シビレタ、シン・ウルトラマン
Primeビデオでシン・ウルトラマンを観ました。
元の初代ウルトラマンを知っている人でも、まったく知らない人でも十分に楽しめる作品だと思います。
まずオープニングからやられました。ウルトラQではじまるあの懐かしい感じ(年がバレるw)から、さりげなくシンゴジラが入りつつ、シンウルトラマン。
もうここから初代ウルトラマンファンにはたまらないスタートです。
ストーリーの中でのウルトラマンの所見は、完全に宇宙人。これがまた結構いい味を出していて。初代ウルトラマンの顔(いわゆる初期のAタイプに近い)に近くて、全身銀色。ヤバイヤツ感満載です(笑)
最初に放つスペシウム光線の出し方もまたカッコいい。ためにためて放つ!
それで怪獣をやっつけるわけですが、その破壊っぷりはドラゴンボール級です。アニメで表現されるような破壊の仕方も脚本が庵野さんだからかな?
やはりしびれたのは変身するときの効果音。
これが「やっぱりウルトラマンだよな」と。しかし。
変身した時にウルトラマンが登場するあのポーズ(グーの手を前に出して徐々に大きくなっていくアレ)がないまま現れます。
しかし、それを近くで見ている仲間(長澤まさみなど)の髪が風で流されるなど、巨大化して風圧が起こっている様子などが描かれている。
まあそれはそれとして楽しめているのでなんの問題もないのですが、最後にやってくれます。ここできたか!とシビレさせてくれますね!
また、初代と違うのは一切声が出ていないところ。シュワっとかジュアとかなんとも言えないあの声、これが一切ありません。飛ぶ時も静かに飛び立ちます。
また迫力ある空中戦もあるのですが、これも大きな違いかなと。
さて、肝心のストーリーは、元祖ウルトラマンの話の内容を上手く取り入れつつ、今の技術と融合させて作られていて、とても面白い。
技術が進んでいる現代なので、あっという間に分析し弱点を探り出すところは今ならではという感じ。禍威獣(怪獣)を倒す専門チーム、「禍威獣特設対策室」略して「カトクタイ」という名称も、元祖では「科学特捜隊」通称カトクタイを引き継いでいて、元祖のファンを裏切らない設定。
メンバー個々の個性なども随所に出しつつ、面白味を加えているところもいいですね。国家の在り方や政治に対するメッセージなども見え隠れしていて、こういうところはさすがだなと思います。
圧倒的な技術力をもつ宇宙人の出現により、なすすべもない地球人。国家や宗教などの垣根を根底からゆるがす事態に地球が陥るわけですが、実はそういう事こそ、今の地球に必要としている部分ではないかなと。さりげなくそういうメッセージを送っているのではないかなと感じました。
カトクタイのメンバーの一人である滝という人物がいるのですが、ジャニーズの有岡大貴さんが演じています。このキャラクターも個人的には今どき?を象徴するような設定に感じました。
彼は優秀な非粒子物理学者という設定。優秀であるがゆえに、ドライな印象を与えています。しかし圧倒的に技術力が及ばずなすすべがないと知ると、自暴自棄になり諦めてしまうという性格が表現されています。
しかし人のいないところでは、宇宙人(の技術)に敵わず何もすることができないことに悔しさとどうすることもできない苛立ちを見せ、人間らしい一面が描かれています。
最後は初代ウルトラマンのストーリーを踏襲するかのように、ゾーフィ(元祖ではゾフィー。ウルトラ兄弟の長兄)やゼットンも出てきます。終わり方もうまい具合に元祖の内容をミックスさせ見事なエンディングに仕上げられていて、元祖のファンもがっかりさせない作りです。
子供向けのウルトラマンのイメージがある人は、ウルトラマンという言葉の先入観をなくして観てみてください。新たな発見があると思います。
うん、面白かった!
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