見出し画像

ピンインとの正しい付き合い方

私のアカをフォローしてくださっている「hitom 中国語勉強中」さん。毎回示唆に富んだツイート(ポスト)をしてくださるのですが、先日次のようなポストを見つけました。

この「ピンインと意味が結び付かない」問題を含めて、ピンインとどう付き合うかという問題。私も以前、当noteで何回も提起をしたことがあります。

ピンインとの付き合い方は中国語学習者にとって永遠のテーマだと言えます。中国語の習い始め当初、漢字を覚えるのではと身構えていたのに、アルファベットを使って勉強を始めたことに面食らった人も多かったのではと思います。

ピンインというのはとりもなおさず、「中国語の正しい発音を理解する」ための記号の一種に過ぎません。中国語の音をアルファベットに落とし込んで表示しただけなのです。その証拠に台湾ではアルファベットのピンインの代わりに注音記号が使われています。

もっと言うならば、英語学習で接したことのある発音記号(例えばcatの発音記号は[kˈæt]だったり、loveの発音記号は[lˈʌv]だったりする、あれです)と同類であると認識すべきでしょう。英語でも、普段表記するときはアルファベットであり、発音記号で表記することは絶対ありません。それと同じことだと言えば理解しやすいでしょうか。

このようにアルファベットを使ったピンインを学ぶ意味合いを、正しく理解する必要があります。

ですが、「初学者がまずピンインを勉強する必要はあるのか?」と問われるならば、私は今でも「ある」と答えるでしょう。なぜなら、正確な発音と高いヒアリング能力は相関関係があり、高いヒヤリング能力がほしかったら、標準的で正確な発音ができることが必須だからです。

語学を習得する上で必要な能力にはスピーキング(しゃべる力)、ヒヤリング(聞く力)、リーディング(読解力)、ライティング(書く力)とありますが、中国語において日本人は欧米人と比べ、リーディングとライティングには圧倒的なアドバンテージがあります。

つまり言い換えるならば、日本人が中国語を習得するに当たって重点的に攻略すべきなのは「スピーキングとヒヤリング」だということになるのです。

そして、標準的で正確な発音がほしいのならばなおさら、ピンインという「記号」を使って標準的な中国語の発音をみっちり勉強した方が近道ということになります。

幸いなことに、われわれピンイン学習者は、台湾華語のような注音記号学習者と比べていくらかアドバンテージがあります。それはピンインというアルファベットを利用するため、英語学習経験者にとっては発音をイメージしやすいという点です。

もちろん、英語の発音とピンインによる中国語の発音には大きな違いがいくつかありますし、「x」や「r」、「e」など英語の音とはまるで違うものもあります。ただそれは遭遇した時に覚えていけばいいだけだと考え方を変えることもできます。

それに比べて注音記号からは、中国語の音を想像しにくいですし、そもそも注音記号の形を覚えた上で、記号と中国語の音とを頭の中で結び付ける作業が必要と言えます。私は実際に、このために注音記号の学習を挫折しました(汗)

私自身は中国語初級のうちは、「リーディングとライティング」をすっ飛ばしてでも、このピンインを使った「正しい発音」の習得に注力すべきだと考えています。

地味な作業ですし、挫折しそうな時もあるでしょう。そういう時は「リーディングとライティング」を少しずつやって、気分転換というのも一つの手です。でも「練習の軸足」はピンインを使った正確な発音というのを意識しましょう。

音と漢字を結び付ける作業は中級以降にしても全然かまわないと思います。実際に私も中国留学先で、「話す発音やヒヤリングは上級者なみなのに全く読み書きできない」欧米の留学生を何人も見てきました。そこまで全振りしろとは言いませんが、本格的な「リーディングとライティング」は後回しにする意識を持つことです。

そして・・中級以上になり、漢字と音がリンクできるようになり、本格的な「リーディングとライティング」を始めるタイミングで、ピンインとおさらばできるようにする。このようなプランで中国語学習を続けていくことが大切ではないでしょうか。


サポートしていただければ、よりやる気が出ます。よろしくお願いします。