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スペイン巡礼2018回想記(8)トリニダード・デ・アレ〜サリキエギ

 2018年5月13日。
 トリニダード・デ・アレの古いアルベルゲを出て、パンプローナにむけて歩きだす。

 本来の予定では、この日スビリから約22km歩いてパンプローナに泊まるはずだったのだが、スビリで宿にあぶれタクシーでスキップするはめになった私は、ちょろっと歩いただけで、朝のさわやかな時間帯のうちにパンプローナに到着した。

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 トリニダード・デ・アレに続き、パンプローナの街の入り口には古い石橋。
 橋を越えたあとは城壁だ。石橋を渡り、城壁に沿って街の入り口をめざすだなんて、RPGじゃないですか〜。

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 パンプローナの街に来て、昨日の宿なしの恐怖により落ちるところまで落ちた私のテンションは、一気に上がっていった。

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 牛追い祭りで有名な旧市街を通る。新市街の公園も実に美しい。こんなところでジョギングできてしまうなんて、パンプローナ市民が心底うらやましい(以後、すてきな街に入るたびにそう思った)。

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 パンプローナを出たあとは、草原の中の道を進んでいく。これまた、たまらない。風が吹くたびに草がゆれるのが、あまりにも映像叙事詩的(?)。

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 テンションは最高潮だった。

 しかし、テンションの高さに体のほうはついてきていなかった。

 パンプローナの街を通過してしばらくして、まず肩がえらく痛いことに気づいた。ザックのショルダーベルトに指を挟んだりしてごまかして進んでいたが、いつしかごまかしきれないほどの苦痛になった。
 後日、他の巡礼者から教えてもらったのだが、私はザックの持ち方をまちがえていた(登山未経験なので当然知らなかった)。ウェストベルトをしっかりと締めていなかったために、ザックの重さ12kgがすべて肩にのしかかっていたのである。

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 次いで、腰が立たなくなってきた。力が入らないし、なんだか痺れてもいるようだ。私は側弯もち(背骨が湾曲気味)なので、そのせいもあると思うが、これもおそらくザックの重さのせいだろう。

 足自体の疲労もピークに達しており、もう前に進んでいく力がない。

 別に急峻な山道というわけでもない、なだらかな丘だったが、ちっとも先に進めなくなってしまった。

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 目の前の美しい風景に、心とスマホ&カメラを持つ手は止まらないのだが、足はほとんど前進してくれない。

 西欧人の巡礼者たちはスタスタ丘を登っていく。明るく、「どう? あなたのカミーノは?」とか訊いてくる。

「すばらしいです。しかしちょっとばかり疲れました……」

 と答えて、さっそうと歩いていく巡礼者たちを見送った。

 これはヤバイ。
 そう思いはじめたころ、私は丘の中腹にあるサリキエギの街にたどりついた。

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(到着時はヘロヘロだったので、これはあとで撮ったもの。夕方でした)

 とっくに昼時を過ぎていて、お腹もぺこぺこだった。私は街の入り口すぐのところにあるバルに飛びこみ、崩れ落ちるように席についた。

 チキンスープがおいしいわよ☆ と他の巡礼者に教えてもらい、注文。

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(これはどうやら夕食でたべた別のスープ)

 天国の味……!

 鳥の骨のダシにちょっとパスタを入れてコクを出したシンプルなスープに、この日からしばらく取り憑かれたほどだ。

 しかも、このバルはアルベルゲ併設だった。ベッドはある? というカウンターでのやりとりを聞いて、私も飛びついた。

 ベッド、無事確保……!

 食後に連れていかれたアルベルゲはめちゃくちゃ清潔だった。シャワーもベッドも快適そのもの。しかもわりと早い到着だったらしく、二段ベッドの下段を確保。さらにWi-Fiも元気。当たりのアルベルゲだ!

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(サリキエギの街)

 私はさっそく、元気なWi-Fiを使ってBooking.comで今後1週間分の宿を予約した。前日のトリニダード・デ・アレは不安定だったので、ネット作業ができなかったのである。

 それから、夕食の時間まで爆睡したことは言うまでもない。

(スペイン巡礼2018回想記(9)に続きます)

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甲斐桂

Web小説書き。ファンタジー特化。日常生活では歌ったり踊ったり登ったり、やりたいことをやりたいように。

スペイン巡礼2018回想記

甲斐桂が、2018年5月から6月にかけて歩いてきたサンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼路(フランス人の道)の旅を思いだして書きます。
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