ミステリアス・フレンド(モノローグドラマ004)

「ミステリアス・フレンド」


■人物
女子

■本編
女子「私にとって君は謎だ。私のことを好きだと言ったり、嫌いだと言ったり、昨日と今日で言っていることがあべこべだったり。君の本当の気持ちは一体どこにあるの?」

女子「君と私が仲がいいのは、周りから見たら、不自然に見えるのかな? よく不思議がられるよね……。でもそれは当然だと思うんだ。君は明るくて話し上手で誰とでもうまく関係を築けるけど、私は暗いし話すの下手だし。君とは本質的に色々違うって思う」

女子「でもね。私は、君の傍だと自然な私でいられるんだ。君と一緒にいると飽きることがない。だから、周りの意見なんて、別に気にしてないんだよ」

女子「君と同じクラスになって、話すようになったきっかけは、確か、文房具を忘れた私にシャーペンと消しゴムを貸してくれたことだったよね。そんな些細なことから、私たちは繋がったんだよね」

女子「親しくなるのに時間はかからなかった。でも、不思議。共通の好きなものがあるわけでもないのに。私と君の間で話はいつも尽きないよね。私は本当に君の事を親友のように感じているんだよ」

女子「君が面白いってススメてくれる本や音楽を探すのが、私の楽しみだったりして。君はよく私が知らないと、目を輝かせて教えてくれるよね。その輝きが、羨ましいって思うこともあるんだけど。私もいつか、君が興味を持ってくれるようなものを持てるようになりたい……私も私をもっときちんとみんなに伝えられるようになりたい、なんて、君を見ているとできもしない希望を夢見てしまうんだ」

女子「やっぱり、私にとって君は謎だ。私のことを親友だって言ったり、他人だって言ったり。大好きだって言ったり、嫌いだって言ったり。いつもどこかあべこべで。だけど、本当はすごく私を思っていてくれているのもわかるのはなんでなの? 優しさという名の謎を私は解き明かせない」

              (おしまい)

今後の執筆と制作の糧にしてまいりたいと思います。