYouTubeやらやることにちょっと抵抗を感じていたのだが普通を捨てると…全く感じない。

結構身近な場所に幸せはあるんだな、これが青い鳥ってものなのだろうか。

まだ完全に覚悟ができたとは言えないが私は普通になりたかったのだ。
これからは漫画を中心としためんどくさい奇抜な女クリエイターとして生きていきたい。

そして、めんどくさい奇抜な女クリエイターとしての幸せを目指したい。



それで早速Amazon縦読み漫画描きました。
賞金が欲しいからなんですけど、いいねや閲覧数も加味されるらしいのでよかったら読んでください!


※この記事は有料設定になっておりますが、全文無料で読めるようにしてあるので奇特な人が投げ銭する用記事です。

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