見出し画像

桜色の出発

この春はマイワードローブにピンクのワンピースが仲間入り。何年ぶりかしら?普段はきちんと感が出る黒、白はもちろん、ブルーやグレーなどシャーベットカラーがとにかく好きで、気づいたら似たような色のアイテムばかりが集まってしまった。

ピンクって難しい色だと思う。爽やかな春風のようにさらりと着こなせたら素敵なのだけど、ピンクにもいろいろあるもので自分に似合うそれを探すのも大変。ベビーピンクにサーモンピンク、最近はやりのフーシャピンクもかわいいけど着こなすには刺激が強すぎるかも。服の形や他のアイテムとのバランスだって肝心だ。全体的に甘ったるい雰囲気にならないように、幼い印象にならないようにと手持ちの服とどう合わせるかを考えるうちに疲れちゃって、なんとなくピンクは避けてきた。

 そんな私が今年は、何かに突き動かされるよう、ピンクのワンピースが着たくなった。新たな環境や心境を前に「やるしかない!」という決意とやる気が起こり、後戻りしないためにも門出を祝いたかったから。人生の新たな出発を祝う桜のピンクは、次へ進む力を与えてくれる色にちがいない。新たな自分を生きるためのエネルギーを与えてくれるような気がした。 

 私が選んだのは灰桜色のワンピース。threeのマニキュアのような、すこしくすんだ優しいピンク。単純な私は「あなたがピンクなんて新鮮ね」と友人から声をかけられると、新たなステージにいるんだと実感できて結構お気に入り。自分の置かれている状況に合わせた服を身に纏うこと、自分に自信を与えてくれるオシャレって希望だな。

太陽の光も、空の青さも、頬を撫でる風も、咲いている花の色も、全てが優しい4月。静かにしていたココロが揺れ動く。桜は今年もみんなが飽きてしまう前に颯爽と散り名残惜しさだけを残していったけど、萌る緑がキラキラしていてずっと見ていたいと思ってしまう。気温が上がるとピンクの長袖ワンピースは着れなくなるから、白いシャツを新調した。

#エッセイ  

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?