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ヨーロッパ文化教養講座(NHKクラシック倶楽部 MAROワールド 第46回演奏会    録画鑑賞記)

2023/06/03

MAROさんこと、篠崎史紀氏は、2023年4月1日にN響の首席コンサートマスターから特別コンサートマスターになった。多分、役職定年60才などのルールがN響にもあるのだろうと思った。

MAROさんは、若手の育成のためになのか、MAROカンパニーという弦楽合奏団を率いている。(法人化しているのかとか詳細は不明)

残念ながら生演奏は聴いたことがないが、今回はオール ヴィヴァルディの演奏会の抜粋だった。

プログラム:
1.ヴィヴァルディ 「調和の霊感」作品3 第6番 ヴァイオリン協奏曲
ヴァイオリンは、MAROさん

2.ヴィヴァルディ「調和の霊感」作品3 第8番 2台のヴァイオリンのための協奏曲
ヴァイオリン:
小林壱成:東京交響楽団コンサートマスター
郷古 廉:NHK交響楽団ゲスト・コンサートマスター

3.ヴィヴァルディ 3台のヴァイオリンのための協奏曲
ヴァイオリン:
伝田正秀:新日本フィルハーモニー交響楽団ゲスト・コンサートマスター
白井 篤:NHK交響楽団第二ヴァイオリン次席奏者
﨑谷直人:ウェールズ弦楽四重奏団首席

4.ヴィヴァルディ「調和の霊感」作品3 第10番 4台のヴァイオリンとチェロのための協奏曲
チェロ:
佐山裕樹:桐朋学園大学音楽学部ソリストディプロマコース在籍
ヴァイオリン:
大江 馨:神奈川フィルハーモニー管弦楽団コンサートマスター、JNRメンバー
倉冨亮太:NHK交響楽団第一ヴァイオリン次席奏者
郷古 廉:NHK交響楽団ゲスト・コンサートマスター
小林壱成:東京交響楽団コンサートマスター

5.ヴィヴァルディ 「和声と創意の試み」作品8 ヴァイオリン協奏曲 第4番「冬」 第一楽章と第三楽章
ヴァイオリン:MAROさん

午後に壮大なロシア音楽を聴いた後は、銀座で珈琲を飲んで、イタリア・バロックの宵へくり出した。

王子ホールの年明けは、いつものように篠崎“まろ”史紀&MAROカンパニーで、“Viva! ヴィヴァルディ”。読響とポゴレリッチの力強い演奏の後に聴いても、こちらもまた、ホールに満ちる豪勢な響きが圧巻だ。多くのコンサートマスターや首席奏者も含めて、弦の猛者が世代を超えて集えば、この地力だ。

 新春に、ヴィヴァルディの協奏曲づくし。とはいえ凝った構成で、コンサート前半はプログラムが進むにつれて、ソリストが次々と増えていく面白い仕掛け。ヴァイオリンのソリストが1、2、3、4というふうに漸次増殖するだけでなく、篠崎史紀の「未来へ繋ぐ」思いを象徴するように、彼が次代を託す名手たちへと手渡すように発展していく。

 まずは篠崎自らソロをとった『調和の霊感』op.3の第6番、続いて郷古廉と小林壱成でop.3の第8番を。サプライズで佐山裕樹と市寛也の2つのチェロの協奏曲ト長調の第1楽章をはさみ、3つのヴァイオリンの協奏曲ヘ長調では﨑谷直人と伝田正秀と白井篤、再びop.3にかえって第10番では大江馨、小林壱成、郷古廉、倉冨亮太、そしてチェロの佐山がフロントを組んだ。

 後半は『四季』の全曲。ふたたび篠崎が堂々とソロに立ち、ここまでも伸び伸びと即興を広げてきたチェンバロの山田武彦がさらに愉快なアイディアをくり出しつつ、アンサンブルで大いに遊んでいった。

 ここは、道場なのか遊び場なのか。そのどちらでもあるような真剣な音楽対話の熱が、ヴィヴァルディを多彩に、しかも逞しくマッチョに躍動させる。トークも交えて個々の奏者をフィーチャーしながら3時間弱、ヴィヴァルディしばりだが多彩なアイディアに富み、まさに「技のデパート」の様相を呈していた。

 アンコールには山田武彦が特別に書き下ろした「アンコールのための曲」で、ここまでソロには恵まれなかったコントラバスの菅沼希望がセンターに立ち、ヴィオラの両雄、鈴木康浩と佐々木亮も濃い独奏を織り込む。全員が主役のスーパー・カンパニーの大団円を、曲はいささかメランコリックだが、力強く濃厚に結んだ。

Medici.TV 青澤隆明氏の記事 

コメントと感想:
1.青澤隆明氏の記事を読むと、楽しい演奏会の雰囲気が伝わってくる。

2.演奏者すべてを主役にし、MAROさんを初めとするベテランの奏者が、これからのクラシック音楽界をリードすべき若い奏者にバトンを渡すように企画されているのだなと思った。

是非、一度生演奏を聴きたいと思った。

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