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映画『エゴイスト』とフランスVISA物語(2/2)

朝からウォーキングを兼ねて少し遠い病院でがん検診を受けた。そもそも病院選びは難しいものだが「ここだ!」と思える婦人科になかなか巡り会えず(身体の正解ってなんだろうね)いまだに試しては、うーん…を繰り返している。帰りは偶然発見したヴィーガンのパン屋さんで、とても美味しいサンドイッチを頂いた。元々「お前はうさぎか!」と言われるくらいキャベツ大好き・葉物大好き人間なのだが、生憎うさぎというよりはハムスター的ビジュアルで生きている。

夜は、映画『エゴイスト』の原作編集者である下河辺さんのご自宅にご飯を呼ばれに伺った。殺伐として静まり返った私の自宅と同じ都市に存在しているとは思えない。機能的で洒落ていて、でも色んな方にウエルカムな雰囲気と居心地の良さを纏っていた。頂いたディナーの一部はトップ画の通りだが、とにかく全部美味しい目にも楽しい、これがクオリティ・オブ・ライフ...

私もいつかこういう家で日々の生活を丁寧に愛でながら仲間と寛いだり、ゆっくりじっくりと創作活動に打ち込みたい。(信じられないと思うけど本心です、信じて!)何せ「ここだ!」と思える居場所に留まるには時期尚早、というか、そのステージに行く前の修行がまだ残っているなということだけは明白に感じる。

病院にしても家にしてもパートナーにしても「これだ!」という出会いは探すものではなく、人として修行していくことで自然と巡るものかと思う。
そう、そう思っているのだが。病院だけは早急に出会いたくてついつい探してしまうのだ。これが40代ってやつか…!(いや、30歳から探してますが)

私は車を持っているのにどうにも倹約せずにはおれずな性分で、久し振りに肌寒い夜でも片道45分ほど自転車を爆裂に漕いでいた。正直なところ、広島と東京の往復以外で車に乗ることはほぼなくて、駐車場代がバカらしい。でも、出先の駐車場代もまたバカらしい(特に都内!)それでも高速道路を一人で延々と走ることが大好きで、だからギリギリまで我が愛しのシトロエンちゃんを手放せないのである。(せっかく普段倹約している意味… いや、逆にそれが意味か。)

帰宅して日記を書かなければ!と思いつつもメールボックスを確認すると、フランスからいくつかメールが届いていた。中でも、エージェントからの正式な電子契約締結リンクは、いよいよサインをするんだ!という緊張感で顔がニヤけた。
エージェントと契約したからって仕事が入りお金がもらえるわけではない。協力者を得ながらも、結局は自分で勝ち取っていかなければならないという意味で、契約してからが本当の勝負だ。日本で安定的に仕事を頂くようになった私にとって懐かしくてこそばゆい初々しさに、不安の中にも闘争心が湧く。

石橋を恐る恐る叩き、耳を当てて「この石大丈夫そ?」と言いながら散々響きを確かめて、その上で本当にいける?マジにいく?本気で行きたいんだね?と何度も丁寧にシミュレーションしたのに、最終的に渡り方はめちゃくちゃ無謀ですやん!みたいな人生スタイルの私だが、牧歌的な性質が50%くらい、残り50%くらいは勝負したい、安定したくない、面白いことしたいとオラついている為、今日も両極端の己に振り回されながら緊張感を高めているのである。

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