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『傾聴パート2』 ビジネスにちょっとだけ役立つかもしれないこと

「ボクは大空高く羽ばたくタカだ!」

「いやいや、ボクなんか地面を這いつくばる虫ケラさ…」

「そうじゃないよ、ボクは海の中をスイスイと泳ぐイルカだよ〜

さて、前回の「傾聴」の続編です。
前回は「視点・視野・視座」「傾聴」を中心とした心理的安定性を築くコミュニケーションについて話しました。

①「視点・視野・視座」「傾聴・可視化」
②「認知フレームとリフレーミング」
③「アクノレッジメント」による承認行動
④「ストーリーテリング」物語を話す。
⑤「ジョハリの窓」
この5つがコミュニケーションに有効な5つの要素です。
今回は、この5つをもう少し掘り下げてみます。

①「視点・視野・視座」
3つの視るには「視点」「視野」「視座」という3つの「視る」が存在します。この3つの視るを柔軟に使いこなす必要があります。一つずつみていこうと思います。
「視点」
どこから視るかという「視点」
その眼は、鳥の眼、虫の眼、魚の眼を使い分ける必要があります。一つの物事をさまざまな角度から視ることです。視る方向性を変えるだけで物事は一変するかもしれません。

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「視野」
次に、どの範囲を視るかという「視野」
視野には「空間軸の視野」「時間軸の視野」が存在します。視野は、ただ広げれば良いという訳ではなく、空間軸と時間軸の視野をズームイン、ズームアウトするとことが重要です。

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「視座」
そして、どの立場で視るかという「視座」
ビジネスで言えば経営者の立場であったり新入社員の立場であったり、国際関係で言えば中国の立場だったり、あるいは首相の立場だったり...というわけです。その立場になりきることが「視座」です。さまざまな視座で見ることによってコンフォートゾーンをズラして、盲点(スコトーマ)を外すということも重要です。

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『認知フレームとリフレーミング』

認知フレームとリフレーミングについてです。人はありのままに物事を見ることができません。
人は自分の中で認知の枠組みを持っておりこれを認知フレームと言います。
この枠組みの外側を「心理的盲点」(スコトーマ)と呼ばれたりします。
この認知フレームを変える技術が、「リフレーミング」です。
人の認知を目で見ることはできません。ただ隠れた認知フレーム発見する手段は存在します。以下のような分類に分けられます。
「一体感を持っていない」(この会社は~とか)、「他人事」(あの人は~)、「白黒をつけたがる」、「正義感(~すべき)」、「決めつけ」(できない)、「感情的」など...
このような、認知フレームをどのように変えていくか?
◆コンフォートゾーンを変える
 今現在のコンフォートゾーンを変える、そうすることで心理的盲点(スコトーマ)が外れます
◆「前提」の「確認」と「取り外し」
 現在の阻害要因となっている「前提や制約」を「確認」し、それを一旦「取り外し」た場合をイメージする事で心理的盲点をはずします。目の前の課題から視点をズラし、目的を再認識します。
◆情報の非対称の解消
 情報の非対称は、自分は分かっているけど相手は分かっていない(またはその逆)のことです。プリンシパル・エージェンシーの関係にある場合に発生しやすいです。プリンシパルの方から意識して情報を開示し、情報の非対称を解消することで、認知フレームは変えられます。
◆課題の分離
 これは、前提の確認と取り外しの逆です。全体をひろく見て前提を取り外して目的に向かっていければ良いのですが、課題が複雑でそれぞれが絡みあっているような場合は、課題を明確にして、個人で解決できる単位に分割し、その解決策を一緒に考えることで認知フレームは変えられることもあります。

このように、様々なコミュニケーションを駆使しながら、認知フレームをリフレーミングし、「心理的安定性」を解消していくことです。

『アクノレッジメント』

アクノレッジメントは「承認」意味します。
アクノレッジメントの基本は、当たり前のことを意識して実施することです。
例えば、「ちゃんと挨拶をする」「無視しないで話を聞く」「相手に感謝を伝える」「気にかけて話しかける」「自分本位でなく相手本位で話す」と等です。この当たり前の事ですが、ふとした時にできていなかったり、悪気はないにせよ疎かにしていたりする事もあると思います。
そして、この「意識して」という事が重要です。
アクノレッジメントには、3つの段階があると言われています。
存在承認:相手が今ここにいてくれていることに感謝をするということ
行動承認:ポジティブな行動をとった等、その行動を認めること。この行動に対して認めてもらえているということ
結果承認:「〜はすごかったね」といったような結果に対する承認です。ほめるという行為に近いですが、より広範囲で承認として捉えること

特に結果承認よりも、行動承認を重視すべきだと個人的には考えます。
うまくできた、結果が良かったというよりも、行動に対して承認をするということが、アクノレッジメントでは重要です。(結果は重要ですが…)

また、以前に書いた「傾聴」も重要なことです。注意深く話しを聴き、ただ聞くだけではなく、体や表情やしぐさ等を駆使して聞くことで、アクノレッジメントが生まれます。

人は、認めてもらうことでも「心理的安定性」は、増します。お互いがお互いを尊重しあうことで、良いチームが作られていくのだと思います。

『ストーリーテリング』

ストーリーテリングとは、抽象的な「伝えたいこと」を具体的に理解してもらうために、実際にあった経験を物語にして伝え理解してもらうことです。
「すべらない話し」です。(ちょっと違うか…)

ストーリーテリングで重要な要素をいくつか上げておきます。
◆自己開示
 ストーリーテリングで重要なことは、自己開示です。人間性が伝わるように自己を開示して話すことで親近感が増し、信頼を築いていけます
◆感情の共有
 辛いとか怖いとか、感情を物語の中に埋め込むことで自分のことように捉え感情を共有してもらえ、理解を深めてもらえます。
◆価値観の共有
 物語全体を通して、伝えたい価値観をはっきりさせておくことが重要です。ともすると、物語に酔いしれ本当に伝えたいことがぼやけてしまいます。
◆返報性の原理の利用
 人間は「返報性の原理」を持っています。人は何かしてもらったら、お返しをしなければならないという心理です。

ストーリーテリングは、自分の体験を通じて自己開示した物語にすることで、具体的な理解を深め親近感、信頼が増し、「心理的安定性」を深めることができます。

『ジョハリの窓』

「ジョハリの窓」って聞いたことありますでしょうか?
こんなイメージです。

心理学者のジョセフ・ルハトとハリ・インガムが対人関係における気付きの4象限モデルとして発表してます。
自己開示とフィードバックによって、開放の窓を秘密の窓、盲点の窓に広げていくことによって未知の窓に発達し、心理的安定性が向上していきます。
我々は、様々なシーンにおいてコミュニケーションの上になりたっています。
ジョハリの窓の開放の窓を広げ、未知の窓を広げるようなコミュニケーションを意識していくことにが重要です。

さて、世の中は変化しています。
黙々とディスプレイに向かっていれば良いという時代は終わり、よりコミュニケーションが重要になってきています。
プログラミングは、人工知能やソフトウェアロボットができるようにはなるかもしれません。
すでにノーコードへのシフトも進んでいます。
しかし、どういうものを作るのかというようなイメージの共有は人間がしなければならないものです。
このイメージの共有が我々にとって必要なものであり、不確実なものを明確にしていくための手段がコミュニケーションです。

ここは、しつこいですが、ホワイトボード最強です。
お互いの課題を伝えゴールや目的を共有することが重要です。

人が生きていく上で、コミュニケーションは、重要な能力の一つでしょう。

心理的安全性を確保し、楽しく仕事ができるように、コミュニケーション能力を磨くための参考にしてみてください。

おしまい

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