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花粉症は治るか。

 治ります。
 正確には、治る可能性が充分あります。

 小学3年生で発症し長年苦しみ抜いた私の花粉症は治癒し、漢方医・呼吸器内科医として診療した花粉症患者さんの多くは治癒ないし軽減しています。気管支喘息と花粉症を合併する方は多く、標準治療に漢方医学を取り入れることで円滑な喘息治療のステップダウンが実現します。

 アレルギー治療の原則は、

①徹底的な抗原回避
②体質改善
③減感作療法

個人の見解です

です。数日で治るような簡単なものではありませんから、腰を据えて治療に臨む必要があります。

 例えば腸管の粘膜バリアが脆くなって卵アレルギーを発症した場合を考えましょう。

①徹底的に卵を避けます
②腸活します
③かたゆで卵の黄身を耳掻き1匙程の量から摂取し、連日或いは数日毎に漸増します。問題なければ卵白も少量ずつ摂取し始めます。やがて生卵も食べられるようになります。体調不良時は避けたり、食べた直後の運動は控えた方が安全です。

 
 では花粉症はどうか。舌下免疫療法が保険適応になりましたから、①と③は実現出来そうです。厄介なのが②の過程で、未だ現代医学では体質改善を定義することも叶いません。

 気管支喘息の治療に関しても、長期間にコントロール良好だったらステップダウン(治療強度を弱める)を考慮しても良いとされていますが、現代医学が気管支喘息を完治させることは不可能です。軽症者の中で極稀に、医者の手を介さずに体質が変わり薬を終了できる人がいるだけです。


 では、どうすればいいのでしょうか。


 端的には、もう今年は抗ヒスタミン薬を内服して点鼻ステロイドや点眼薬も併用しながら、可能な範囲で最大限に花粉を避けるのが最善と思います。

 桜の花が美しく咲くためには冬の準備が必要なように、一年後の準備を今から始めるのです。

 喉元を過ぎて熱さを忘れているうちは、体質改善など夢のまた夢。「治してほしい」と医者に頼りきりな姿勢を改めたとき、真の健康が見えてきます。



 拙文に最後までお付き合い頂き、誠にありがとうございました。願わくは、花粉症が消滅しますように。



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