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ヨーロッパ文化教養講座(中国の伝統楽器「二胡」)

2024/04/05
昨夜、会合の余興で「二胡」の演奏があった。
郷愁を誘う音色で、映画やドラマの劇伴としては馴染みがあるが、楽器そのものについては、あまり知られていないと思う。
当日の演奏では、「江南春色」という曲がとても印象に残ったので、YOUTUBEを探した。

そこで、少し調べてみた。

日本の胡弓とは出所が違うことがわかった。

1.歴史
日本二胡振興会のホームページに書いてある内容を要約する。

1)二胡は擦弦楽器(文字通り弦を擦って音を出す楽器)である。
*(WIKIでの定義)二胡(にこ、拼音: èrhú)は中国の伝統的な擦弦楽器の一種。2本の弦の間に挟んだ弓で弾く。琴筒はニシキヘビの皮で覆われている。

擦弦楽器
1)紀元前にインドあたりで発生。
2)紀元後になるとアラビア半島で盛んに使用される。
その後、半島を中心として、イスラム教の発展に伴い、東西に広まる。
3-1)西に広まったものは、今日のヴァイオリンとなる。

東に広まったものは、
3-2-1)三弦系がインド、東南アジア、中国南部、琉球、日本(胡弓)へと広まる。
3-2-2)二弦系は中央アジア、中国へと広まる。

3-2-2)二弦系の楽器
3-2-2-あ)「胡琴」
木ないし竹の円筒形胴を持ち片面を皮(にしきへび)で張るもの。
3-2-2-い)「提琴」・「椀胡」・「椰胡」
木の実などを半分に割ってその面に皮や薄い板をかぶせるもの。

3-2-2-あ)「胡琴」
宋代(960-1279)立てて弾く「二胡」の原型が登場。
元代(1271-1368)初めて二弦で弓を用いて弾く楽器として「胡琴」の名が登場(「元史・礼楽史」)。
明代(1368-1644)現在の形状にかなり近づいた楽器が絵画に。
明代末、清代(1644-1912)「胡琴」は各地方劇と大衆芸能の発展につれてその伴奏に使われるようになり、中国全土に広まる。
形も各地方の音楽の特徴を表現する必要があったために改良がなされ、様々な胡琴が誕生しました。
京劇の「京胡」
広東省粤劇の「高胡」
陝西省秦腔の「板胡」
3-2-2-あーd)  江南地方の「南胡」等。この「南胡」が中国全土に広まり、後に呼び名が「二胡」と変わる。

ちなみに、「胡」という文字は、中国では「北方の異民族」または「西方の異民族」を指す言葉。

↓「江南春色」


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