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3分間の魔法

 幼少時代の心の支えの一つは、ウルトラマンでした。
 どんなにつらいことがあっても、悔しいことがあっても、きっとヒーローが助けてくれるという幻想があったのでしょう。怪獣とは何でしょうか。誰のことでしょうか。それをやっつけてくれるヒーローを、私は望みました。

 そんな色褪せた断片的な記憶を想起する、素敵な記事に出会いました。


 中の人なんていませんよ?(圧)
 イベントの場合はもちろん中の人がいますが、あの頃のヒーローはたしかに存在していました。そりゃあもう、サンタクロースくらい存在していました。

 推しはウルトラセブンです。
 彼はウルトラ警備隊の7人目のメンバーとして(人間側から勝手に)迎え入れられた超人で、他のM78星雲勢と同じく何故か地球を守ることに徹します。風来坊のモロボシ・ダンとは恒点観測員340号(=ウルトラセブン)の仮の姿であって、ウルトラアイを装着することで本来の姿に戻り、怪獣たちと戦うのです。怪獣たちもまた魅力的で、80までの怪獣は就学前にすべて暗唱していたほど好きでした。


 現実には多くの場合において、残念ながら私のもとにヒーローはやってきませんでした。そうしたら、自分が変身するしかないじゃないですか。救いを求める少年は、いつしかヒーローを目指すようになりました。体を鍛えて、心も鍛えて、弁論の技術を学び、人の心を読み、歴史書で戦略を学び、将棋やチェスを通して実践し、守りたいものを守れるようになる為にはどうしたらいいかと考えながら年を重ね、気づくと医者になっていました。

 困難に立ち向かうとき、私は密かにウルトラアイ(普段と違う眼鏡)を身につけます。すると3分間だけ、私はスーパーヒーローに変身します。

 もちろん3分間は主観です。

 原作だって3分以上活動していますし、放映の尺など気にする必要もありませんから、多少長くても構わないでしょう。主観的3分間を終えて眼鏡を付け替えるまで、私はほぼウルトラセブンといえるでしょう。


 世の中には様々なヒーローモノがありますね。
 現実には善悪などはっきり区別のつかないことばかりで、勧善懲悪という思想はそれ自体がフィクションであることが分かります。
 しかし、そこには浪漫があります。
 3分間の魔法は、今なお私に勇気をくれるのです。


 円谷プロに敬意と感謝を込めて。


 拙文に最後までお付き合い頂き誠にありがとうございました。願わくは、貴方のヒーローが勇気をもって、世界を平和に導きますように。



#くろがねさんありがとうございます
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#エッセイ #ヒーロー #正義を語り始めるとよくわからなくなってきます
#難しく考えない日があってもいい
#最近のウルトラマンは喋りすぎだと思う

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