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誰にもある「挫折」のシーン(下書き)

(18禁です。毎回言いますが、これはアダルトや官能ではないです。真面目なクラシックスタイルのエロティシズムです。)

 大きな挫折、小さな挫折、中くらいの挫折。人生には挫折はたくさんあります。小説の主人公もだいたいどこかで挫折します。でも小説の良いところは主人公に抜擢されていたら挫折はその後のお話の肥やしになって終わります。現実の人間だとそうはいきません。挫折したまま誰も構ってくれないで放置です。助けてくれる人はきっとわずかでしょう。とりあえず、著者というのはどうしたわけか優しい人種なので少なくとも主人公だけは助けるのです。(本当はそういう部分も壊していかなきゃいけないのはわかっていますけれど。)

 さて、私の主人公たちも挫折しそうになります。昨日から今日にかけて考えた挫折は2つです。(まあ、助けてしまうわけですが。)いつものように下描きの書きなぐりなので誤字脱字、言い回し変です。

 

 主人公の2人(男女)はインドのアシュラムに入って修行しました。目的は「純粋」になるためです。抽象的ですが、その正体は以下でわかります。そして帰国しますと、ちょっと心が空虚になります。これは例えば自分探しや修行やいろいろやってその場では「わかった」みたいに興奮して言っていても、元の場所に帰ってきたら皆さんほとんどそうなります。それは現実にあります。リアルです。どうしてそうなるかと言いますと、結局「自分の事は自分で決めないといけない」って事です。誰も手取り足取りで指導なんてしてくれません。自己啓発セミナーに行っても同じです。

 帰国して僕たちは迷っていた。どちらを向いて歩けば良いのかさえわからなくなっていた。そこには2つの問題があって、一つは僕たちが将来どんなふうにして生きていくかというような大枠の事。そしてもう一つは1週間後の僕と彼女の二十歳の誕生日の事だ。(中略)人間とは、愛とはと唱えて終わってしまう。そうすると結局元自分が立っていたところに戻ってきて、これからどうしようと考え始める事になる。そして僕たちのこの混乱はほとんど不安に変わって収集がつかないものになってしまった。

 僕たちはそうして何も考えられないままに元の状態に戻った。僕と彼女は、時間があるのを良い事に自慰に耽っていた。もう考えられる事は全てしていて、していないのは挿入する事だけだった。僕たちは時間も機会もあったけれども、どうしてもそれをする決断が付かなかったのだった。それは最初に決めた二人の誕生日の事が重く感じられたし、ただ何となくそれをしてしまう事への初期的なこだわりから抜け出る事ができないと感じたのだ。その事には、今はもう特に理由も意味も無いのは理解しているつもりだったけれども、感情の薄い壁を破って壊す事ができず、そしてその部分について相手がどう感じているかという微妙な遠慮もあった。

「ねえ、私、今、すごくしたい気がしてる。もう今までの事全部忘れて今しちゃって構わないかもしれない。」

「うん、僕もそう感じてる。」

僕はベッドの上で脚を広げて寝ている彼女の前に膝立ちした。彼女は枕に乗せた顔をこちらに向けて表情の無い目付きで僕と僕の勃起したペニスを交互に見ている。彼女の胸はそこから下の事については無関心だという素振りで少し左右に開いている。陰毛も、もう何も隠すものは無いのだと左右に分かれてしまっている。ペニスを割れた陰毛の前に置いた。

「それじゃ、入れるよ。」

「うん。」

彼女は目を瞑った。ペニスは彼女の複雑にくねる陰唇に触れた。陰唇は力なく倒れるように左右に押し退けられた。僕は身体全体を彼女に被せるようにして近付いた。

「ダメだ。」

僕は彼女の観ていないところで発生した出来事を彼女に説明した。僕のペニスは急に力を失って、(中略)今や僕たちの純粋な期待はただの重圧になってしまっていた。

 これでお分かりと思いますが、主人公の二人は処女と童貞で、二人の誕生日は同じ日です。その日に初めてしたいのです。ああ、何て下らないと思われるかと思いますが、人なんてだいたいそんなもので、他人にとってどうでも良いような事がとても重要だったりします。

 ところで、挫折ですが、男の子はいざという時にあそこが萎えてしまいました。男というのはいつもは勇ましい事を言っていたとしてもけっこうナイーブな生き物でして、ちょっとした事でそうなってしまったりします。臭いとか音とか、焦りとかいろいろな心の中にあるものが簡単に萎えさせます。そうすると復活は至難です。女性は笑うでしょうが、それが現実です。

 彼らはもう一度挫折しかけます。こちらは体力の問題です。上の部分からずっと下がって、彼らは自転車に乗って最終地点を目指しています。しかも深夜に裸です。ここに至るまでの経過は大幅カットなので想像してみてください。無理でしょうけど。

 僕らはもらった飴を1つずつ口に入れて走り出した。上り坂ではほとんど歩くのと同じかそれよりも遅いスピードしか出なくなっていた。前を走る彼女の尻が漕ぐ度に左右に震えた。背中の汗はビーズ玉のように光りながら尻に流れている。髪にも汗が浸み込み、もう向かい風にそよぐ事も無い。喘ぎ声を喉の奥に抑え込むのを諦めてそれは開けた口から漏れている。僕のペニスは疲労に比例して内部からの圧力が高まり、痛みを感じ始めていた。僕たちはこうして快感以外の感覚を封じて前に進む事に集中した。

 バイパス道路は海岸線を走る国道に当たった。僕たちは停まる事なく東に車輪を向けて走り続けた。ここまでで47.7キロメートル。時刻は4時32分。日の出までの40分で残りの約15キロメートルを走らなければならない。

 「ねえ、私、足が攣りそう。」

 そう言うと彼女は停まり、地面に右脚を出したが痛みに耐えかねて身体を支え切れなかった。自転車を右脚と左脚の間に挟んだまま脇の草地に横倒しになった。上半身は両手を広げて地面を向いていたが腰から下は捻れていて、左脚は後輪の上にあった。陰毛の間の赤い割れ目は上を向いてパッカリと開いてしまっていた。僕は自転車を停めてたが脚が痺れていて立っているのがやっとだった。そして不謹慎にもしばらくの間、彼女のそこを注視してしまった。彼女は身体の向きを自分で変えて自転車から離れた。そして草地の少し奥の砂の上まで背中で這って移動した。脚をこちら側にして身体を真上に向けて両膝を立てたのでサドルとの摩擦で刺激されて陰唇までぷっくらと膨れて充血した割れ目が正しく僕の方を向いて、挑むようにこちらを見た。

 「ここでする? だって、私、これ以上動けないかもしれない。もしあなたがそれで良いなら良いわよ。」

 僕はよろめきながら自転車を置き、萎えた脚を引き摺って彼女の方へ歩いた。

 「うん。」

 僕の疲労は身体全体を完全に包み込んでいた。手はハンドルの形のままになっていて震え、喉はカラカラに乾き、息をするために肺を動かすのも大変で、地面に足を付けるだけで痛みを感じていたが、ペニスを固く硬直する事のみにおいては性的興奮との矛盾は取り除かれているのだった。僕のペニスは、これまでに経験した事が無いほどの内圧でそこに血液を集めてはち切れそうなほどの物になっている。僕は彼女の前にペニスを誇らしく見せつけるようにして立った。彼女は頭を持ち上げてそれを見上げた。僕は膝を砂の地面に落として狙いを定めて近付いた。彼女は決定的瞬間を見逃すまいとしてさらに頭を上げて覗き込んだ。

 疲労困憊で目的地にたどり着けず、手近なところで済ませてしまおうと考えます。これも日常によくある挫折です。ただ、男性機能は面白い事に疲れ果てている時には反抗的により強さを増してしまいます。ですから身体が疲れていてダメにはならないのです。

 そして、この挫折も著者はどうにかして助けてしまうのです。どうやって? まあ、面白い仕掛けというのは有れば有るものなのでどうにかします。


ところで、今のところ4.8万字程度のところです。あまりb長くするつもりは無いのでもうすぐ終わりにします。この企画が構想されてからもう1ヶ月近くになってしまいましたし。終わりにする時に、再度バタイユを読んで比べてみて、評価しようと考えています。

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