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岩国で世武木小次郎になるの巻(4/9)

本日は、山口県岩国市にある錦帯橋まで爺&クィーンとドライブに出かけた。本当は"いろり山賊"に行くことが主目的だったのだが、以前も予定していた日に大雨で振ら(降ら)れ、今回は桜の季節でイレギュラーな連休。
それならばと別のお店も爺に調べてもらったのだが、そちらもお休み。

じゃあ、カープの由宇練習場でも行こうかね?と言って準備をしていたら「昨日の雨でグランドが使えなくて中止」というニュース。

「ワシら、なんとまあ、ついてない!普段の行いが悪いんかいね!」と言いながらチラッと私の方を見る爺。そして爺の方を見る私。お互い罪のなすりつけ合いをする小皿のような器に乗ったホウレン草のお浸しなので、頭の上にはゆらゆら気持ち程度の鰹節を乗せてすぐ人のせいにする。

そんなのが揃っているチームじゃあ普段の行いが抜群に良いわけもなく、あっさりと塩対応の洗礼を受けることとなった。

海岸線をドライブするのは非常に気持ちが良い。先日、兵庫県の須磨辺りを運転していた時にひしひしと感じ入ったことだったが、宮島辺りだって負けていない。今日は助手席に座っていたことも手伝って、何度も"窓を開けては閉めて"を繰り返していた。

不思議なもので、山口県に入ると程なくして広島とは違う色に変わった。どんどん寒色になって、青色や薄紫色やグレーのようなトーンを帯びてゆく。私は場所を色で識別して好き嫌い、得意苦手、など自分との相性を察知して生きてきた。
大人になってから、全員がそうやって脳内を整理しているわけじゃないんだってことを知った。

世武調べによるところの、千葉県の浦安とかに似ているカラーの岩国初訪問であったが、普段の自分にあまり親しみのない雰囲気が旅をしている情緒を醸し出していて、今日ここにきたことって完璧だなと思った。
爺、我々の普段の行いはそこまで悪くなかったらしいよ。

昨日の雨風で少し散りかけた桜の木だったが、それでも十分に、数えられないほどの人間たちの心に歓びを注いでいた。木造の橋は丈夫な樽みたいな造りだった。

学校で理屈を習ったり、手取り足取り先生に教えてもらったりしていないはずの先人たちが、こちらとあちらをただ繋げば良いだけの「橋」というものに遊び心や美学に溢れた形を与えたことを知って、人間である嬉しさが沁みた。

その先にあった吉香公園もまた本当にうっとりするほど美しく、フランスやドイツなどの気品溢れる庭園に全く負けていない。ここは佐々木小次郎や吉川公の所縁の地のようだが、歴史的な背景はよくわからないので各自ネットでお調べのこと。

さて、近くのカフェで遅めのランチをと考えていたが、ここも早々店終い。平日なのもあって結局色んなお店に入り損ねたが、ならばいっそ瓦そば(古典的な風土料理)を食べようじゃないか!と、15時まで開けてくれていた長州屋さんにて瓦そばと岩国ずしを平らげた。

クィーンはとっても可愛くて、ソフトクリームが食べたいって言ってピスタチオ味をチョイス。屈託なく可愛い女性なんだけど、とてもお母さん的な人で(というと、まるで決めつけや色眼鏡のようだが)、自分が買ったものも当たり前のように分けてくれる。

全くの別人を何かと比較するのはナンセンス、どころかグロテスクな行為に近いかもしれないが、私の育ってきた環境では味わえない「見返りを求められていない愛情」を束の間感じて、心がジュワッとする。

一方、爺さんに父性性みたいなのは全く感じないが、それは我々が似たもの同士の頑固者で正直者だったり、もう少し"同級生のダチ感"が強いせいかもしれない。(蛇足)

写真を撮るたびに「またあんたはそうやってすぐ おちゃらけてからに!」と、そんな爺に文句を言われながら、こういう時にカメラが欲しいなぁとまだ悩み続けているカメラのことを思い出した。

ファインダーを覗く魅力を知ってしまうと、iPhoneが味気なくって写真が面白くない。(その割にカメラロールの写真は75,000枚ほど溜まっているが... )

めちゃくちゃ寝不足だった私は、帰りの車は20分ほど爆睡し、気づいたら広島市内に戻ってきたのだった。

忘れられない思い出になった。帰宅する前に爺んちでだらけて、ぐだぐだとどうでもいい話をした。
クィーンは結構長らく島根の実家に滞在するみたいで、もしかすると渡仏前にもう会えないかもしれない。

帰りに豆粒みたくなるまで「バイバイ!」と手を振りながら、唐突に寂しいなぁと思った。
広島にいると、全然パリに行きたくなくなってしまうので、渡仏前は東京にいた方が心は引き裂かれないような気がしている。

ただし、そんな心配などせずとも、今のところVISAの知らせは一切届いていない。

せぶ木小次郎ポーズ
佐々木小次郎本人を背にして編
せぶ木小次郎ポーズ
河川敷編
足長くみせてや!とリクエストして撮った一枚(必死)
マイペース爺
学ラン着たネコのやつみたいな顔しがち
瓦そばと岩国ずしとわたくし
悪さする前の爺
けけけけ!という声が聴こえてきそう
若い頃の二人を想像してみる(無理だった)
着物って素敵
桜には沢山の物語があるね
誕生日にあげたカープ占い
爺の憧れ・高橋慶彦さんの番号が出るスマッシュヒット!
自画自賛していたが、選んだのは私です(自己主張)
カメラに凝り出した素人

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