納棺師のお志事にて疑問点というか
こんな社会になってしまったんだなと思う出来事がありました。

70代女性の納棺式。
湯灌のため、棺に入った故人様を一度出すのですが、蓋を開けたらビックリ。

マスクをしてるではないか・・・

口も空いていたし、痩せていることが
気になってマスクしている模様。

ちなみにお参りに来る人にも
ビックリさせないためにマスク着用したまま
ご対面していたそうな・・・

孫が来た時も、マスクは極力外さないで
会ってほしいと遺族から言われていたそうです。
(葬儀屋の担当から聞いた話)

今回の納棺式は遺族の立ち会いが
湯灌、メイク、納棺が終わった後に
確認のために立ち会う形になっていました。

闘病していたらしく
写真よりも痩せ細っていたのがみえます。

私は当然ながら口を閉じるようにしていきます。

ですが、痩せ細ると含み綿をしても写真のようにふっくらさせるのは難しい。
(飴玉を加えたような印象になりやすいから
程よく入れるのがコツです)

なんとか口は閉じて、化粧もして遺族が来ました。

「あ〜、印象が違う。」
「変わっちゃったね。」

これらはよく言われる言葉。

ですが、ここから
「マスクを着けてあげよう。」
「この方が印象が強いし、らしくなる」
と言ってマスク着用をさせました。

死人にマスク着用・・・

まぁ、正直言うと
死化粧した意味ない・・・笑
(せっかく口紅も塗ってあげたのに)

だってマスクしたら目の部分しか見えないからね。
(生きてる人だってマスクしてるから、スッピンの人いるんだし)

2年半以上マスク社会になったからこそ
マスク姿の方が"あなたらしい"と言われる時代に。

でも最期くらいは、顔見せてあげたいと思わないですか。

どんなに痩せ細っていても
どんなに印象が変わったとしても
その人が最後の最期まで生きた証なのに。

私はたとえ痩せ細っていても
その人が頑張ってここまで生きたんだ！
と伺える生き様を知ることが出来るので
ありのままを最後見たいと思うけど。

人の感性や考え方って分からないし、難しい。

共感出来ない部分や疑問点もあるけど
これが一人ひとり持っている価値観や考え方だ
と思うと付き合い方も接し方も探り探りになる。

今回のことは、間違った所はない。
赤の他人の私からしたら、指摘するような場面でもない。

だって、一番近くで居た家族が
その人の印象をよく知っているから。

私はほんの1時間で出会い
顔の印象や化粧をしないといけないから
その故人様がどんな人だったか知らない。
この志事の大変さを見に染みたなぁ。

マスクした姿が良いのであれば構わない。
でもマスクした顔が良いなんて
死んだ後に言われたくないし、してほしくない。

そんな風にならないために
今のうちに外しておいた方がいいですよ。

最期くらいは自分が生きた証の
顔をたくさんの人に見てもらうために。

ラジオでも話しましたので
耳で聞きたい人はどうぞ！

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