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ヨーロッパ文化教養講座(シューベルトの「アルペジョーネ・ソナタ」)

2023/11/09
NHKクラシック倶楽部で、2人のビオラ奏者の演奏が放送された。
2人とも、シューベルトの「アンペジョーネ・ソナタ」を演奏したので、興味深かった。

1.川本嘉子

1992年ジュネーブ国際音楽コンクールビオラ部門で最高位を受賞。ソリストとして活躍する他、NHK交響楽団の首席客演奏者を務めるなど、幅広い分野で活動を続ける。
【曲目】ビオラ・ソナタ へ調 作品11第4(ヒンデミット)
アルペジョーネ・ソナタ イ短調 D.821(シューベルト)
F.A.E.ソナタから 第3楽章 スケルツォ(ブラームス)
【演奏】川本嘉子(ビオラ)、津田裕也(ピアノ)
【収録】2022年1月11日 北とぴあ さくらホールで収録。

2.アミハイ・グロス&三浦謙司 デュオ・リサイタル

ベルリン・フィルで活動しながら、ソリストとしても活躍の幅を広げるビオラ奏者、アミハイ・グロスと今注目の若手日本人ピアニスト、三浦謙司のデュオコンサートをご紹介
【楽曲】アルペジョーネ・ソナタ(シューベルト)
ビオラ・ソナタ 作品147 から 第1楽章、第3楽章(ショスタコーヴィチ)
【演奏】アミハイ・グロス(ビオラ)、三浦謙司(ピアノ)
【収録】2023年2月27日 東京文化会館 小ホール

コメントと感想:

1.アンペジョーネ・ソナタは、チェロでの演奏をテレビで観た記憶がある。名曲だとは思ったが、その時はあまりピンと来なかった。
小生は、オーケストラの主要な弦楽器としてのチェロ、弦楽四重奏曲との中のチェロ、チェロ協奏曲の独奏チェロは好きだが、ソロ楽器としてのチェロはあまり好きではないようだ。
理由は多分、音の立ち上がりが(楽器の特性上しかたがないが)ゆったりしているので、キレがないように感じるからだろう。

2.今回、2人が弾いた、ビオラのアンペジョーネ・ソナタは、とても良かった。
川本嘉子さんが、曲の紹介の時に話していたが、チェロに比べると、左手の動きが小さくて細かいので、音の動きが細かい曲はビオラの方が弾きやすいというのが理由だろう。
ビオラの名手が弾くと、チェロの低くて伸びのあるゆったりとした音と、ヴァイオリンの繊細で細かい音の動きを、併せ持つビオラの魅力が生きるのだと実感した。

3.楽器としてのアンペジョーネは、短い期間しか流行しなかったそうだ。
6弦あって弓で弾く楽器だそうだ。
一度アンペジョーネ・ソナタをアンペジョーネで聞いてみたいと思った。

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