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デザイン計画書を作ろう

デザイン計画、とは聞きなれない言葉ですが、プロジェクトにはプロジェクト計画があるように、デザインにもデザイン計画があるべきではないか、と言うお話です。

「計画」とは、辞書的には「何らかのものごとを行うために、方法や手順を考え、企てること」とあります。実際のデザインの中身、色や形をどうしてどう設計するか、の話ではなく、その品質をあげるために作業はどのような環境で行いどのような進行方法であるべきか、そういった「デザインの周辺」の決めごとをきちんと整理しておくこと、それが私の考える「デザイン計画」です。

具体的に項目をあげてみます。こういった場合は5W1Hといったフレームワークにはめて考えると抜け漏れが少なくなって便利です。

Who (発注者・指示者・作業者)

- 承認者は誰?
- 指示者は誰?ディレクターは誰?アートディレクターは誰?
- 作業者は誰?
- パートナーは誰?
- 商流はどうなっている?

When (期日) 

- 社内提出日はいつ?
- 客先提出日はいつ?
- FB対応日はいつ?
- FB対応後再提出日はいつ?
- 承認日はいつ?
- 振込み日はいつ?

Where (場所)

- 作業場所はどこ?
- 打ち合わせ場所はどこ?

How (方法)

- 素材は支給される?購入する?購入後支給される?作業者が調達する?
- ツールは何をつかう?
- バリエーションは幾つ提出する?
- 提出方法は?オンライン?オフライン?
- デザインのインプットはある?ガイドライン?前段の資料?既存のファイル?

What (成果物)

- 作るものはページ?エリア?パーツ?
- 作る範囲はどこまで?
- 納品形式は?
- 元データも納品する?その形式は?

......とざっと挙げるとこんなかんじでしょうか。もちろん全部が全部記載する必要はないでしょうし個別の案件によって中身は変わりますが、おおよそよくあるプロジェクトのデザインにまつわる決めごとは網羅できていると思います。

そんな些細なことまで.......と思われるかもしれませんが、「先方の承認フローや承認者をちゃんと把握していなかったためスケジュールがずれた」「複数案提出するなんて聞いてなかった」「納品形式がふわっとしていたため結局最後は作り直した」などなど、後々トラブルの火種になるのは畢竟こういう細かいことだったりする、というのはみなさんも経験があるのではないでしょうか。

お互いの「当たり前」や思い込みをなくし、責任の所在を明確にし、気持ちよくデザインの中身について集中して議論し作業できる環境を「設計」する。それもまた、デザイナーにとって大切な仕事のひとつと言えると思います。



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