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火曜日には美術館や博物館へいってみよう

ー バルセロナ きらきら太陽の真下のカフェで ー

◇このエッセイは二十年ほど前のバルセロナのお話しです◇

 さあ、美術館と博物館へ行こう!
とはいえ、それらは数えきれないほどバルセロナにはある。それでもここに来たならば、ぜひミロ美術館を体験すると良い。なぜならジョアン・ミロはバルセロナ出身の画家だからだ。
 このミロ美術館はオリンピクスタジアムがあるモンジュイックの丘にある。高台に着いたら美術館を指す矢印表示があるので、それを目当てに歩いていくと青い空をバックに白くてかわいい美術館が、まるでミロの描いた絵のように見えてくるのだ。
 美術館内には絵の他に立体オブジェが中庭や、屋上に置かれている。バルセロナの空気の中で、すっとんきょうな顔をしたミロのオブジェたちは深呼吸をして毎日楽しくここで生きているように感じる。そして私も大きく深呼吸。オブジェの気持ちになってみるのだ。
 ミロの写真集をよく見てみると、彼のアトリエには石や雑誌の切り抜き、海から拾って来た流木などが置かれている。ミロが拾う前までは、いつもの見慣れた自然風景の一部分だったのに、彼がそれをどこかちがう空間に置いた瞬間から、それがアート作品になってしまう。そんな魔法の力を持っている彼は、空間の天才だと思う。その空間のおもしろさをここに来て感じてみて欲しい。

ここからは二十数年前からヒューッと時間をもどし、現在のことをかきます。

 モンジュイックの丘へ行くにはちょいと体力が必要だ。
文字で見て感じたようにそこは丘なので、上り坂や下り坂の連続なのだけれどヒョイとまわりの風景を見渡すとバルセロナの街が一望できて、来て良かったなと思えるところが好きなのだ。風景を見る時はその目の前の物を見ているようで、実は、一緒にいる人のことや家族のこと、友だちのことを頭の中では考えてしまう。立ち止まって風景を見るときはだいたいそうだ。
 その丘へ友だちと一緒に行ったらその気持ちをシェアできるし、家族と行けばしみじみとそこでの思い出が思い返されるだろうし、もしひとり旅だとしてもモンジュイックの丘でバルセロナの街を見下ろしながら何かを思ったことは忘れられない記憶となるだろう。しかも、その周りにはたくさんの人々がいて彼らとも一緒にその様を見ているのだから。

ミロ美術館 Fundació Joan Miró
詳しい情報は美術館の公式ホームページへ

それでは今日はこの辺で。良い一日を ボン・ディア!

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