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バイクにのるということ

黒字と赤字の話をしようとおもう。
バイクに乗って走ることは(私にとっては)圧倒的に黒字の行為だ。
地球にとっては赤字かも知れない。排気ガス。地球温暖化。無駄な鉄塊の採掘。あるいは排気音(騒音)も赤字だ。その音は動物や人間にストレスを与える。

ある晴れた秋。私は南会津辺りの大紅葉のなかを走っている。カワサキW650のマフラーからは「どろどろどろ」と、控えめな排気音が鳴っている。私の気分は黒字だ。
南東北の紅葉は昨夜の雨に濡れていっそう鮮やかに見えた。路面は少し濡れていた。とある左カーブで私の前輪は枯れ枝を拾った。私は転倒する。
私自身が事故ををおこせば、それまでの黒字が一気に「ぱぁ」になり、赤字に転落だ。バイクは壊れ、私は救急車で運ばれるかも知れない。これも、赤字。
ただ、それに付随する部品の交換は赤字のフリをした黒字の場合もある。ぴかぴかの新品部品の交換で私の気分が高揚するからだ。赤黒半分かも知れない。どうだろう。『財布の赤字、気分の黒字』いま作ったあたらしい諺です。
もう、20年以上バイクに乗っているのだ。なんどか転倒もした。私の腕から血が孤を描くように勢いよくとんでいくのを見たこともある。虹が出ていた。これは黒字に数えている。

バイクで走る行為がなぜ私にとって黒字なのか。脳内からも考えてみたい。
だれかに私を調べてほしいのだが、バイクに乗っている私の脳内では、『黒字ホルモン』がでているのではないか。←これも私のあたらしい造語だ。
一般的に幸せホルモンと言われている『セロトニン。オキシトシン。ドーパミン。」それ以上のなにかが私の脳内からでているはずだ。
『幸せホルモン』の上が『黒字ホルモン』。その上は、そう『マキシマムザ ホルモン』だ。

私の脳内では走行中に、『マキシマムザホルモン』が放出されているに違いない。だから、私はバイクから降りれないのだ。
バイクに乗ると、脳内の『マキシマムザホルモン』が放出される。そして私は『くるり』を口ずさみながら、海辺を走る。
また、『マキシマムザホルモン』が放出される。こんどは『サニーデイサービス』を口ずさみながら、田園地帯を走ろう。
カワサキW650の鼓動から『マキシマムザホルモン』がゆらゆら出てくるのだ。『ゆらゆら帝国』を口ずさもう。あと、『フィッシュマンズ』も。『相対性理論』も忘れてはいけない。
『マキシマムザホルモン』が脳内に放出されながらも『マキシマムザホルモン』を口ずさまないのは、安全運転のためだ。ヘッドバンキングは赤字を誘発する。それが黒字の秘訣だ。

ところで、私は、いま『マキシマムザホルモン』を聴きながらこの文章を書いているのだが、いい感じに『マキシマムザホルモン』が脳内から放出されていればうれしい。


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