人との出会いとかは本当に不思議なもので『事実は小説よりも奇なり』とはよく言ったもんである。

これから話す事は私が実際に体験した話。

今からン10年前の話、ふとしたきっかけで付き合うことになった奴がいた。
その当時漫画レンタル屋があって財布の中身が常に乏しかった私はその漫画レンタル屋のほぼ常連と化してた。
店に行くといつもカウンターにいる男の人が。
こいつが店番の時に本を借りに行ったりしようものなら何故か釣り銭を間違えて多く渡してきたり、異常に息が酒臭かったりとお世辞にも良い店員とは言えなかった。
終いには本の返却日で店に行くと何故か店が開いてない。定休日とかではない。
翌日店に行くと開いてた。店に入ると別な店員がいた。事情を話すと申し訳なさそうに『すいません、店員が無断欠勤したため店が閉まった状態になってたんです。もちろん延滞金は要りません』と謝られてしまった。
二日酔いで店を休んだな…いつも酒くさかったからヤツならやりかねん。
けど何故かそいつに親しみが持てた。いつの間にか雑談とかも話せる仲になり、付き合ってみることになった。

けど付き合ってしばらくしないうちに喧嘩ばかり。別れたりくっついたりしてた。
けど最終的にはこいつに振られる形になった。

それから私が釧路を離れ近くの温泉街で住み込みで働くことに。そこで知り合った人と仲良くなり半同棲生活をする事になった。

そんなある日会社に1本の電話が。
実家からかと思ったが聞くと男の人からだと言う。
恐る恐る電話に出てみると…