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マイプロの場づくりの価値観(1): 人間は本来、真剣にお互いを想い・感じ・ケアし合うチカラを持っている

こちらの記事は、以下のnote記事の続き(当該部分の詳細)となっております。

よりよく自分らしく生きようと真剣に取り組む人間同士、真剣にお互いを想い・感じ・ケアし合うチカラを引き出している

マイプロの場づくりは、グループダイナミックスの一種といえます。ここでいうグループダイナミックスとは集団の中での関係性を扱うということです。つまり、マイプロは一対一のコーチングとは違います。コーチという特別な役割が、参加者に対して一対一で接し、何か気づきを与えたり、自己決定を導いていくというようなものではありません。あくまで場を設計し、その場に参加する人間同士の関わり合いの結果として、全ての参加者に気づきや学びが生まれてゆきます。

もちろん、マイプロにおいてもファシリテーターという特別な存在はいます。ファシリテーターは、場の安全性を担保する役割を持ちます。しかしマイプロにおいては、学習者同士、つまり参加者同士がお互いに気づきを与えあったり学びを与え合うような関係性が回を重ねる毎に生まれてゆきます。限られた時間・制約の中で、その関係性が生まれるように場をデザインしていくのが、マイプロのファシリテータの役割であり、力量となります。

全ての人が実践者であり、当事者であること

このことを念頭に、私はよくマイプロの説明会において、「私たちファシリテータは回を重ねるごとに、その存在感がなくなっていく。五回のプログラムのうち3,4回になってくるとファシリテータは空気のような存在となる。あるいは、一人の参加者として場に溶け込む」とお話いたします。
実際に、参加者の多くが、お互いにファシリテータの関与なく、素晴らしい問いかけを投げかけあうようになります。マイプロの参加者には、コーチング技術を本格的に学んでいる方や資格をお持ちの方も多くいらっしゃいますが、そのような方々が毎回驚くような「素晴らしい問いかけ」が参加者同士で飛び交います。コーチング技術を学んだことがない人たちの間で。

このようなことが起きる背景には、2つの理由があると考えています。
1つ目は、マイプロの参加者は、お互いに同じことに真剣に向き合っている実践者同士であるということです。

気づきを引き出したり、相手の成長の助けになるようなサポートを的確に行うことができるようになるための前提条件は、(コーチング技術のような専門的なスキルである場合もありますが、)やはり、相手と同じようなシチュエーション状況に置かれている人間が、自分事として考えたり感じたことを伝えていくということ、にあるのではないかと思います。

つまりは、マイプロの場においては、ファシリテーターを含めて全ての人が、「マイプロジェクト」の実践者です。つまり自分と向き合い「自分が何者か?」ということを知りたいと思っている人たち同士であり、そのように、「自分にもとづき、自分の人生を、どう社会とつなげていくことで充実化させていきたいか?」ということ、さらにいいかえるなら、「自分の人生を真剣に設計し、自分のものとしていこう」と真剣に向き合っている者同士であるということです。
お互いに取り組むプロジェクトのテーマは違えど、真剣に取り組んでいるプロセスは共通しているのです。したがって、あたかもスキルを学んだコーチのような役割を相互しあうことができる関係性が生まれるのでしょう。

人間にはお互いをケアし合うと言う本能的な能力が備わっている

2つ目は人間にはお互いをケアし合うと言う本能的な能力が備わっているということです。

子どもたちを見ていると、人間には他者、特に困っている人や自分より弱いと思うような人たちに対して、優しく接し、力になってあげようと思う気持ちが、もともと備わっているように思います。もちろん一方で、とてつもなく利己的であったり、残酷であることも確かですが。笑

したがって、大人の我々においても、両方の側面が備わっているのでしょう。人生それなりの長さ生きてくると、一生ずっと平凡だった人、ハッピーだった人、不幸だった人という人は稀で、山あり谷あり、良い時も良くないときもあったと思います。また、分野によってもそうでしょう。自分が生き生きと能力を発揮できる分野もあれば、どうしても苦痛であったり能力発揮できない苦手な分野もあります。

つまり強い場面や調子の良い時もあれば、弱い場面、調子が出ないときというものの両方があるということです。

競争社会の中だけで生きていると、そして特にその中で、概ね勝ってきた経験の方が多い方の中には、常に強さに磨きをかけ、弱さを隠し、あるいは弱さを克服していかないといけないという価値観を持ちの方もいらっしゃると思います。
一方で、「弱さの強さ」といいますが、弱さこそが人と人とを結びつける(先に述べたように、我々の中にもともと備わっているのではないかと思われる、お互いを助けたり励ましあったりケアしたりする気持ちが生まれてくる)源泉だと感じる方も、多いと思います。
さらには、人生において、同じような苦しみを乗り越えたことがある、あるいは乗り越えつつある、といったような共通点から、同じような思いを持ち、共感し合う関係になることがあります。そのことによって、相手に対する強い共感の気持ちから、相手のことを応援したくなることもあります。

マイプロの場づくり、マイプロのプログラムでは、特にME編のストーリーテーリングにおいて、そのような「弱さ」が生み出す関係性強化の仕組みが随所に埋め込まれています。そのことによって、お互いをケアし合うという人間がもつ本能的な能力を引き出しているのです。

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この記事はnoteサークル「マイプロ・ファシリテーター道場」のみなさんの貢献によって作成されました。以下のみなさん(noteユーザ名。敬称略)に感謝の意を表します。

Special Thanks to...
Yoshiki Namba 難波ファシリテーション事務所代表, 高知マイプロジェクト道場第一期ファシリテータ
かず 中小機構TIP*S マイプロジェクト道場 第17期修了生
しらさん 名古屋マイプロ第1期第2期修了生  
tuka(塚原 昌代)中小機構TIP*S マイプロジェクト道場 第2期修了生・サポーター, ビジネス・ブレークスルー大学LA
OKB マイプロタウンしまね, ビジネス・ブレークスルー大学LA

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