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オンライン通話で相槌オバケだった私が、表情で間を繋ぐようになった話

「ええ」というたった2文字の相槌で、会話のテンポが乱れる場面。

ニュースの中継なんかでよく見ますよね。これはオンライン通話ではあるあるなので、大抵の人は「まぁしょうがないよな」で終わるでしょう。でも私は、このしょうがない瞬間をオンライン取材で極力減らしたいと考えています。


※今回は「画面越しの相手に対して話を切り出すタイミング」というめちゃくちゃニッチなテーマについて語ります。多分、人によってはまったく共感できない内容です。

なので、私のように些細なことが気になってしまう方、完璧主義の傾向がある方、つい気を遣い過ぎてしまう方はぜひ読んでいってください!


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今でこそオンライン取材の経験がそこそこありますが、最初はインタビュイーとの距離感や会話のテンポ感をつかめず苦労しました。オンライン通話自体が不慣れだった頃なんて、クライアントさんに「丁寧に相槌を打っていただかなくても大丈夫ですよ」と苦笑されたことも…


次の質問を投げかけるタイミングも、見極めが難しいところです。こちらが話題を変えようとしたら、相手の口から今の話題の続きが出てきて「あっ…」という空気になる。
そうなると「これ以上この話をするのはいいか」と追加情報を引っ込めてしまう方が多く、とてももったいないことをしたなーと反省します。派生質問であれば、そこまでテンポを乱さずに軌道修正できるんですけどね…。


会話は流動的なものなので、日常ではそれほど心配しなくてもよいでしょう。
ただ、取材の場ではインタビュイーに気持ち良く喋ってもらうことが何より大切です。

できるだけスムーズに会話を続けるため、私はオンライン取材でこんなことを意識しています。

① 相手が話し終わるまでは基本口を挟まず、無言で頷く&小声で相槌を打つ
② 話の途中でリアクションしたい場合は、声ではなく表情で伝える
③ 大きく話題を変えたいときは、相手が話し終わってから少しだけ(体感で約1秒)待つ


①は、インタビュイーの話の邪魔をせずに「ちゃんと聞いている」ことを伝えられる便利な方法です。どんな人でも、自分の話を聞いてもらえたらうれしいですし、安心して会話を続けられますよね。

相槌が小声の理由は、PC上での音声通話において、大きなノイズはコミュニケーションの妨げになるからです。先方の音量設定次第では、自分の声が予想外に大きく聞こえていることも…。
それに、何か喋る度にオーバーリアクションをされたり口を挟まれたりすると、話し手のスタミナが早期に切れてしまう可能性もあるので注意が必要です。


②も①と同じ理由で実践していますが、ほかにも「感情を視覚的に伝える」ためにやっています。
驚いたときの顔、聞き入っているときの真面目な顔、こぼれ話を聞いたときの笑顔。そうした表情によるレスポンスがあると、話し手のモチベーションもぐっと高まるはずです。

PCの前に座って無言でニヤニヤしている姿は、同じ空間にいる人にはあまり見られたくないもの(笑)。でも、画面の向こう側にいる人からは案外普通に見えていますので「すべては取材を充実させるため!」という気持ちで臨めば恥ずかしくありませんよ!


最後に③ですが、話し言葉にも書き言葉と同様に句点が存在します。句点の後には一息つく瞬間が必ずあるので、少しだけ相手の様子に注目し、再び話し出す気配がなければ自分のターンと捉えるようにしています。

間を置かずに話し出すと、相手が話し出すタイミングともろ被りして、会話の主導権を譲り合ってしまう(つまり、グダってしまう)可能性があるからです。それを考慮して、ラグを読むようにこちら側のタイミングを遅らせています。

ちなみに「1秒でも沈黙に耐えられない!」という方は、ここでも頷いたり表情で伝えることで画面に動きを出せますので、宜しければお試しください。


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勘違いしないでいただきたいのですが、決して「相槌が一切ダメ」という訳ではありません。深く感心したり本当に驚いたりしたときには、自然と声が漏れるのが普通です。話を聞いて自然に口から出た言葉が、かえって対話をテンポ良く進めることだってあります。

そもそも対話に正解は存在せず、インタビュイーの性格によってより良い方法は異なりますので、相手との間の取り方で迷った際に参考にしていただければ幸いです。


また、ここまで書いてきて言うのも気が引けるのですが、取材ではほかに重視すべきポイントがたくさんあります。個人的には、入念な取材準備があった上で上記を実践することをお勧めしたいですね。

取材記事の価値は、取材準備をどれだけ行うかで決まると言っても過言ではありません。丁寧な下準備が濃度の高い取材につながり、オリジナリティーの高い記事が完成する。私は長年この考え方で取材にあたっています。


取材準備に関する話も、ちょこちょこ投稿していきます!

【 随時更新中 】


最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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