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村上開新堂クッキーから地位財についての一考察

久々に村上開新堂にクッキーを買いに行きました。このクッキーとの出会いは、秘書をしていた際に、色んな方から頂くクッキーだなぁ、っというところから始まり、グルメな母に食べさせたところ、美味しいから自分でも食べたいけれど、取引先にも配りたいと言われました。

私も好きなクッキーだったので、お店に問い合わせて買い方を調べたら、メンバー制で、紹介者からご紹介されてメンバーになり、初めて購入できるということでした。ほほーっと言うことで秘書仲間にちょっと話したら、直ぐにご紹介頂き、私も晴れてクッキーを買えるようになりました。それは確か2008年頃…その後、私はご挨拶用に何度か買ったぐらいで、あとは母が私の名前で箱買いしていました。

約15年の時を経て、昨年の春、千鳥ヶ淵の桜をみにぷらぷら歩いていた際、ふと、母が好きだった開新堂のクッキーを食べたくなり、電話予約をしたところ、なんと一年待ちと言うことで、とりあえず、3つ注文しました。以前は多少先の予定でも、繰り上がりました等の連絡があったのですが、一切連絡もなく、昨日、昨年ご予約頂いたクッキーご用意できました。っと、連絡がありました。


村上開新堂の素敵な待合

来週、母が描いた桜の絵が入選して、銀座のギャラリーに飾られることになっており、クッキーを知るきっかけとなった元上司の奥様(奥様は学芸員)も駆けつけて下さることになっています。

去年4月クッキーを食べたいと思った際には、まだ母の絵を出展することさえ、頭の片隅にもなく、まさか、母の桜の絵が賞を頂き、銀座のギャラリーに飾られるなんてことは、これっぽっちも想像しておらず。

不出来な娘たち(妹もお世話になりました)を雇って下さった上司の奥様だけでなく、丁度母がお世話になった古くからのお友達も駆けつけて下さるので、母が好きだったクッキーをこんなにタイミング良くお配りすることが出来ること、見えない采配に感謝するとともに驚いています。

この話は、大好きなスピリチュアルな話で終わるわけではなく、現実的に、何故、母が開新堂のクッキーを好きだったか、ということ。今思うに、美味しさだけではなく、シングルマザーで零細企業を経営していた母は、このクッキーを差し上げることで、社会的信用を得られることを期待していたように思います。そういう意味で住宅ローンを組んででも持ち家にこだわったのも同じ思考回路だったように思います。

高学歴だったり、家柄が良かったりする人が、ブランド品をあえて身につける必要がないと言うのは、既に信用されやすい土壌があるからであって、社会的地位が相対的に低い人にとっては地位財は必要なのかもしれません。

母の作品『桜と石畳』

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