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【面接前に要チェック!】SaaS企業の仕事解説 プロダクトデザイナー編(前半)

こんにちは、サイシードCOOの叶です。この『面接前に要チェック!SaaS企業の仕事解説』シリーズでは、SaaS企業への就職を考えている方や、内定が出てこれから働き始める方に向けて、SaaS企業の仕事の内容や目的、得られるスキルなどを徹底的に紹介しています。今回お届けするのは、「プロダクトデザイナー」について紹介する記事の前編。弊社で実際にプロダクトデザイナーを担当している社員に、自身の仕事についてとことん説明してもらおうと思います。


こんにちは、サイシードでプロダクトデザイナーをしている小林と申します。

この記事では、「プロダクトデザイナーとは?」「サイシードにおけるプロダクトデザイナーが手がけていることとは?」「実際どのような業務を行っているの?」「最近手がけたプロジェクトは?」などの疑問に答えるために、仕事内容をできる限り詳細に解説していきます。記事は前半・後半の2部構成で、前半はプロダクトデザイナーの役割や業務説明、後半は私が実際に手がけたプロジェクトについてまとめました。

下記に後半のリンクも貼っておきますので、興味がある方はぜひ2本ともお読みいただけると幸いです!

プロダクトデザイナーとは

デザイナーの中でも、「プロダクトデザイナーってどんな仕事をしているんだろう?」と思われる方も多いかもしれないので、まずは一般的なプロダクトデザイナーの役割について簡単に紹介します。ざっくり言うと、

プロダクトデザイナー:人々が使うすべてのプロダクト= 製品について、より使いやすくするために見た目を整える人

を指します。デザイン対象は大きく分けて2つあり、3次元世界と2次元世界のプロダクトデザインがあります。例えば、3次元世界のプロダクトデザインはペンや自動車、2次元世界のプロダクトデザインはアプリやゲームなどが挙げられます。

対象だけでなく業種も多様で、ほぼすべての企業が関係しています。立体物から平面物まで、すべてのモノを直感的に使いやすくして、ユーザーにハッピーになってもらうデザインをする。そんな役割を、プロダクトデザイナーは担っています。

プロダクトデザイナーのスキルはデザインセンスを筆頭に、心理学、認知科学の学問や、Adobe XDやCADのソフトウェアツールの習熟が求められます。ただ、それと同じくらい大切なのが、実際にユーザーが本当に求めていることを分析、推測する思考マインドです。知識やツールの技術だけでなく、本質を突き止めようとするマインドも持つことではじめて、プロダクトデザイナーとしての価値を発揮することが可能なのです。

サイシードにおけるプロダクトデザイナーとは


人々が使うすべてのプロダクトについて、より使いやすくするために見た目を整えるのがプロダクトデザイナーだと説明しましたが、その中でも、サイシードのプロダクトデザイナーはどのような業務をしているのでしょうか。その1つの特徴として、「より多くの方々の心を掴むデザインを作るために、社内の他のチームと密に連携してデザインを考えていく」という点が挙げられます。ここからは、この特徴について解説していきます。

サイシードのプロダクトデザイナーが手がけているのは、自社開発しているWeb製品のデザインです。このWeb製品のプロダクトデザインの特徴は、電車内の広告などと異なり、インパクトよりも一目で操作方法を予測できることが求められる点。社会に多様なサービスが溢れている今、UIが粗末だとユーザーは触れることすらせずに離脱してしまうためです。だからこそ、触れてもらう・慣れ親しんでもらう・再利用してもらうことを目的に、なるべく分かりやすく表示させることに主眼を置いています。

ただ、サイシードの製品は納品先の業種を問わないので、ターゲットユーザーが非常に設定しづらいです。デザイナーの方なら分かってもらえると思うのですが、ターゲットユーザーを絞り込めないままデザインを進めるのは正直辛いですよね(笑)。だからこそ、広く一般的に使われるようなサービスや有名企業のデザインガイドラインを参考にして、より多くの方々に分かりやすいと感じてもらえるデザインを意識しています。社内の開発チーム・営業チームと連携し、こうしたデザインの方向性を試行錯誤して決めていくのが、サイシードのプロダクトデザイナーならではの重要な役割です。

サイシードにおけるプロダクトデザイナーの詳細な業務説明

詳細なワークフロー

よりサイシードのプロダクトデザイナーの具体的なイメージを掴んでいただくために、ここからは詳細なワークフローを説明していきます。プロダクトデザインのリアルをお届けするために、少し専門的な内容にも踏み込んでいこうと思います。

まず、プロジェクトリーダーから仕様を共有してもらった後、リーダーや開発メンバーにヒアリングをしつつ、型となる大枠のデザインを制作していきます。ヒアリングをする上で大切なのは、プロダクトの根本に関する情報を徹底的に集めること。サイシードでは、スピーディーな開発を大事にしており、ともすると基礎部分が疎かになってしまう危険があります。その危険を回避するためにも、プロダクトデザイナーが開発メンバーと一緒に基礎部分を考えることで、メンバー間の認識統一を行っています。このときプロダクトデザイナーに求められるのは、デザインの意図を説明したり、何がしっくりこないかを表現したりと、可能な限り言語化して論理的に説明すること。言語化ができていないと、デザインを決める上での正しい判断材料を持てず、本質的なデザインが作れなくなってしまうため、このスキルはとても重要です。

言語化しながら認識を揃えてデザイン制作に着手していきますが、その際には3パターンほど制作することが多いです。まず、ある基準を設けた上で、その対極にあるデザインを2パターン。これは、1次関数の始点と終点をイメージしてもらえるといいかもしれません。さらに、1次関数の中点パターン、もしくは1次関数の外にあるぶっとんだパターンを制作します。なぜこうした方法でパターンを作っているかというと、インスピレーションを湧かせ、デザインの方向性を決めるためです。

こうして型となるデザインが決まったら、開発チームとミーティングを行い、仕様の漏れがないかを確認していきます。チームで進めていく以上、どうしても仕様の漏れが発生してしまうことがあるのですが、これはデザイナーに近い人であればあるほど発見しづらいので、プログラマーまたはプログラマーに近いポジションの人にチェックしてもらっています。特にプログラマーは細かい仕様を一番把握している人であり、かつデザインを元にコーディングする人なので、適切な意見をもらえる可能性が高いです。

基本的には、これらを繰り返しながらデザインを詰めていき、最終デザインが決まります。デザインが決まったら、リリース用と開発用の資料を作るためにデザインを清書し、場合によっては画面仕様書も作成します。他にも、会社の全体会議で進捗発表を行う際は、営業向けの説明資料を作成することもあります。

プロダクトデザイナーの、その他の業務説明

また、お客様のご要望ごとにカスタマイズしたデザインを作成することも、サイシードのプロダクトデザイナーの役目です。サイシードの一部の製品はカスタマイズできるため、お客様のご要望に合わせてデザインを調整することもあります。ただ、全てのご要望をそのまま叶えればいいというわけではありません。中には、ご要望通りにカスタマイズするとデザインが損なわれてしまうケースもあるためです。例えば、あまりにも読みにくい文字色や目が痛くなるような背景色など、ユーザーがネガティブに感じやすい要望があったときは、デザインの視点から調整していく必要があります。その際に用いるのが、私が勝手に開発したサポートツール。画面上でカスタマイズできるこのサポートツールによって、色味や形を調整していきます。

他にも、制作の経緯を詳細に把握することも重要な仕事の1つ。制作経緯を把握していないと実装が難しいデザインを提出してしまい、どのデザインなら問題ないか改めて相談するなど、エンジニアとのコミュニケーションコストが発生してしまうためです。サイシードは多くの納品先があるので、無駄な工数を削減し、効率的に納品を進めることが求められるのです。

サイシードのプロダクトデザイナーとして求められるスキル

求められるスキルについて何度か触れてきましたが、ざっくりまとめると、

・基本的なデザイン力、プロトタイプソフトの習熟
・ユーザーの感覚を予測する力
・言語化力
 -何がしっくりこないかを表現できる力
 -エンジニアや営業に、どのデザインが良いかを論理的に説明する力
・ヒアリング力
 -仕様やプロダクトの本質的な目的を把握する力
 -相手の主張の芯を捉え、何を重視しているかを知る力

大きくこの4つが求められます。また、これはプロダクトデザイナーとしてではなく、サイシードの文化としてですが、自己分析力と、自分に必要なスキルを能動的に身につけようとする力が大切です。というのも、まだ社員数が少なく少数精鋭で運営しているので、受動的な働き方だと成長できないためです。裏を返せば、自分のタスクがオーバーしない範囲で新しい分野に挑戦したり、プロジェクトを提案したりできるので、他社と比べて短期間で成長できる可能性が高いです。

サイシードにおけるプロダクトデザイナーが得られるスキルとキャリア

サイシードのプロダクトデザイナーは、1つのプロダクトのみを手がけるのではなく、複数のプロダクトを並行して手がけているため、多様な経験を積むことができます。そのため、自然とUIに関する知見が増え、要望に沿ったデザインが高い精度で提案できたり、Adobe XDなどのプロトタイプツールのスキルも向上したりと、デザイナーとしてレベルアップすることができます。

なにより、プロダクトのキックオフから参画できる可能性がとても高いので、他の部署の人が何を重視して仕事をしているのか、どのように説明したら理解してもらえるのかを考える力が身につきます。さらに、最近では海外の人と仕事をするケースも増えてきているので、文化の違いを考慮しながら、仕事を進めていく力も身につきます。

プロダクトデザイナーはユーザーが本当に求めていることを分析する役割を担っています。この分析力を磨くためには、自分と違う考え方を知ることが必要不可欠だからこそ、デザイナーとして成長したいと考えている方には、プロダクトの初期段階から参画できるサイシードを強くおすすめしたいです

また、サイシードのプロダクトデザイナーのキャリアは非常にフレキシブルです。プロダクトデザイナーとしてのスキルを磨き続けるのもアリですし、ディレクターやPMの管理系ポジションに進むこともできる。プログラミングを勉強してエンジニアに進むことも可能ですし、営業系に進むことも歓迎されます。さまざまなキャリアの選択肢があるため、サイシードで働きながら、自分のペースでキャリアを模索することができます。

以上が前半パートになります。

サイシードのプロダクトデザイナーの仕事内容や、得られるスキルに魅力を感じていただけた方がいたら、ぜひ一緒に働くことができたら嬉しいです。

後半では、私が手がけた実際のプロジェクトについて、プロジェクト背景から進め方、また苦悩した部分までさらけ出しているので、興味がある方はぜひ読んでみてください!

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