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ヨーロッパ文化教養講座(アストリッドとラファエル4 (2)「千夜一夜物語」+「厨房のありす」鑑賞記)

2024/01/23
原題は「Les 1001 nuits」直訳すると「1001の夜」。
この歳になって、千夜一夜物語が、1001夜物語だと気がつかされた。
本筋の事件側の関係者は、すべてイランに関係する。

理論派×熱血コンビが事件を解決!フランス発ミステリー、シーズン4。
悪霊に殺されると通報した男性が自宅で奇妙な焼死体で見つかる!
アストリッドは異母弟と初対面。

イラン出身の男性が自宅で焼死体で発見される。
男性は死の直前に警察に通報し、ペルシャ語で「イフリートに殺される」と言っていた。
イフリートとは火の精霊で、民間信仰では邪悪な悪霊とされている。
現場は人体だけが燃えているという不思議な状態で、火元も見当たらない。アストリッドは遺体の近くで封筒と折り目のついた便せんを見つけるが、便せんは白紙だった。
一方、アストリッドは異母弟のニルスと初対面することに。

NHKホームページ

コメントと感想:
1.今回の遺体の「異常な」状態は、火元がないのに焼け焦げている。
アストリッドは直ぐに、「人体ローソク化現象」であると指摘する。

2.被害者も容疑者も犯人もすべてイランに源がある。
人体ローソク化現象、イフリートという邪悪な悪霊の信仰などで、事件をおどろおどろしく見せかけているが、短時間のドラマにいろいろな要素を詰め込みすぎて、見ている側は消化不良を起こしそうだった。

3.今回は、主要キャストの人間関係としては、
1)初対面の異母弟ニルスが、大人なのに嘘が言えないアストリッドを気に入ってしまった。
自閉症スペクトラムのアストリッドにとっては何よりも環境の変化が苦手だが、自分の回りにニルスという「異物」が挟まることになった。
この2人の関係描写がこのシリーズの重要なポイントになるのだろう。

2)  前回ラファエルが行きずりのバーテンと一夜を共にしてしまい、目撃したニコラはショックを受けて、ラファエルに冷たい。
ラファエルが犯人に対して情を見せ落ち込んだ場面で、ニコラは思わずラファエルを慰めハグし2人の絆を確認しあう。
歯痒い2人の関係描写もこの物語の魅力の1つだと思う。

4.日本テレビで、ドラマ「厨房のありす」が始まった。
このドラマも、主人公 八重森ありす((やえもり ありす)(演 門脇麦))が自閉症スペクトラムという設定だ。
アストリッドとありす という名前も偶然似ている。

厨房のありすは、膨大な化学の知識を使って、客の体調に合わせた料理を即興で作る料理人。(こちらの設定は、「フェルマーの料理」の数学による料理を思い出す。)

日本とフランスの文化、精神障がい・発達障害に対する考え方が比較できるので、両方のドラマを観ていきたいと思う。

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