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ヨーロッパ文化教養講座(イタリア映画祭2023 「蟻の王(仮題)」鑑賞記)

2023/05/05
2023年5月3日 イタリア映画祭2023 「蟻の王」原題 「Il signore delle formiche」を鑑賞した。

1960年代末、同性愛に対する差別がはびこる中、教え子の青年と恋に落ち、教唆罪で投獄された実在の詩人で劇作家アルド・ブライバンディの人生にインスパイアされた物語。裁判で偏見にさらされるアルドと、家族によって矯正施設送りとなる青年エットレ。二人の愛の行方は…。

監督は名匠ジャンニ・アメリオ。「今も存在する“違う人”に対する憎悪に、立ち向かう勇気を与えたい」と制作の動機を語る、ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門出品作。

シネマカフェのホームページより

監督
ジャンニ・アメリオ

キャスト
ルイージ・ロ・カーショ 主人公 アルド・ブライハンディ役
エリオ・ジェルマーノ 共産党新聞の記者 エンニオ役
レオナルド・マルテーゼ 主人公の同性愛の相手 エットレ役

上映後に、ルイージ・ロ・カーショが登壇し、Q&Aが行われた。

1.この映画の一番重要な法廷シーンは、ほぼ完全に事実を再現。
2.映画初出演のレオナルド・マルテーゼの役への入り込みかたは、素晴らしかった。
3.エリオ・ジェンマーノとの共演は初めて。とても、尊敬する俳優。

ルイージ・ロ・カーショ氏は、映画の教授役と同様、落ち着いてはっきりとしたイタリア語で答えていた。

この映画は、実話だが、社会の「常識」外の人々、この映画の場合は、同性愛に対する「スティグマ」があまりにも強いために、本来は、守るべき、
息子を拷問のような電気治療に送り、しかも、その後も受け入れようとしなかった、エットレの家族及び当時の社会に対する監督の強い怒りを感じた。

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