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【0998】身近なSDGs_イノベーションへの寛容を考える

SDGs1000日チャレンジもラストスパート。SDGsは非常に広範な目標たち。17個もの目標や169のターゲットや、なんだったら232個も指標がある。

これ、全部気にして生きていかなきゃいけないの?と途方に暮れてしまうこともあると思います。

日本での暮らし中で、身近なことから全てのことにつながるなと個人的に感じるものについて、触れていきたいと思います。と言いつつ、今日のテーマはちょっと身近ではない部分もあるかも。

開発と持続可能性

SDGsやその前身であるMDGs、もっと言うとそのさらに前から、こういった環境や社会への配慮が必要だとされてきた理由として、行き過ぎた技術開発や経済発展が、様々な問題につながり、地球がこのままじゃ持たない。となったからという側面があると思います。

SDGsのDもDevelopment、開発についてのことであり、持続可能な開発の目標。つまり開発はそもそも持続可能じゃなかったという前提での言葉になります。

経済が成長したとしても、環境に悪影響がないように、デカップリングを進めなければ。というのも、この開発や経済成長自体が良くないことを引き起こしてきたからだと言えます。

それが故に、新しい技術やイノベーションは、儲かる匂いがすることと相まって、「本当に技術やイノベーションをすることは必要か?」と問われることもあるように思います。

イノベーションは失敗と不安だらけ

イノベーションを起こすにはできるだけたくさん失敗することが大事ともいわれるくらい、イノベーションに失敗はつきもの。

失敗が多いということはそれだけ、ムダや浪費も多い。技術が確立されたとしても、普及できるようなコストじゃなかったり、色々な無駄や浪費は残ったまま、数年はかかるという状態も多々あると思います。

そして、ムダや浪費だけはなく「何が起こるか分からない」というものもつきまとってきやすい。

例えば、植物における遺伝子改良やゲノム編集のテクノロジー。
自然界では持ち得なかった特長を、人為的に植物に(もしかしたら動物にさえ)、付与することができ、食料問題などを一気に解決しうる可能性があると同時に、その遺伝子操作によって、生態系にどんな影響が起こるか分からない。など、危険性も示唆されています。

それ故に「そんなことをせずに、自然界にあるそのままの方法を尊重すべき」という声ももちろん出る。

共感できる声だと思うと同時に、やはりそれでもイノベーションは必要。ということも、やはり思います。

イノベーションへの期待と寛容

それでもやはりイノベーションが必要。なのは、今の地球環境や社会問題のレベルが、ちょっとずつの努力では追いつかないレベルの課題が多いから。ということがあります。

気候変動対策にCO2を「なるべく出さないようにする」ことはもちろん大事だけど、排出を減らす方法から、「もうCO2を逆に回収して、埋めたり再利用したりしてしまおう」というイノベーションも同時に行っていかないと追いつかない。色んな課題のレベルがそういう状態だから、やはりイノベーション・新技術に期待するしかない。と言えると思います。

そんなイノベーションへの期待値は、各所で必要性が語られています。

このイノベーションというものの難しいところは、初めて世の中に出てきたイノベーションは「それが本当に良いことなのか良くないことなのか区別がつかない」ことが本当のイノベーションになりえる。ということが言えるのではないかと思います。

既存の尺度、ルールでは判断できないことが多い中、様々な可能性にかけて、進めていく必要がある。それがイノベーションや新技術の現実だと思います。

そういう意味で、イノベーションへの取り組み方でも寛容さを持つことが必要だし、世に生まれたイノベーションも、どう転ぶか分からない中、存在を認める寛容さも必要になってくるのでは。と思います。

そしてその寛容さは、日常の中に取り入れてみる。という寛容さも手伝うことで、生活に浸透し、インパクトを生んでいくようになるのかもしれないなと思います。

例えばアーバンファーミングという暮らし方のイノベーション

農を「業」として一箇所集中で誰かにまかせてしまうのではなく、都市で自分たちが農のプレイヤーになって、分散的に育てていってしまおうという方法で、この取組ではIoT等を活用した農法にも取り組んでいます。

「プロでもない見知らぬ人が育てたものを口にできるのか」
「機械なんかで本当に植物が育てられるのか」

など、様々な懸念点は挙げだしたらキリがないですが、ここに集う方々は、集まった人たちで信頼しあい、寛容さをもって、この取組を楽しんでいるように思います。

アーバンファーミングは取組自体が素敵なものに感じやすいようにも思いますが、こうした寛容さが、その他にもあるであろう「もっと何がなんだか分からないイノベーション」にも必要なのかもしれません。

イノベーションや新技術という、「開発」の匂いや「持続可能じゃないんじゃない?」の匂いがちょっと香る言葉、ムダや不安が多いものでもあるそれらを、柔軟に取り入れてみることも、日常や日々の価値観にインストールできるといいなと思います。

以上、身近なことからSDGsを考える。
今回は「イノベーションへの寛容を考える」でした。
いよいよラスト2日。

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