見出し画像

言葉は人生となる

 見知らぬ人にたいそう親切にしてもらった経験が何度かある。つい数日前も初めて会う人に感動するほど優しくしてもらった。

 日曜日の朝、目を覚ますと共に下腹部に激痛が走り、痛み止めを取りにベッドを離れたものの、あまりの痛さに意識が朦朧として床の上に倒れこんでしまった。どうにかスマホを手に取り救急車を呼び、搬送先で痛みが落ち着いた頃に検査をすることになった。そこで数時間前に感じたものとは違う強い痛みを経験し、混乱と恐怖のあまり大号泣。大人になって知らない人の前であんなに泣いたのは初めてかもしれない。

その時に、隣にいた看護師さんが「ぎゅってしていいからね」と言って手を握っていてくれて、検査が終わった後もなかなか涙が止まらず動けないでいる私を抱き寄せてくれた。

「怖かったよね。この仕事をしている私でも怖いと思うよ。でも何も病気が見つからなくて本当によかった。」その声は震えていた。


緊急搬送された という出来事は、その人の優しさを思い出させてくれるものになった。辛かった出来事に対する印象や記憶が塗り替えられたんだと思う。それは、その人の思いやりのある行動や言葉のおかげ。彼女の善意ある言葉や行いはひとつの「おはなし」の表紙となって私の心のなかに保存された。


 時に、何気なくかけてもらった言葉によって見える景色ががらりと変わることがある。言葉は人を元気づけ、前を向かせてくれるパワーをもっているから。もちろんその逆の効果を発揮することもある。

だからこそ、いつでも相手の心に寄り添い、いい言葉をかけることが出来る人でありたい。きっとその言葉は相手にとって宝物になり、一生心の中に残る。やがて、その言葉がその人自身になり、その人がまた誰かに同じ言葉をかけてあげれるようになる。そしてその誰かもまた違う誰かに。そうやって言葉が世界を作っていく。「言葉を使うことは世界を作っていくことだ」と本で読んだ。


 世界を変えるには、教科書に載っている偉人たちのように大きなことを成し遂げなくてもいい。私たちには、誰かが見ている世界を変えるチャンスを毎日与えられていて、言葉を上手に使えば、私たちが想像している以上に世界をいいものにするために貢献できるんじゃないかな。


「何気ない毎日が人生をつくるように、何気ない言葉が人生をつくる。どうせなら、言葉でいっぱいの人生に。」 はあちゅう

いつでも誰かをハッピーにする言葉を発信する人でありたい。

#エッセイ #言葉




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?