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ヨーロッパ文化教養講座(NHKクラシックTV「巨匠テリー・ライリー降臨! 変わり続ける音」録画鑑賞記)

2023/06/16
清塚信也氏、鈴木愛理氏が司会を務めるクラシックTVにゲストとして、テリー・ライリー氏が登場した。

テリー・ライリー氏は、いわゆるミニマル・ミュージックの祖の1人だそうだ。ミニマル・ミュージックとは、音楽理論的に言えば、

「ミニマル・ミュージック」とは音素材をミニマル(最小、極小)に切り詰めて扱う音楽で、具体的には少数の音を長く引き延ばしたり、短い素材を延々と反復したりすることによってつくられます。

こう言うとかなり単純な音楽だと思われるかもしれませんが、響きはしばしば複雑で、聴き手に斬新な聴覚体験を促すこともあります。

新しい調性や旋法に基づいてつくられた音楽であるため、「新調性音楽」「新旋法音楽」とも呼ばれ、前衛的な音楽とは違って聴きやすく、親しみやすい音楽になっています。

ONTOMOウエブサイト 柿沼敏江氏

ミニマル・ミュージックの4人の創始者

ミニマル・ミュージックと呼ばれる音楽の様式は、1960~70年代のアメリカで、多くの作曲家が関わることによってつくられましたが、一般的にはラ=モンテ・ヤング(1935- )、テリー・ライリー(1935-)、スティーヴ・ライヒ(1936-)、フィリップ・グラス(1937-)の4人が代表者として挙げられています。
いずれも1930年代半ば生まれのほぼ同世代の作曲家たちで、大学で音楽の専門教育を受け、12音技法(※)を学びましたが、その後、方向転換をして、それぞれ独自の「ミニマル」なスタイルをつくりあげました。

ONTOMOウェブサイト 柿沼敏江氏

テリー・ライリー氏は、コロナ渦が始まったばかりの2020年にイベントのため来日し、そのまま(日本が気に入ったのか?)滞在を続け、今は、山梨県北杜市に住んでいるらしい。

ミニマル・ミュージック自体は、聞いたことがあったが、それが、音楽の歴史に重要な地位を占めることを初めて知った。

ミニマル・ミュージックは、ホラー映画「エクソシスト」のテーマ音楽となったマイク・オールドフィールドの「チューブラベルズ」、ハード・ロックバンドの「The Who」、作曲家久石譲、など数多くの音楽家やその作品に大きな影響を与えたという。

前衛音楽が12音階、無音階、無調、多種多様の音を出すもの(楽器だけでなく騒音機)を使った音の多過ぎる音楽が(小生の感覚として)主流だとすれば、その反動としてミニマル・ミュージックが誕生したということも腑に落ちる。

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