SEEMORE!_hina

「SEEMORE!(シーモア!)」という名前でおようふく、ニット小物や刺繍あれこれのも…

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「SEEMORE!(シーモア!)」という名前でおようふく、ニット小物や刺繍あれこれのものづくりしています。制作ノート、日々のこと、ものを作るように言葉に残せたら楽しいなと思ってはじめました。

最近の記事

相棒のような働き者の服

働き者の服はいいなぁと、ずっと思っている。 ベーカー、フローリスト、美容師さん、料理人、メゾンで働く服職人などなど、それはエプロンだったりコックコートだったりさまざまだけど、要するに作業着のことをついつい眺めてしまう癖が私にはある。 洋服やドレスの美しさとはまた全然違って、汚れていたりたくさん洗ってくったりしていればいるほどなお貫禄がありいいなぁと思う。 いい仕事をしてきた証のようでもあるし、ずっと一緒に仕事をしている相棒のような存在にも感じる。 きっと本人はそんな風には思っ

    • 本来好きなもののこと

      自分が本来好きなものって何だろう。 自分の好きな世界でしか生きてこなかったわたしは、そんなことを考えることなんてなかったように思う。 仕事もライフスタイルも自分の好きなことであふれていたし、そんな渦中で生きていたら気づいたら大人になっていたし、これからずっと自分らしさからは離れられないんだろうなぁ。そんな風にさえ思っていた。 そんなわたしでも年を重ねるにつれ、環境や出会う人達の世界や世の中の状況に少なからず影響され、少しずつ「自分」の形は変わっていく。 それはとても素晴ら

      • クリエイティブのにおいがする場所へ

        長年住んだ家を離れることにした。 2人で暮らすには十分なスペースがある一軒家は、友達と一緒に住み始めた。12年前、兵庫で一人暮らしをしていた私は、社会人3年目とかで、ばりばりのハードワークで、休日は京都に息抜きに遊びに行く、というルーティンだった。仕事も楽しく一人暮らしもそれなりに楽しく、誰かと住むなんて考えた事がなかったけれど、ある時かもがわ沿いのごはん屋で友人と一緒にごはんを食べているときに、「おし、一緒に住もう!」とノリのような形でほんとに一緒に住むことになった。

        • 自分の理想を少しだけ叶える服を作ってみようと思った。

          36年も生きてきたのに、自分のワードローブ中にシャツがほとんどない。 今持っているのは、10年以上前に私のお洋服作りの師匠からいただいた、ストライプのボタンダウン。裾に入ったクロスステッチの刺繍がポイントでかわいく、その他は無駄のないシンプルなシャツ。何度洗ってもくたびれないところが気に入っている。 これは「師匠からもらったもの」だからこそ、大切に着ているような気もする。 もう1枚は、薄手のコットンシャンブレーの生地で、その素材感が好きで買った。 いつも腕まくりをしてしまう私

        相棒のような働き者の服

          ここにたどり着くまでの指針について

          8年前、私はひとつの小さな決心をして仕事を辞めた。 当時27歳の私は社会人歴も6年とかそんなものだったのに関わらず「もう十分がんばった」と思ったのだ。「もう十分がんばったし、これ以上はがんばれない」と。 こう書くとネガティブな風に思われるかもしれないけれど、不思議と気持ちは新しい方向に向かってぐんぐん進んでいた。 「もっと自由に生きてみてもいいんじゃない?」と私をよく理解している友に言われていた。 学生の頃から目指していた服のデザイナーの仕事が出来て、じゅうぶん自由にできて

          ここにたどり着くまでの指針について

          ワークコートに潜ませた決意のようなもの。

          新しい始まり。 新品の制服を着る時の、これから始まることにそわそわとわくわくが混じったような新鮮さ。 オンとオフの気持ちを切り替えられる、料理人で言うとエプロンのような存在。 1月で約8年働いていた職場を離れ、2月から新しく始まる仕事に向けてワークコートを作ることにした。 新しい職場であるリネンを専門に扱うお店は、ベルギーからやってきた色とりどりの上質なリネン生地がずらりと並ぶ。 とろんとした質感のものや、くたっと洗いをかけたもの、風にふわりとなびく柔らかなものなど、リ

          ワークコートに潜ませた決意のようなもの。

          世界を旅する少女の話

          5年前、一緒に住んでいるシェアメイトが、突然仕事を辞め、(私には突然にしか見えなかった) 「海外に行ったことがないから、1人旅行に行く」と言った。 生まれてはじめて海外に行く、というその少女のメモ書きがリビングにポンと置かれてあって、ちらりと見た時は驚いた。 「持ちもの:パスポート セイロガン タオル」の3つのみ。 本当に大丈夫なのだろうか…とひやひやしながら見守る私の心配をよそに、またたく間にバックパックを持って飛び立って行ってしまった。途中で携帯をなくして連絡ができなか

          世界を旅する少女の話

          マイワードローブを作る

          9月も終わるけれど、夏休みの自分へ課題を課した。 それは「自分のワードローブを製図から縫製までを一貫して作ること」。 課題、というと大げさに聞こえるけれど、理由は服飾専門学生から服作りを学び、服のデザインやパターンに携わる仕事を経て、自分の服を作ることがめったになくなってしまったからだ。 そうそうそれから、年齢を重ねるごとに欲しい服のテイストが少しずつ変わってきた。 今まで好んで着ていた服を少しずつ着なくなったり(または着られないような気がしたり)してきたのもある。自分の

          マイワードローブを作る

          逃げ道の手段を考えること

          1年で1番好きな夏が終わってしまう。8月31日の夜。夏が好きになったのは果たしていつからだったのだろう、と思う。 思えば小学生や中学生のころは、夏休みの宿題を全然終えることが出来なくて泣きながら宿題をしたり。両親が仕事をしていたから夏休みの家事を毎日のようにしなければいけなく辛かった。夏が好きといいながら、悪い思い出も同じようにたくさんある。 #8月31日の夜に というハッシュタグに寄せられた投稿を見て、 びっくりするのと同時に心がざわついた。「8月下旬は10代の自殺が

          逃げ道の手段を考えること

          夏の記憶に触れる

          夏が、あっという間に終わってしまう。毎日毎日猛暑だったのに気づけば秋のにおいがする。秋のはじまりはいつでもちょっと切ない気持ちになる。嫌いじゃないけど忘れぬうちに、大好きな夏の記憶を書いておこうと思う。 1年の季節の中でもとりわけ夏が好きな私は、6月の下旬くらいからすでにそわそわし始める。 植物の緑色がどんどん濃ゆくなって、空の青も雲の白もきりっとし始めて、シュワっとさわやかなサワー、色とりどりの果物、ヨーグルトに季節の果物で作ったジャム(今年はルバーブ)を混ぜたりパンにの

          夏の記憶に触れる

          世界の色を集めるように色を重ねる

          SEE MORE!と言う名前でアクセサリーを作って13年ほどの中で、作ってきたもの。 ヴィンテージファブリックを使ったヘアアクセサリーや、ニットのヘアバンド、鉱物を使ったアクセサリー。いろいろなものを作っているけれど、いちばん最近の新作は、刺繍のヘアクリップ。 ドイツヴィンテージファブリックのプリントをベースに、丸やハートやひし形のモチーフを刺繍してみたい、と思ったのだ。 プリントの上からいろいろな色の刺繍を重ねていく。今回は「スペック染」と呼ばれるムラっぽい染めのよう

          世界の色を集めるように色を重ねる

          音楽のようにリズムを乗せた服が作りたかった

          愛しい姪っ子の6歳のお誕生日プレゼントに、カラフルなリネンのワンピースを作った。 思えば、13年ほど前、服飾の専門学校を卒業し、はじめて就いた仕事は子供服のデザイナーだった。 子供が好き、というよりは子供ごころを失わない世界が大好きだったのだ。 当時、20歳の私は、パリの子供部屋の本をかたっぱしから集め、ハリーポッターやフランチェスカ・リア・ブロックの小説を読みあさり、ソフィアコッポラの映画にどっぷり浸かっていた。 子供の気持ちを失わずに、大人になっても身につけたいと思え

          音楽のようにリズムを乗せた服が作りたかった

          「note」スタート/はじまりの動機について

          自分の中で思うことを言葉や文にするのは、自分にとってすごく大事だ。 ということを教わったのが、ちょうど1年前だった。 1年前、「ほぼ日の塾」に塾生として通っていて、その期間は3ヶ月と短い間だったけれど、とにかく書くことに向き合っていて、たくさんの発見や感動があって、改めて書くことを続けて行きたいな。その時の気持ちも忘れたくないなと思いやっとはじめてみました。2018年例年より早く桜が咲き始めたあたたかい春に。 ・ 現在SEEMORE!という名前で刺繍、ニット、ヴィンテ

          「note」スタート/はじまりの動機について