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2022年10月 デンマーク訪問レポート

SEED事業部がnoteを始める前のアーカイブ投稿です。
2022年10月のデンマーク訪問レポートです。

デンマークってなんと!九州より少し広いのに人口は福岡県より少し多いだけなんです。(グリーンランドを除く) 驚き!!でした。
ノルディックモデルの高福祉高負担国家で、OECDの中でも最も個人所得が高く、国民の生活満足度は世界でトップクラス、最も腐敗が少ない国家で、男女の賃金差はOECDで最小だそうです。。

デンマークは平均待遇法で、同一労働同一賃金となっており、人種、宗教、性別、障害、年齢、政治的志向などでの差別も禁止されています。

そしてデンマーク人が最も大事にしている価値観は、HYGGE(ヒュッゲ)と呼ばれるものです。聞いたことがある方も多いですよね?
これは、人との繋がり、健康、自由、信頼、やさしさ、お金です。
物質的なものはお金だけです。
実は私、コペンハーゲンで慣れない自転車(北欧の自転車は意地悪なくらいサドルが高いんですよ)で大転倒しました。その時なんと!デンマークの方々は皆さん、自転車を止めて私のところに駆け寄り助けて頂きました。
これがHUGGEなんだと実感し、一気にデンマークが好きになった次第です。

世界一の自転車都市コペンハーゲン

デンマークは1900年代から国民の健康のため国策としてウェルビーイングをおこなっています。オフィスでは数時間に一度立って仕事をするよう法律で決められており、すべてのオフィスで昇降デスクが使われています。
同じく、1980年代から市民が自転車に乗りたくなる街づくりを開始し、専用道路、駐輪場を整備し、電車やバスにも持ち込みOKとなっています。
その結果、通勤、通学の50%以上が自転車を使っています。それが結局、市民の健康さらには、浪費減、大気汚染の防止に繋がって、国民のECOに対する意識が高くなったのだろうと感じました。

やっぱりこういう暮らしをずっとおこなってきた国民だからこそ、こんなにたくさんの家具ブランドが生まれたんだと思いました。


IKEAのオープンイノベーションラボ「SPACE10」

2015年、コペンハーゲン中央駅近くで、精肉工場が集まっていたミートパッキング地区に開設された、IKEAが作ったSPACE10も訪問してきました。
ここはデザインや建築を通して、次世代の人々がよりサスティナブルな生活ができることを探求するラボです。地下は研究施設、1Fはオープンイノベーションスペース、2Fはオフィスとなっていました。

デンマーク王立図書館「ブラック・ダイヤモンド」

設計はデンマークの建築家集団「シュミット・ハマー・ラッセン」です。
アンデルセンの直筆原稿など蔵書は2000万点以上です。
図書館のテーマは「本を宝石のように扱う」ということで、黒く輝くファサードでブラックダイヤモンドと呼ばれています。
図書館としての機能だけでなく、音楽、舞台、芸術を扱う部屋や、誰でもが気軽に集えるカフェ、レストラン、多目的シアターも完備されています。
日本の図書館もかなり進化してきましたが、ここまでの図書館は世界でもあまりないはずですね。さすが王国です。

コペンヒル

コペンハーゲンで一番見たかったものがこのコペンヒルでした。
これに出会ったことで、私自身のエコに対する考え方が一気に変わってしまいました。それくらいの衝撃的な施設でした。
コペンハーゲンには山はありません。そこで、2019年10月、コペンハーゲンの海辺に、世界的な建築家、ビュルケ・インゲルスのB.I.G建築事務所がコペンヒルという山を設計しました。これは2010年にスタートした国家的なプロジェクトでした。この施設は最終ゴミを焼却し巨大なタービンを回し発電し、10万戸へ給電をしています。コペンハーゲンの人口が60万人なので世帯人数を3人としても人口の50%以上の電気をここで生み出しているということになります。
私は歩いて高さ100m以上ある頂上まで登りましたが、煙は水蒸気でまったく臭くないのも驚きでした。
施設自体は市民の憩いの場所になっていて、スキーやハイキング、ボルダリング、野外コンサートなどのアクティビティーが楽しめる場所でした。
こんな施設、絶対に日本にも欲しいですね!!

長くなりましたが、そろそろ終わりとします。
もしできるのならばデンマークに住みたいというのが結論でした。
世界一幸せな国デンマーク
だから生活を楽しめる
だからウェルビーイングも考えられる
だからクリエイティブなアイデアやデザインがたくさん生まれる。
我々日本人が目指すべき姿がデンマークにあると感じた滞在になりました。

最後に、心の資本主義
「自分は幸福だと感じている人はそうでない人より仕事の生産性が31%高く創造性は3倍」
「成功が幸福を招くのではない。幸福(だと感じること)が成功を生むのだ」
ソニア・リュボミアスキー教授(幸福心理学の第一人者、米カリフォルニア大)の言葉だそうです。

書いたひと:いなどみ


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