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ヨーロッパ文化教養講座(「しあわせの隠れ場所」録画鑑賞記)

2023/04/17
昨日、何気なく録画していた、「しあわせの隠れ場所」を鑑賞して、激しく感動した。
#写真は、ミシシッピ大学校舎

映画は、2009年のアメリカ映画(原題は、「The Blind Side」で、名女優サンドラ・ブロックが、アカデミー賞主演女優賞を取った作品。

テネシー州メンフィスに暮らす、実業家(ショーン・テューイ  演:ティム・マッグロウ)とその妻でデザイナーの(リー・アン・テューイ 演: サンドラ・ブロック)が、後にNFLで活躍する、黒人の少年(マイケル・オアー  演:クィントン・アーロン)を養子にする話。

主人公のサンドラ・ブロック演じるリー・アン・テューイ氏は、今でもツィッターに毎日のように書き込んでおり、映画で描かれた行動力があり困っている人をみたら助けずにはいられないという、母性本能の塊のような女性であるのだろう。

どこまで、実話かはわからないが、テューイ家は、2人のこどもも含めて、新約聖書で描かれた「善きサマリア人」のように、悲惨な幼少期を過ごした、黒人少年を「隣人」として暖かく迎え入れる。

特に感動した点は、
1.まだまだ、黒人差別の残る南部のテネシー州メンフィスで、豊かで幸せに暮らす、両親、姉、弟の4人家族で構成される、白人中流家庭(共和党支持者、銃規制反対、プロテスタント?)の中に、優しさはにじみ出ているが、体が人並み外れて大きい黒人の少年を自分たちの兄弟とすることを、娘、息子とも全く当然のように素直に受け入れること。
(小生が、40年近く前にテキサス州ヒューストンで、当時務めていた会社の代理店のアメリカ人社長宅に招待されたとき、日本人に初めて会ったはずの奥さんと2人のこどものウェルカムな暖かい対応を思い出した。)

2.黒人少年を受け入れたことで、リー・アン・テューイ氏は、友人から「金持ちの道楽ね」のような反応を受ける。この対応をリー・アン・テューイ氏は、友人関係を危険にさらし、場の雰囲気が悪くなっても断固として、はねのける場面。
この友人たちは、「善きサマリア人」のレビ人と同様、貧しい人に対する、スティグマを捨てきれない(普通の)人たちだと思った。

3.マイケル・オアーは、ミシシッピ大学にフットボールの奨学生として進学することが決まった後、全米大学体育協会より、ルール違反についてのヒアリングを受ける。自分がリー・アンの家庭に迎え入れられたのは自分を家族として受け入れることより、リー・アン・テューイ氏夫妻が自分達の母校に有力な選手を入学させるという野心があったのではないかと疑って反発する。
そのとき、リー・アン・テューイ氏は、自らの「驕り」に気がつき懺悔する場面。

4.マイケルも一緒に写ったクリスマスカードを受け取った友人たちから「黒人の男の子を家に迎えるなんて中々できないことよ。あなたは彼の人生を変えた。」と言われ、リー・アン・テューイ氏は静かに「いいえ、その逆よ。」と答える場面。
->マタイによる福音書 25章40節
そこで、王は答える。『はっきり言っておく。わたしの兄弟であるこの最も小さい者の一人にしたのは、わたしにしてくれたことなのである。』

小生は、リー・アン・テューイ氏の家族には遠く及ばない罪深いキリスト者だとあらためて思った。

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