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本当にどれだけあるのか?利益を確保しているSDGsの事例を探して サスパタへの道(3)

PMI日本支部SDGsスタートアップ研究会の三木章義です。CSVのリファレンスカタログ作成に向けた活動 ~サスパタへの道~ 第3回です。どうぞ最後までお付き合いください。


CSVの事例収集が全然進まない!

 情報溢れるインターネットの時代でも、本当に欲しい情報は検索してもなかなかヒットせず、手に入れるのは難しいです。

 前回は、サスパタプロジェクトの5つのステップをご説明しました。その最初のステップが事例収集です。

「なんとなかるだろう」と安直に考えていましたが、いざ始めると超高い壁にぶち当たりました。社会課題を解決しつつ利益もしっかり確保し「持続可能な開発」と言えるCSVの事例が、全く見つけられません。

 藁にも縋る思いでChatGPTに訊いてみたら、ネスレとウォルマート、ユニリーバの事例を教えてくれました。「ChatGPT、おまえもか!」

厳密に黒字が確認でなくても、可能性が有れば成功事例の収集対象に

 SDGsがブームになってから、多くの企業が自社の取り組みを発表してきました。CSVの事例収集など簡単と思われるかもしれません。

 蓋を開けてみたら、今までの事業をSDGsのゴールのどれかに結びつけただけの単なる宣伝か、本業とは別に行った社会貢献活動ばかりが目立ちます。

 結局SDGsブーム前とそう変わりない状況でした。「持続可能な開発」は、これまでイノベーションが必要と言われて来た難しい課題です。そんなに簡単に解決策が湧いて出てくるわけが有りません。

 始めて間もないのに、仕方なくここは事例収集の方針を変えることにしました。状況を見て素早くピボットする事がスタートアップの特徴の一つです、と自分に言い聞かせています。
 明確に儲かっていることを表明していないケースでも、社会貢献活動や補助金頼みの事業でなければOKとしました。利益を出せる可能性が有る事業構造と判断できれば、たとえ実際にはまだ赤字だったとしても希望が持てます。

 基本的には以下の6種類を用意して、事例を分類していきます。(No.6は、想定していなかった経済価値だった場合に備えての予備です)

  1. 売上は上昇、コストは低下

  2. 売上は上昇、コストは据え置き

  3. 売上もコストも上昇、ただし売上の上昇がコストを上回る

  4. 売上は据え置きだが、コストは低下

  5. 売上もコストも低下、ただしコストの低下が売上を上回る

  6. その他

 このハードルを下げた方針転換により、少しでも事例収集が進み、パターンの分析に必要な量が集まることを期待しています。

新しい方針で、来年早々から事例収集を再スタート

 今回は、サスパタ・プロジェクトの最初のステップである「事例収集」に早くも躓き、方針転換を余儀なくされている状況をご報告しました。

 計画が甘い、見通しが楽観的過ぎ、プロジェクトマネジメントがなっていない、とお𠮟りを受けそうです。本当に、こんな進め方でゴールに達成するのでしょうか?かなり心配です。

 「緊張感をもってこの状況を見守り、適切に対処していきたい」と紋切り型文言で、今年のnoteは締めたいと思います。
 みなさん、良いお年を!そして、来年も「持続可能な開発」の実現に向けて一緒に歩んでいきましょう!



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