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国指定史跡上の増設工事も「無契約」で行われていた事が発覚しました

建築基準法による確認済証によると、清閑亭で行われた史跡上の増設工事の建築主は「小田原市長 守屋輝彦」、設計監理はライオンズクラブなどで守屋市長やJSフードシステム社と関わりがあると指摘される「秋山設計」、工事施工者および現場管理者はJSフードシステムと同様の方が代表者をつとめる「タガワ建設工業」です。
小田原市の入札情報や随意契約情報に工事契約の記載がないことから、情報公開請求を実施した結果、小田原市と秋山設計、タガワ建設工業の間に契約が結ばれていないことが明らかになりました。
つまり、文化庁の許可を得て、小田原市が所有する史跡上で、市が建築主となって行う工事を、市と契約関係にない事業者が実施していたことになります。

清閑亭増築工事の建築基準法による確認済証
清閑亭増築工事の建築基準法による確認済証

以前、不透明な増設工事スキームに対して疑問を投げかけた記事はこちらとなります。

また、上記の企業及びJSフードシステム社の工事の実態はこちらの通りです。このような工事が、小田原市と「無契約」で実施されていたことになります。

史跡上の柊を伐採許可が出る前に伐採したり、石材を勝手に移動させたり、掘削したりなどしている実態があきらかになりました。市の中でも「これ以上、史跡の保全への支障が出ると国への説明もつかず、最悪、工事を止めなくてはいけない」という話が出てきていたようです。

JSフードシステム社と小田原市文化政策課による史跡上の工事の実態

情報公開請求により取得した、公文書不存在決定通知書はこちらです。
「本紙は両企業と調理室及びトイレの増設工事に関する契約を締結していないため」と記載されています。

本来であれば、土地の所有権の移転または賃貸借契約を締結し、損害賠償責任や原状回復義務などの条件を確定した上で、設計監理契約および工事請負契約を結んだ後に工事が行われるべきです。しかし、土地も設計監理も施工も、建築主である小田原市と無契約のままで工事が行われていました。そのような状況で、市の職員が「史跡の保護に支障が出る」と発言したような工事が実施されていたことになります。

このような形で小田原市が無契約の事業者による増設工事を許容し、工事後に原状回復義務などを決めたうえで、JSフードシステム者に所有権を移転しているようです。市が史跡上に行う工事のプロセスとして、あまりにも不適切であると言えるでしょう。

尚、覚書の前、2021年12月24日に締結されていた協定書はこちらです。こちらも具体的な内容は殆ど定められておりません。



「清閑亭問題」は小田原市の守屋前市長肝入と言われ、JSフードシステム社が運営する文化財利活用プロジェクトに対して調査と情報発信を行っています。

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