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いつかの短編お話たち

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小説『幸せに暮らしましたとさ』の続編、 『とても幸せに暮らしています~私とモフモフと過保護の日常~』 こちらの本流から外れたいつかのお話である短編を追加していきます。 ノートごと… もっと読む
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記事一覧

呪われし聖なるアイテム

「あ~暇だな~夜ご飯にはまだ早いし~買い物しに行くほどのやる気もないし~」 「赤とおろが家庭菜園中」 「え、まじ? じゃあ遊んでもらおうかな?」  いつものように暇を持て余しナナに覆い被さりながらだらだらごろごろしていると、特定の若者1人にとっては嬉しくはないであろうエスクベル神の啓示が。 「林の拠点の畑も最近は見てないしなんか変わってるかな~」  林の拠点だけではなく城壁の外の農地も見ていない、が正しいけども。 「でもサンリエルさんいないの珍しいな~」  だら

惑星エスクベル小話#4 先輩マウント

お前にぴったりの曲があるんだよね~知りたい? まあ知りたいよね~! はあ~できる惑星はちがうよね~ 後輩の気持ちも気に掛けるっていうか? こっちも大変だけどそれを相手に見せず、かといって無理はしていないっていう自然体っていうか? 自然惑星? かっこいいよね! はあ~すごいよね~はるちゃんが大好きになっちゃうのも仕方がないよね~ あ! ちょっと! 勝手に道を閉ざそうとしないでよ! せっかく力をためて開いたんだからさ~ まったくこれだからいつまでたってもはるちゃんの

惑星エスクベル小話#3 暇を持て余した神の使いの神のお遊戯

「アルバートさんは危ないからちょっとこっちに――」 「は、はい……?」 「カセルさんカセルさん、習った技を試したいので良い感じの倒され演技してもらっていいですか? 受け身ばっちりだけどとてつもなく倒された、みたいな」 「はい! とてつもなく倒されます!」 「あそこのふかふかしたとこで受け身とってください」 「はい!」 「その服引っ張って大丈夫なやつですか? お母様の手縫いとかだと破れると申し訳ないんですが」 「問題ないですが脱ぎますか?」 「いやちょ脱ぐのはや

惑星エスクベル小話#2 惑星保護者の最近の惑星仕事

面倒をみている人間もどきが雑な手入れでパサつかせた髪に、良さそうな新物質を作用させ翌朝反応してつやつやになるかの実験観察。 ボーナス特典の存在・エネルギーと自分のテリトリー内の新物質エネルギーの掛け合わせはこうなるのかと惑星ながらに新しい体験。 実験結果 おおよそつやつやになるものの、稀に色が変色したり悪臭を放ったり強烈な癖毛に。 その際は何事も無かったかのように手を加えているので人間もどきが気づくことはない。 目を半開きにしたまま寝ている。 たまに癖毛の部分を残した

惑星エスクベル小話#1イレギュラー

「はる」 「ふぇい、ちょっとご飯飲み込むんで…………はい、なんでしょ」 「はるがめんどくさがるのが来そう」 「めんどくさがる? 来る?」 「次の領主」 「なんだサンリかあ……次? ん? 次?」 「次の代」 「……えっ!?」 「そろそろ固定化しそう」 「固定化!? なにそれ!? いや次!?」 「次代の領主が誕生する」 「えっえっえっ」 「数年以内に」 「惑星の時間の捉え方! まあまあ先! それに生命誕生ってそんな感じなんですか……? 知りたくなかった…

私は、なる――

 夢を見た。  懐かしい夢を――

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