運用レポート2020.7.4

週間為替市況
月曜日の寄り付きは若干弱かったが、一日通してほぼリスクオンとなった。
NY タイムに発表された 5 月の米住宅販売保留指数が前月比 44.3%増(予想 19.7%)と 2001 年の統計開始以来最大の伸び率を記録。
こちらを受け株価が大きく上昇。
このところなかなか無かったがリスクオンのドル買いが入りドル円も大きく買われ 107 円前半から 107 円後半まで大きく値をのばした。
ただ続かず、リスクオン局面でのドル需要低下というこの相場の特色は依然として残っている。

6 月最終日の翌火曜日は引き続きリスクオン。
NY タイムに発表された米シカゴ PMI は予想を下回ったものの、先月より改善。
その後に発表された米消費者信頼感指数が 98.1 ポイントで予想 91.1 ポイントを上回りやはり株価は続伸。
更に月末のロンドンフィックスでは円売りが大きく入り、前日失速して届かなかった一時 108 円手前まで上昇。ただ、108 円台を実現することができなかった。
深夜にパウエル議長の議会証言があったが、事前に原稿が伝わっていたため市場への影響は限定的。
また、この日は英ジョンソン首相が新型コロナウイルスでの影響を受けた経済立て直しに向け「インフラ投資の促進と不動産投資の緩和などを行う」と発表。
こちらを受けポンドは急騰前日から売られて GBPUSD は 1.22 ドル台で推移していたが一時 1.24 ドル台まで急騰した。ポンドは底を打ったのかと思わせる動きとなった。

水曜日も引き続きリスクオン。
ドル円は東京仲値で 108 円を実現。だがその後失速。
NY 寄り付きでは香港情勢懸念で瞬間売りが入ったが、ADP 全国雇用者数が予想を下回ったものの、先月の数字を
276 万人増加から 306.5 万人へ大幅に上方修正。
また、「米ファイザーやバイオテックが新型コロナウイルスのワクチン地検で良好なあ結果を出した」
更に発表された ISM 製造業指数がなんと 52.6 と景気の好悪を判断する目安である 50 を超えたことで再び株は買われ半面ドルは売られた。
その後は翌日の雇用統計への警戒感からか株価も失速した。

翌木曜日
この週の土曜日が 7 月 4 日で米国」の独立記念日に当たるため、振替休日で翌 3 日金曜日が米国は休場。
そのため雇用統計が 2 日木曜日の発表となった。当然に日中は動意無し。
発表された雇用統計は概ね良好な数字だった。
非農業部門雇用者数は 480 万人増(予想 300 万人増)


2
失業率は 11.1%(予想 12.3%)
こちらを受け瞬間リスクオンに動いたが、その後に米国の新型コロナウイルス新規感染者数が 5 万人を突破と報じられ、株が急落。
ドル円も売られたがそもそも雇用統計での上げ幅がたったの 23 銭程度だったため影響は限定的。欧州通貨に関してはリスク回避のドル買いが入り 50pips 程下押しした。

そして昨日金曜日
為替市場は完全に開店休業状態となった。米国が休場のため材料に欠けほぼ動かず。年末年始を彷彿とさせる動きとなった。
ドル円に関して言えば一日の値幅がたったの 15 銭程度というひどい動きとなった。
夜間の時間外取引で NY ダウが売られたが、特に材料という材料はなく連休明けの月曜日への対応でポジション調整での利益確定売りが出たものと思われる。

今週は振り返ってみれば各市場レンジ内での動きに終始した感がある。やはりトレンド発生はまだ時間が必要かもしれない。

取引レポート
祝!! Gold 直近最高値最更新!

先週のレポートで原則ドルロングとした。レポート通りところで EUR をショート。また、Gold をロング。
双方当たったが、やはり直近最高値更新後は達成感から揉む展開となり週後半は非常にフラストレーションが溜まった。

ドル円リテール売買動向

ドル円リテール売買動向

また、週後半にリテールのドル円ロングが増加したのでドル円を大きくショート昨日ヨコヨコ展開だったためホールドして越週。

EURUSD リテール売買動向

EURUSD リテール売買動向

またEURUSD もショートが減少したため打診売り。こちらも昨日ヨコヨコだったためホールドして越週

今週はレンジ相場だったのと月末(期末)月始のフローが読み切れなかったため、大きな動きは控えた。来週米国の連休明け以降何らかの手掛かりがあると思われる。
来週の動きに期待したい。

来週からの戦略
やはり引き続きトレンド予測は困難である。
ファンダメンタルと各国中央銀行の金融経済政策に大きく振られてしまう。 私の尊敬するレイ・ダリオ氏も以下コメントしている
資本市場はもはや「自由市場」ではない、中銀が大きく影響-ダリオ氏 Bloomberg
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-07-02/QCUHZ3DWX2PZ01?srnd=cojp-v2

また今週は米国が独立記念日の振替休日で昨日祝日のため CFTC(全米先物委員会)の投機筋ポジションの発表が来週までずれ込む。従ってリテールの動向だけで週半ばまでは分析を行う外ない。

おそらくだが、レンジ相場が続くと思っている。
トレンド予測ができないという事はそういう事だろう。

NY ダウ CFD 日足

NY ダウ CFD 日足

先月初旬以降下げ始めているが決定的な下落とはなっていない。 しばらくのらりくらりするのではないか?
米国における新型コロナウイルスの感染拡大が落ち着けば手放しでロングだろうが現在その状況にない。

ドル円日足

画像4

また、昨日ロイターは市況レポートの中で、オランダの大手銀行の ING 調査リポートを引用している。

「今週は為替変動率が低下した。新型コロナを巡る悪材料にもかかわらず、株式市場は持ちこたえており、ドルは穏やかなベアトレンドを再形成しつつあるようだ」と指摘した。
さらに「こうした状況の中、リスク資産が短期的な壁に当たらない保証はないものの、ドルが天井に到達した可能性は依然として大きいと考えられる」との見方を示した。

これは以下の相関が正しいことの証明にならないか?

NY ダウ CFD とEURUSD 価格推移(日足)

NY ダウ CFD とEURUSD 価格推移(日足)

紫のラインが EURUSD

先物市場にはドルインデックスという指数がある。殆ど EURUSD と同じ動きをする。

ドルインデックス構成比率
ユーロ (EUR) 57.6%
日本円 (JPY) 13.6%
英ポンド (GBP) 11.9%
カナダドル (CAD) 9.1%
スウェーデンクローナ (SEK) 4.2%
スイスフラン (CHF) 3.6%

この様に EUR の比率が半分以上だからだ、当然先物市場に上場しているため実需や他運用のヘッジに使われる。ドルインデックスが先行する場合もあれば、為替が先行する場合もある。

やはり、ドル天井論は一考に値する。
ただ、ING も明言していないことがひとつある。そう、ドルは何に対して天井なのか?
ドルインデックスなのだろうが、
その場合はユーロとなるが、本当にそうなのか?それとも円なのか?

または外のリスク資産に対してなのか? 答えを明言したいが私もそれはわからない
となれば我々がとる戦略はひとつしかない。そう、消去法トレード
数々の実績を上げてきたこの手法はやはり有効である。

ドル Index / NY ダウ CFD / Spot Gold の価格推移(日足)

ドル Index NY ダウ CFD Spot Gold の価格推移(日足)

ドル Index(ローソク)、NY ダウCFD(紫)、Spot Gold(オレンジ) 現在各国ほぼゼロ金利状態。
そして新型コロナウイルスの感染再拡大の危機にさらされている。 また、前出しているロイターの市況レポートで
バンクオブアメリカの FX ストラテジストも「世界の生産は当面、落ち着くとしてもコロナ危機前をかなり下回る水準にとどまる見込みで、V 字回復は想定できない」としている
おまけにこんな話もある

GPIF:1-3月期 17.7 兆円の運用損、コロナ禍で過去最悪 ‐Bloomberg https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-07-03/QCSFX1T0AFB401?srnd=cojp-v2 年金大丈夫だろうか・・・

金(Gold)が買われる時は、ドルの金利低下、有事が主だ両方当てはまるし、ドルもユーロも円もいま金利がつかない。
金も当然金利がつかないので通貨の金利が上がると売られるのだが金利なんて暫く上げられないだろう。米国も欧州も更に資金を突っ込むようだ

米国の新たな景気刺激策協議、下旬に本格化へ-感染再拡大で依然急務 ‐Bloomberg https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-07-03/QCVE86T1UM0Y01?srnd=cojp-v2 ドイツ首相、EU復興基金の早期実現訴え「今夏成立させる以外ない」 ‐Bloomberg https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-07-03/QCVF8YDWLU6I01?srnd=cojp-v2 当然借金で賄うため誰も金利は上げたくない。
各国中銀のバランスシートは既にパンパンだがもう完全にタカが外れている。

コロナショックの際には株もドルも Gold も滅多売りにあった。
その後、いち早く戻したのがドルだ、それは現金化相場という異例の事態だったためだ。
FRB の打った手が功を奏して、もうドル枯渇相場は終わりを迎えた様だでは次にマネーが向かう先はどこか?
やはり Gold は強いだろう。

Spot Gold(XAUUSD)日足

Spot Gold(XAUUSD)日足

火曜日にCFTC の投機筋建玉が発表を見てから戦略再度見直し。
そして結局 Gold のロング。できれば 1750 ドル台で拾いたいがあるかどうかは微妙
Gold を買う時の注意は欧州-NY 時間の狭間に何でかわ知らないが押す。やはり慣習で英の「黄金の間」まだあるのかも知れない…
夕方の下落を待ってロングで入るという戦略がいいだろう。で、いきたいと思います。

今週もありがとうございました。 来週もよろしくお願いいたします

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