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『ぬくぬく布団探偵3』

ゆめをおぼえておこう。そうしたら『ぬくぬく布団探偵』の私を出動させて夢日記のようなものを書こう。
そう、ねむると、意外に、おぼろげに、ゆめの跡を辿れるようだ。膀胱がもつかぎりにおいて。

味噌汁を「こぼしそう、こぼしそう、こぼしそう」とゆめの心のなかでつぶやきながら配膳する小学生の私が、案の定、味噌汁をこぼすゆめを見た。
「ころびそう、ころびそう、ころびそう」と思いながら足がもつれる小学生の私も見た。よくあるゆめだった。

せっかくのゆめなのだから、私はゆめのなかで柴犬を飼いたい。実生活では動物を飼ってお世話する甲斐性は私にはない。アレルギー体質でもあるし、散歩をする余裕もない。せめて、ゆめのなかで柴犬と一緒にねむりたい。ぬくぬく布団探偵には相棒が必要だと思う。

名前はゆめのなかでつけよう。さて、能動的にゆめを見ることは可能なのだろうか。ゆめの主人に要望は出した。ゆめの主人は『夢婆婆ゆめばあば』としよう。返事はゆめのなかだ。

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