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リカバリー・カバヒコ

まず、題名と表紙に惹かれました。リカバリー? カバヒコ? 表紙のカバの絵は何だろう? そこに座っている女の子はどんな人物だろう?

本の帯に書かれている「カバヒコに触れると、治したいところが回復するという。」「青山ワールドの真骨頂」という文。いろいろと気になりながら、読み進めてみました。

5つの短編から構成されていて、主な登場人物は5人。でもやはり、作家・青山美智子さんらしく、それぞれの人物たちが悩み、自問自答しながら、日々を生活する中でお互いがどこかで関係しあい、影響しあっていて、それが相乗効果のように人物たちを「リカバリー」させていく物語でした。

もちろん、その中心にいるのは「カバ」。どこにでもいる遊具(アニマルライド)ですが、古くなったその存在が奇跡のような展開へと人物たちを導いてくれます。あと、仕掛けのような「カバヒコ」というネーミングですが、それは読んでいくと分かってきます。

結局、自分の「頭」でしっかりと考え、自分の「口」ではっきりと言い、自分の「耳」で直に聞き、自分の「足」で力強く進み、自分の「目」で直視することが大事だな、と思いました。

                           書いた人:H.K



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