【新月の夜によむ】闇をふるう炎

【作品形式】朗読・1人読み
【男性:女性:不問】0:0:1
【登場人物】読み手
【文字数】345字
【目安時間】約3分


私の心の奥深いところで
密(ひそ)やかにうごめき
巣くっている闇

それはやがて
己の中だけに留(とど)まらず
周囲に広がり
あらゆるものを呑み込んでいく

もう考えることをやめて
闇に身を委ねてしまおうと
自暴自棄になりかけたその時

『闇に呑まれないといいな』

あなたは
私を……あきらめなかった

闇に呑まれそうな私に
その声を通して
その手を通して
私への想いを
あなたの心を
届けてくれたんだ

……あぁ
そうだった……
誰よりも私のことを信じて
待ってくれているんだった

あなたの存在・心・想い・声が
私の心を再び熱くさせてくれる!

負けていられない
弱い自分に

何が周囲で起ころうと
何が私に起ころうと
何を私の心に生むのか
存在させ続けるのか

選ぶのは
私なんだ

私を最後まで信じ続け
待ち続け
愛し続けてくれている

闇をふるう
この炎で
あなたたちに恥じぬ私を貫けますように



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?