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祭りは終わり、「坂道の世紀」は第2集へ?――乃木坂46 10thBIRTHDAY LIVE Day2


乃木坂46の10thバスラ2日目@日産スタジアム。
2日目の構成は――後半5年間を披露する、という当初のコンセプト印象とはいい意味でズレた、もう何でもありのお祭りだった。

M1:インフルエンサーM2:逃げ水
M3:いつかできるから今日できる
M4:スカイダイビング
M5:三番目の風
M6:日常
M7:誰よりそばにいたい
M8:キャラバンは眠らない
M9:ジコチューで行こう!
M10:空扉
M11:帰り道は遠回りしたくなる(西野特出)
M12:ありがちな恋愛
M13:夜明けまで強がらなくてもいい
M14:Sing Out!!
M15:4番目の光
M16:毎日が Brand new day
M17:I see…
M18:しあわせの保護色(白石特出)
M19:シンクロニシティ(同)
M20:世界中の隣人よ
M21:Route 246
M22:僕は僕を好きになる
M23:ごめんね fingers crossed
M24:君に叱られた
M25:最後のTight Hug(生田特出)
M26:絶望の一秒前
M27:届かなくたって…
M28:Actually…
M29:制服のマネキン
M30:世界で一番 孤独なLover
M31:他人のそら似
M32:おいでシャンプー
M33:夏のFree&Easy
M34:太陽ノック
M35:裸足でsummer
M36:きっかけ
M37:サヨナラの意味
M38:君の名は希望
【アンコール】
EN1:ガールズルール
EN2:ロマンスのスタート
EN3:乃木坂の詩

開演の影ナレは今野さん。10年間をこの日の天気に例え、雨もあり先が見えない日もあった...と改めてファンへの感謝を伝える。
2回目の挨拶は期別に。まずは5期生の和ちゃんから。そして4期はさくちゃん、3期梅ちゃん、2期絢音ちゃん、1期キャプテン。
和ちゃんや梅ちゃんにつられて普段大人しいさくちゃん・絢音ちゃんまで声を張り上げる。絢音ちゃんの「2人になっちゃったけど、異常なほどに強い絆で結ばれた2期生」というコメントが強い。

1曲目はインフルエンサー、前日同様も5期生も一緒になってパフォーマンス。アリーナ席からは赤と白の風船を飛ばし、序盤から全力で行く感じですよ!(2日間火薬使いまくるもんだから耳がおかしくなりそうw)

前日出られなかった与田ちゃんの「逃げ水」もファンが待ち望んでいた。
ダブルセンターゆえ大園ポジにまわったのはれんたん(岩本)。選抜に定着しているとはいえ後列が定位置になってしまっているが、バスラではカメラにも抜かれて結構おいしいポジにいた。

こんな風に前半は与田の逃げ水、久保センターの日常、梅ちゃんセンターの空扉三番目の風、でんちゃん中心の誰よりもそばにいたい、等で3期生の活躍が目立つ。終盤に「届かなくたって」もでんちゃんセンターで披露したし。

本当にやるんかい!レジェンド卒業生全員呼びやがった


昨日の生駒ちゃん・万理華の特出で今日も誰か出るのでは…と噂されていたものの、
出てもシンクロニシティのあの人か帰り道は遠回りしたくなるのあの人のどっちかくらいだろうと思っていた。
2曲とも1日目未披露で取っといてあるとはいえ、あんまやり過ぎるのも...まして何度目の青空か?のあの人は今は事務所も違う。

そしたら全員降臨。もう笑うしかない。

11曲目、MC2度目の後で後方でスクリーンが上がってあの衣装…帰り道!なぁちゃんだ!と沸き立つスタンド。くしゃっとした笑顔の魅力は昔と変わらない。しっかり「西野七瀬」のタオルを持ってる人も一杯いてこれには本人もびっくり。

ありがちな恋愛の次が夜明けまで強がらなくていい ここからは3期に代わって4期が台頭してくるパートだ。
夜明けのセンターは当然さくちゃんだし、Sing Out!を挟んで4番目の光(名空耳「ヒカリ太刀魚」のところでしっかり抜かれる矢久保ちゃん)

曲の合間に映像でたどる乃木坂の歴史は2020年まで来たところで、4番目の光に続いて25thの期別曲パフォーマンスの披露になる(アナスターシャが無かったのが勿体ない)。ラフな私服風衣装で毎日がBrand New Day、I see…と続く3期と4期。I see…は前日と違ってちゃんと振り付け込み、衣装もPVベースのもので披露してくれたのはいい意味でびっくり!やはり「手本」があると振りコピしやすい。この2曲、曲調はかなり異なるが振りは覚えやすいのだ。
1期曲としてしあわせの保護色も続いたが、「例の人」はいなくてああ特出はないかもな...と薄々思ったところでまいやんご降臨。
この時点で「またやるんかい!」と驚きより笑いの感情が先に出た。シンクロニシティが美しかったですがね。

で、最後のTight Hugに至っては当たり前みたいにいくちゃんががせり上がって曲が始まる。もう感動とかより笑うしかないわ(3度目)。
ちなみになぁちゃんといくちゃん、昼に2人とも舞台に出ておりなぁちゃんは渋谷のシアターコクーン、いくちゃんは日比谷の日生劇場から新横浜の日産まで馳せ参じてくれた由。

セトリ…手抜いてやしませんか?


レジェンドOGの参戦でお祭りになっていたが、セトリとしての評価はまた別。
「世界中の隣人よ」や小室哲哉氏の配信シングル「Route246」なども披露していたが、ただリリース順にセトリを組んだだけ、な面も否めない。
例えば隣人よ→僕僕と続けたところでサイバーなRoute246に荒野行動コラボ曲のWilderness worldで雰囲気を変え、ごめフィン、君に叱られた、それにI see…に勝るとも劣らないアッパーチューンの ouf the Blueでこれから4期の時代!的な演出を見せ、そこに絶望の一秒前で5期生来る、というムードを醸し出してもよかったかもしれない。

物議を醸したActually。率直に言うと、やはり彼女(アルノ)が真ん中でなければならない必然性は、あんま感じない。実質飛鳥・山・アルノのトリプルセンターのような。やっぱりキャリアや華という点では先輩に一日の長がある。

とはいえアルノちゃんは、2日間を通していちメンバーとして見たら、本当に素朴な、同期と変わらないアイドルなり立てのオンナノコ。だったら、やはりいきなり変にモノを背負わせるべきでなかったよなあ。
何かとまとめ役になってたりで順当に育てられてる和ちゃんの方がずっと平穏な形で人気も出ている。
変な話その後に認知されていった同期の当て馬にされてしまったかのような気もするので、美談ですまさずアルノちゃんの今後について、しっかりフォローしてあげなければならないだろう。
Actuallyの披露でこの29th発表以来のあれこれはとりあえず消化できた、のだが、

最大のサプライズは映像の世紀

ここまでのVTRで紅白にレコ大と頂点を駆けあがり、一方で主要メンバーの卒業、covid19に見舞われたとこまでを回顧していたが、
撮影風景の映像で突然流れる「パリは燃えているか」。どんなOGの登場より予想外だわ。(波乱の5期生加入で乃木坂は燃えているかってか?)
おまけにさくちゃんのブログの文章を無言でテロップで流しているのも明らかに意図している。これで本職の声優さんによるナレーションでも流れたら完全に坂道の世紀だ。

その後が制服のマネキン(センターさくちゃん)世界で一番孤独なLover(センター飛鳥)と再び高まるナンバー、映像の世紀の演出意図はさておき、さくちゃんは夜明け・ごめフィン・4番目の光・制服のマネキンと1日目以上にフロントで出ずっぱり。「これからは飛鳥・遠藤・山下で行きます!」という運営の狙いを感じさせる2日目のフォーメーションでもあった。もしかすると、5期生の中では和ちゃんがこの人々に連なるのだろうか)

他人のそら似も祝祭感を高め、さらにおいシャンから乃木坂の代表曲を披露し、きっかけ・サヨナラの意味・君の名は希望をオーケストラバージョンで。いずれもはだサマや太陽ノック等の正統派アイドルソングとは違うものの、これらのナンバーがあるからこそ乃木坂が乃木坂としてアイデンティティを確立してこれたのだろう(何度目の青空か?もこの系譜だ)。

「お祭り要素」はまだ終わらない。
アンコールで突然、サブステージの西と東に分かれることがアナウンスされ、メンバー名が1人ずつ呼ばれる度に大歓声が上がる客席。
この時照明点く前にチラッと西のサブステージを見てたんですが、階段を登る人影、いつものアンコール衣装のメンバーの他になんかロングスカートはいた人が混じってるんですが…まさか?とのことで白石西野生田、さらにまちゅ(松村)、かずみん(高山)までも急遽参戦というサプライズ・オブ・サプライズ。もうコロナ対策などどこ行ったかのように喜びとも驚きともつかぬ声があがる。でもライブはこうでなくちゃ。

とはいえ、別に東西のステージに分かれて対バンするでもなく、この後ガールズルール→ロマンスのスタートとやるうちに東のメンバーは西に、西は東に行って結局ごちゃごちゃになるんだからただアンコールを盛り上げるためだけの煽りでしかなかったが、卒業生たちの現役時代を思わせる盛り上がりぶりだった。

全国ツアーの告知で謎の子役タレントさんが出てきたりと時々センスに首をかしげたくなる場面もあったが、Actuallyや5期に関する一連のゴタゴタも気付いたら収斂させてしまい、綺麗に次の10年へのリスタートを切らせたバスラの2日間であった。

今野さんが言ったように、11年目の乃木坂も晴ればかりじゃなくて曇りや雨にも既に見舞われている。彼女たちの真価が試されるのはも、またこれから。オリジナルの映像の世紀は19世紀末から第一次大戦前までの約10年間が第1集だった。この日サプライズで現れたレジェンドOGたちが去った今の乃木坂も、「坂道の世紀」第2集にさしかかっている。

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