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ミュージカルオタクが2023上半期を振り返る

【20230717 追記しました】

皆さまいかがお過ごしでしょうか。
わたしは相変わらず公私共に忙しくしているのですが、もう6月も終わりに近づいていることに気がついて、
こりゃ年末もすぐ来るなぁ……
なんて思ったので、2023年の上半期に観た作品の中で、勝手に賞を授けていきたいと思います。


詳細も含めて書きたいところなんだけども、今わたし本当にそれどころではないので(?)、ひとまず「賞の名前」と「作品名」だけを列挙しておきます。
だったら時間あるとき書けよ!って話なんだけどさ、ほら、もう6月終わっちゃうじゃん?
7月になって別の作品観たら印象変わっちゃうかもしれないじゃん??

ということで、今のうちに並べるだけ並べておきます。

【追記】
詳細を追記しました!!!


想像以上にハマったで賞

・バンズ・ヴィジット

私は昨年末、1月の博多座エリザのことしか考えてなかったんです。
年末に愛知から関東へ引越しをしたこともあり。
で、2月に観劇の予定が入っていなかったので、「何か1作品観とくかな〜」くらいの気持ちで、この作品のチケットを取りました。
キャストを観ただけでも安心感があったので。

余談ですが、
「今月何も予定がないから何か観ようかな」
という思考がそもそもオタク脳ですよね。
貯金しておけばいいものを。
それができないからわたしは根っからのオタクになっているんですけども。

閑話休題。
事前に新納さんが各メディアで
「この作品は特に大きなことが起きるわけでもないんです」
と何度もおっしゃっていたので、わたしも比較的気軽なタッチで観に行ったんです。

そしたら。
「なんか、じわじわきて想像以上に良くないか……?!」
と、感覚的に思ったんですよね。

感想記事はこちら。

結果的にリピチケで東京千穐楽も観てしまったし、そのときになんだか泣けてきたんですよね。

帰りにそのまま帰りたくなくて、新納さんがブロードウェイでの観劇後に川沿いを歩いて帰ったという気分がものすごくよく分かったので、実際ふらっと散歩したりぼけーっとしたりしてから帰りました。
その時間も込みで、本当に「いいもの観たな」と思えた作品でした。


・ダーウィン・ヤング

上半期ラストで観た作品。
これについても感想考察記事を書きました。

正直、もう一度くらいは観たかった。
Wキャストも蒼くんしか観ていないし。
でも、口コミで評判が広まり、途中で完売御礼が出たと知ったとき、嬉しい気持ちになったんですよね。
本来の、一番良いチケットの売れ方なんじゃないかなぁって個人的には思うので。

詳しいことは感想記事に書いたのでここでは割愛しますが、想像以上に深い作品でした。
再演があったらまた是非とも観たいです。
(演出でもう少しブラッシュアップしてほしいところはあったので、再演の際はそこにも期待をしたいです!)


人生を変えたで賞

・RENT

シアタークリエにて

今回、それぞれの賞ごとに作品を挙げていますが、大賞を捧げたいレベルです。
だって、人生変えてくれたんだもの。

とっても個人的なことになってしまうのですが、わたしは昨年に一大決心をして、初めての引っ越し、初めての一人暮らし、初めての転職を経験しました。
もっと若いころに経験しとけよって感じでしたが、むしろ「今じゃないともっと遅くなる!」と思ったんですね。

初めての一人暮らしといっても、もともと遠征バリバリしていたこともあって、有難いことに関東エリアに友人が何名かいます。
だから、友人と会える機会が増えたり、久々の再会を果たすことができたりしたのが嬉しいし、趣味の場所にも行きやすくなったので、生活自体には比較的すぐ慣れました。

ただ、転職はそうでもなかったんです。
あ、先に言っておきますがブラックとかではないんです。
むしろ福利厚生は良かった。
ただ、色々なことが合わなかった。
最初は「慣れたら大丈夫かな」と思ってはいたのだけど、日に日に「このままいくとわたしはだめになりそうだな」と思ったんです。

転職する前は、新卒で入った会社にずーっと勤め続けていたので、こんなにも早くそんなことを思うだなんて思わず、自分で自分の考えに驚きました。

そんなとき、RENTを観劇したんです。

3回観て3回泣いたんですけど、まず、初回は純粋に作品のパワーに圧倒された。
こんな素晴らしい作品をわたしはどうしてこれまで観てこなかったんだと思ったくらい。
でも、それって、“今観るべき作品”だったんだからなんじゃないかなって。
わたしは「あらゆることはタイミングとご縁で成り立っている」と信じているので、それが今回ピタリとハマった感覚でした。

言わずもがな、キャストも素晴らしいんですよね。
歌の上手い人しかいないし、歌でぶん殴られまくる最高のひとときでした。
でも、ただ歌が良いだけじゃなくて、物語でもちゃんと訴えかけてくれるんです。
RENTは、キャストが“演じている”というよりも、“生きている”という表現のほうがしっくりきます。
そんな姿に突き動かされました。

ここにいる一人一人が、過去も未来もなく、今日を生きている。
NO DAY BUT TODAY

このメッセージが、自分の心に深く刺さったんです。
今の自分を信じて、行動するなら今しかない!
と、3回目=東京千穐楽の頃には決心しました。

以前の自分だったら、こんなふうに突き動かされて行動していなかったと思うんです。
一度落ち着いたらそこから冒険したくないし、そのままでいいならそのままでいたい。
でも、観劇後のわたしは違った。
色々な面倒くさいことがあっても、今のままじゃダメだ!
変えなきゃ!

ということで、色々な人に相談し、転職活動をし、無事に今は新しい職場で働いています。
おかげさまで、今度は自分らしくやっていけそうです。

そんなことがあり、RENTは自分にとって大切で忘れられない作品となりました。
各方面に感謝を伝えたいです。


やはりわたしの閣下はあなたで賞/
劇場のホスピタリティ最高で賞

・エリザベート(芳雄トート)@博多座

少しシリアスになってしまったので、息抜きとして聞いてください(作品はシリアスだけども)。

博多座エリザについては、2部門の受賞となりました。

まず、「わたしの閣下」は井上芳雄さまです。
これについては以下の記事たちで語りつくしたのでそちらを読んでください。

ちなみに先日、読んでくださった方が感想をくださって嬉しかったです。

芳雄さんのトートが博多座にしか降臨されないとなったら行くしかないわけですが、なんとかチケ発で1枚確保。
関東へ引っ越してから初めての遠征だったのですが、10年ぶりくらいに飛行機乗りました。

行って本当に良かった。

というのも、芳雄トートはもちろんのこと、前々から博多座に行きたいと強く願っていたわけです。
だって、良い評判しか聞かないんだもん!

で、行ってみたら。
何この素晴らしい世界。

博多座の音響や見やすさはもちろん、遠征民へのウェルカムっぷりも感じられるし、地元の皆さんにも愛されているのが分かりました。
劇場までのアクセスの良さ、劇場内の売店の充実っぷり、その中の人々の優しさ、フォトスポットの気遣い……
全てが素敵でした!!!

必ずまた行きたいです!
次は泊まりでゆっくり行きたいな~。


宣伝文句の通りに楽しかったで賞

・クレイジー・フォー・ユー

KAATにて

こちらは5月末に観劇したのですが、もともと劇団四季の作品をたくさん観てきた母から「クレイジーフォーユーはいいぞ」とずっと言われていました。
うちの母、ものすごく辛口コメントなんです。
というのも、昔素晴らしいものを観すぎてしまって、最近の作品を観ることにあまり気乗りしないタイプでして。

だからこそ、娘ながら母のコメントは信じているんですね。
わたしは、いわゆる“世間で評判になっている作品”が刺さらないこともよくあるので、信頼できる人の感想を参考に観に行くことがあります。

ということで初見で観たCFYは
とにかく楽しかった!!!
の一言に尽きました。

キャストボード

歌、ダンス、芝居。
この三拍子がすべて揃っているキャストだらけ。
全体を通して、テンポ感が良い!
「観るだけで、幸せになれる。」のキャッチフレーズまんまでした。
わたしは「必ず泣ける」みたいな作品を観て泣けないタイプなので、本当にキャッチフレーズの通りなのか?と疑いがちなひねくれ者なんですけども、これは宣伝文句の通りです(言い切った)。

自分が好きになるのは、観劇後に考察したくなるシリアス系の作品が多いのですが、こういう作品も定期的に観たいですね。
難しいこと考えずに観て笑うのも大事。


しんどくて最高だったで賞

・アルジャーノンに花束を

浦井健治さんのことを、初めて「こわい」と思った作品でした。

日本青年館ホールにて

これまで何度か上演されてきたことは知っていたけれど、観る機会がなかった。
ここ最近の浦井さんの歌が素敵だなと思って、気軽なタッチでチケットを取りました。
観劇の日までに原作を読み、これはきっと気軽なタッチで観られないやつだなと覚悟はしていたのですが……
実際に観劇したら、想像以上にしんどかったです。

この、「しんどい」というのは褒め言葉。
特に2幕が怒涛で、家族のシーンは観ていて本当につらかったです。
それくらい、すごかった。

そして、浦井さん。
IQの低いチャーリイと、“かしこく”なったチャーリイ。
その人物像の変化が見事でした。
賢くなる前と後のチャーリイを、一つの台詞の中でリアルに行き来している感じがあって、すごい表現力だなぁと感動。
賢くなってからの、アリス(キニアン先生)と向き合って「どうして僕の目を見ないの?」と迫るときの表情がすごく怖かったのを覚えています。

これは一度きりの観劇ではダメな気がする、と直感が働き、東京千穐楽のチケットを買い足して見届けたくらい。
涙を拭うハンカチよりも先に鼻をかむティッシュのほうが必要になったくらい、だばだば泣いた。

チャーリイを包み込む北翔さんのキニアン先生も本当に温かくて、終盤の2人のやり取りで涙のダムは決壊です。
みんなが花束を持って出てくるシーンもやばいし、ラストにチャーリイが言う「どうか ついでがあったら~」の台詞で追い打ちをかけられ、わたしの涙腺はさらに緩むのでした。


すごいコンサートだったで賞

・BRANDON LEE ミュージカルシンフォニーコンサート

こちらは作品ではなくコンサートですが、番外編として。

わたしはミュージカル『フランケンシュタイン』が大好きです。
だったらこのコンサートは行くしかないでしょう。

文京シビックホールにて

とにかく皆さんの歌声に圧倒されまくりました。
日本で上演されていない『ベン・ハー』のナンバーもすごかった……。
日本からはフランケンのオリジナルキャストである加藤和樹さんが出演されていましたが、日本語で歌ったのがフランケンのソロナンバー1曲だけってすごくない???
デュエットは韓国語で合わせていたのですが、わたしの耳にはとても自然に聞こえました。

韓国キャストの皆さんはお一人お一人が本当にすごい。
そしてMCで頑張って日本語を話してくださるときのかわいさとのギャップもまた素敵でしたね。

改めて、イ・ソンジュンさんすごいなぁ……と思い、フランケン再演に思いを馳せた夜でした。
1部のラスト、ベン・ハーからフランケンへの繋ぎになっていたのもとっても素敵だったなぁ。
いつか韓国でミュージカル観劇もしてみたいです。


総括

以上!
賞のネーミングが良い感じに古いで賞。
(まだ言うか)

もちろん、ここに挙げていない作品でも素敵な作品はありましたが、厳選して勝手ながら賞を授けたいと思います。
素晴らしい作品やコンサートをありがとうございました!


下半期も既に観劇始まっておりますが、これからも楽しく観劇して素敵な作品やキャストに出会えますように。

サポートは不要です。読んでくださったあなたと、またどこかでご縁がありますように。