Seiko Nakata

チェンバロ奏者。関西を拠点に各地で演奏活動を行う。https://www.klavi.…

Seiko Nakata

チェンバロ奏者。関西を拠点に各地で演奏活動を行う。https://www.klavi.com エッセイと公演のために記したプログラムノート(曲目解説)をNoteに上げていきます(一部有料です)。 2023年6月からは日記もnoteで書いていくことにしました(不定期更新)。

マガジン

  • チェンバリスト中田聖子のノートブック

    チェンバリスト中田聖子による 音楽、楽譜、楽器についての思考や感覚を綴ります。文字によるオンラインサロンのようにご覧いただけると幸いです。本当にご覧になられたい方だけに発信したい為、また、内容の無断転載を避けたい為、有料マガジンとしております。

  • チェンバリストのある日の日記

    チェンバリスト中田聖子が書く日記です。音楽活動関係の日記は一部メールマガジンと重複します。興味を持っている事柄や雑感なども日記として書いて行きたいと思っています。不定期更新。

  • Program Note

    公演に寄せて書いたプログラムノートです。(一部有料です)

  • チェンバリスト中田聖子のメルマガ バックナンバー(応援版)

    2020年10月より月2回の予定で配信しているチェンバリスト中田聖子のメールマガジンのバックナンバー(応援版)。応援版のため、有料記事も含みます。

  • コラム

    チェンバリスト中田聖子のコラム。

最近の記事

18世紀に作られた楽器のメンテナンス協力のお話

18世紀のロンドンでJ.J.Schuchartのファゴットの修復調整を、近年よく共演しているファゴット奏者の二口晴一さんが行っておられ、修復過程での音出しの協力をしています。 最初の協力では、現代に作られたジョイント部から、修復中のオリジナルジョイント部に付け替えた途端、日本語英語のような響きだった音が、イギリス人が話す英語のような音に変わるのを耳にして驚きました。レプリカでの音に近付けようと試みておられたのですが、その音の違いの感想を修復のヒントにしていただけたようで、また

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    • 弦の張替え

       弦も消耗品。チェンバロの弦は、楽器の弦の中でも寿命が長い方だと思いますが、弦を張るためのピンに掛ける輪の結び目が緩んでくることがあります。緩むと調弦が不安定になり、ピッチが短時間で下がるようになります。  写真1のように、緩むと結び目近くに「弦の波打ち」が生じてきます。この緩みを見つけたら、すぐに張り替えるべきです。しかし、スケジュールの都合等から、すぐには張替える作業時間が取れないのが常で、もういよいよ張替えなければ弾けない、という段階まで作業に取りかかれないことが多い

      • ソロコンサートの日

        「チェンバリスト中田聖子の音楽活動日記」を書き始めてみることにしました。 是非ご覧いただけますと嬉しいです。 2023年5月28日 ソロコンサートの日 この日の公演は、ここ数年よく演奏させていただいている大阪肥後橋のSalon deぷりんしぱるが会場。マニアックなプログラム(即ち、私が伝えたくて伝えたくて仕方がない音楽作品のプログラム)でさえ、嫌な顔一つせず好意的に主催公演をさせていただいていて、本当に感謝しながら臨むソロコンサートです。 大掛かりな舞台装置があるようなホ

        • クラヴサンで描かれる『異国趣味』

          本記事は2023年3月3日に宝塚ベガ・ホールで開催の「宝塚ベガ・ホール いにしえのひびきにのせてチェンバロコンサート "チェンバロで描かれた『異国』」公演、および2023年5月28日に大阪 Salon deぷりんしぱるで開催の「中之島楽友協会サロンコンサート 中田聖子チェンバロコンサート「チェンバロの時間『クラヴサンで描かれた劇場音楽〜ラモーとロワイエ〜」公演、この二公演に寄せて書いたプログラムノート二稿です。 (プログラムノートもコンサートの入場料に含まれてご提供しているも

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        記事

          「遠景のバロック」 (Program Note)

          ☆2021年9月19日に大阪 Salon de ぷりんしぱる で開催の「遠景のバロック」公演のプログラムノートとして作成した文章です。 -- Program -- ゲオルク・フリードリッヒ・ヘンデル Georg Friederich Händel (1685-1759) :  ・シバの女王の入城 (オラトリオ「ソロモン」HWV.67 第3幕 シンフォニア)
   The Arrival of the Queen of Sheba (Solomon HWV.67, Act I

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          「遠景のバロック」 (Program Note)

          A.Vivaldi, Flautino Concerto RV.445 e-moll ver.

          必要な方がおられたら、お分けしようと思って、PDF付のこの記事を作成いたしました。 A.ヴィヴァルディのフラウティーノ・コンチェルトのチェンバロ伴奏編曲をかつていたしました。e-mollヴァージョンです。主としてTuttiの部分の編曲楽譜のため、通奏低音として演奏するべきところには、バス旋律のみとなっております。(チェンバリストは通奏低音を演奏出来ることが前提で作成しておりますため、通奏低音リアライズはしておりませんので、ピアニストさんがお求めになられる場合には、ご注意くださ

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          チェンバリスト中田聖子のメールマガジン Vol.1

          チェンバリスト中田聖子のメールマガジン Vol.1 [2020.10.7号] 「メルマガ配信開始!! 」(創刊号なので全テーマ掲載します) ☆本記事は、バックナンバー(応援版)としてNoteにて配信いたします。メルマガそのものは無料なのですが、応援版バックナンバーとして、全文をご覧いただくには有料としております。 --- <目次> 1. 「中田聖子からの小さなお手紙」 2. Talking about Cembalo 「9/26公演の裏話」 3. 雑多なコラム : 本番の

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          ジャン=バティスト=アントワーヌ・フォルクレの「クラヴサン曲集 5つの組曲」

          本稿は2020年1月26日に神戸LA FLUTE ENCHANTEEにて開催した中田聖子チェンバロリサイタル「ジャン=バティスト=アントワーヌ・フォルクレ『クラヴサン曲集 5つの組曲』」のためのプログラムノートである。 ・プログラム ジャン=バティスト=アントワーヌ ・フォルクレ (1699-1782) 「クラヴサン曲集 5つの組曲」 Jean-Baptiste-Antoine Forqueray (1699 Paris - 1782 Paris) “Pièces

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          イタリアの輝きと歪み

          本稿は2020年9月26日にSalon de ぷりんしぱるで開催の中田聖子チェンバロコンサート「チェンバロの時間 --イタリアの輝きと歪み--」公演のプログラムノートとして作成したものである。この公演では17世紀イタリアの音楽を中心に組んだプログラムをAaron Mean tone(1523)の音律解釈を用いて演奏した。 「チェンバロの時間 —イタリアの輝きと歪み—」 <プログラム> ・ヨハン・セバスチャン・バッハ : A.マルチェッロのオーボエ協奏曲に基づくチェンバロ独

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          「フランスの響き」

          本稿は2019年3月30日に神戸 LA FLUTE ENCHANTEEにて開催のチェンバロコンサート「フランスの響き」に寄せて書いたプログラムノートである。 2019.3.30 LA FLUTE ENCHANTÉE チェンバロコンサート「フランスの響き」 < Program > ルイ・クープラン Louis Couperin (ca.1626-1661)  組曲 ト調 Suite in g (Pièces de clavecin)   プレリュード / アルマンド /

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          作曲家たちの筆録

          本稿は2018年9月8日にラ・フルート・アンシャンテ サロンにて開催された「Barocco Impression Plus! Vol.4 作曲家たちの筆録」公演によせて書かれたプログラムノートである。 ----  オーボエとチェンバロのための作品は、その大部分は17〜18世紀のバロック時代に作られている。何故なら19世紀に入るとチェンバロは、音楽が演奏される状況の変遷を背景に表舞台から姿を消したからである。チェンバロをはじめとする古楽器奏者にとってはごく当たり前のことなの

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          作曲家たちの筆録

          フランソワ・クープランの楽譜に想う

          19(東京 茗荷谷ラリール)、7/22(神戸 六甲アイランド,ラ フルート アンシャンテ)で、ヴィオル奏者の品川 聖さんとフランソワ・クープランのプログラムでの公演を行うので、フランソワの楽譜を精読している。 当時の人たちが見ていた出版譜を見ると、私個人としては彼の楽譜は一層「考え抜かれた楽譜」のように見えてくる。「考え抜かれた」という言葉を用いるのは正しくはないとも思うのだけれども、彼の音楽の世界、あるいは彼が五感やそれ以上の感覚をもって表そうとしたものを「なんとか楽譜に起

          フランソワ・クープランの楽譜に想う

          Noteを使い始める

          Noteを使い始めた訳を記しておこうかなと思います。 チェンバロのソロコンサート、あるいは、アンサンブルにおいて主要メンバーとして演奏するコンサートのプログラムノート(曲目解説)を書くことが多いのですが、ご来場いただけなかった公演のプログラムノートを読ませてほしい、という問い合わせがよく入ります。 自分が出演するコンサートの常連のお客様のことは、一言でもご挨拶を終演後に交わすことが出来た際には、奏者側もお顔やお名前を覚えているケースが多いので、サイトやSNS経由で「行けなか

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          G.フレスコバルディの流れはL.van ベートーヴェンへ

          本原稿は2007年の2月24日に記した音楽考コラムである。 ある日、町中のとあるビルの中を歩いていると...とても懐かしい曲が流れて来た。 L.van ベートーヴェン(Ludwig van Beethoven ca.1770-1827)の「ピアノ協奏曲 第5番 変ホ長調 op.73」(1809)...『皇帝』である。子供の頃とても大好きな曲で、練習に励んでいた記憶がある。この曲をオーケストラと弾くことはなかったが、冒頭部分がとても好きだった。ベートーヴェン氏には申し訳ないが

          G.フレスコバルディの流れはL.van ベートーヴェンへ

          チェンバロの時間 2018.1.27

          本原稿は2018年1月27日に大阪のアンリュウリコーダーギャラリータケヤマホールにて開催された中田聖子チェンバロリサイタル「チェンバロの時間」公演のプログラムノートとして記したものである。 Program フランソワ・クープラン : プレリュード 第2番(「クラヴサン奏法」より )

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          チェンバロの時間 2018.1.27

          Cembalo & Cembalo 異端の音楽 - Vida Bona - (Program Note)

          本原稿は2018年3月5日に大阪 島之内教会にて開催した中田聖子チェンバロリサイタルVol.15 スペシャルコンサート「Cembalo & Cembalo 異端の音楽」公演のプログラムノートを元に再編集したものである。 「Cembalo & Cembalo 異端の音楽 -- Vida Bona-- 」

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          Cembalo & Cembalo 異端の音楽 - Vida Bona - (Program No…