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【響鬼】第1話~第8話(明日夢受験編)

 初めて見た仮面ライダーは『カブト』だった。
『響鬼』にハマっていた友人の影響を受け、その後番組である『カブト』を何気なく見始めて、片手に豆腐を乗せた作務衣の青年に一瞬で心を奪われたのであった。外装をパージした後のスタイリッシュな立ち姿や、力みをあまり感じさせないような回し蹴りも非常に格好良く、初心者が沼に落ちるには十分すぎる教材であった。
 それ以降、波はあれどもほぼ継続的に現在まで「ライダー」を追い続けてきた。現行作品はもちろんのこと、お金や時間をある程度自由にできるようになってからは、過去の作品も少しずつ履修し始めた。『クウガ』を見ては一条さんと五代にときめき、『仮面ライダー』を見ては本郷猛の出で立ちにため息を漏らし、リアルタイムではあまり熱心に見ていなかったものも再見するとその奥深さ面白さに気づいたりして、底なし沼に一層ハマり続けている。
 Youtubeでの公式配信を主に追うようになって、ラインナップを順に視聴していきながら、いつかはこの日が来るのだとぼんやり覚悟していた。『龍騎』、『ファイズ』、『ブレイド』、そしてその次の『響鬼』。『カブト』の一つ前である『響鬼』は、自分のライダー史スタート地点から一番近くて遠い、平成ライダー作品群の最後の砦である。昭和ライダーはまだまだ勉強できていない物ばかりだが、『響鬼』を視聴することで、とうとう私の「平成」は終わってしまう。

 ……というわけで、『響鬼』はじめました。


一之巻「響く鬼」

 この否定も肯定も出来ずに苦笑いでその場を切り抜ける感じ、どうにも身に覚えがある感じで尻がもぞもぞする。相手に悪意が無いのがよくわかっているだけに気まずいんだよなあ……。

 グッドデザイン賞を取ったことでおなじみディスクアニマルちゃんズ。大変かわいい。


二之巻「咆える蜘蛛」

 この後、たまたま入ったお店でサウンドバーガーを見かけて「ヒビキさんが持ってる奴だ!」と嬉しくなってしまった。


三之巻「落ちる声」

 エンディングの背景映像は何パターンかあるようでちょっと楽しい。ヒビキさんとすれ違う人たちが皆楽しそうなのも良い。

「良薬は口に苦し」どころか、効きすぎた劇薬が重篤な副作用を引き起こしている様子。
 ヒビキさんは明日夢にコンパスをくれたが、明日夢の心の方位磁石はもうヒビキさんの方向ばかりを指してしまっている。受験に向けてあまり変わり映えしない日々を過ごしてきた明日夢にとって、ヒビキさんとの経験は輝かしく好ましく見えるかもしれないが、そもそも正しく北を指さない方位磁石は故障品である。


四之巻「駆ける勢地郎」

 ヒビキさんに会いたいがあまり、とうとう見知らぬ男性をストーキングし始める明日夢(そして巻き込まれるひとみ)。ティーンエイジャーの爆発的な行動力、恐るべきである。本当に無関係の人だったらどうするつもりだったんだ。

 小事件と大事件がまるでシンクロしているかのような構成。明日夢たちの尾行は、通常通りの日常生活からはちょっぴり浮いた行動であるが、それと交互に示されることにより、まるで鬼たちの戦いも日常からちょっぴり浮いただけの地続きに存在しているように感じさせられる。


五之巻「熔ける海」

『カーレンジャー』なら土門推し!
『アキバレンジャー』は色々履修した後で見返したい作品の一つである。最近久々に小説版『クウガ』を読み返したら、あからさまな「アキバレ」ネタが仕込んであってにこにこしてしまった。


六之巻「叩く魂」

『V3』ならライダーマン推し!

 まるで心配しているかのようにヒビキさんを取り囲むカニちゃんズ、ポニョの妹たちみたいなかわいさがある。奇しくもどちらも水棲生物だし。

 バスも電車も、決められた道程を走って目的地へと真っすぐに進んでいく乗り物である。通りすがりの人に尋ねながらも、それらを乗り継いで自宅=受験生としての日常に自分の足で戻っていく明日夢。きっともう心配はいらないだろう。イブキさんの勘違いが結果的にはファインプレーであった。ありがたいことである。


七之巻「息吹く鬼」

 明日夢、ヒビキさんのことになると我を忘れがち。とはいえ、今回ばかりは大目に見てやりたい気もする。よっぽど嬉しかったんだろうなあ。


八之巻「叫ぶ風」

 威吹鬼の喇叭は響鬼の太鼓よりも決め技に至るまでの手順が多い。そこがまた、本体のメカメカしさと相まって格好良い。無駄なく作業をこなしていく熟練の職人を見ているような気持ちの良さ。

 春キュウリもあるし、温室とかもあるしな……?
 お母さんはもうちょっと怒ってもいい気もするが、息子の突っ走りをどうやら苦笑いしながら見守ってくれるご様子。明日夢が素直にすくすく成長してきた一因を垣間見た気がする。

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