見出し画像

6月23日の読まずに参加できる読書会は『命の価値〜規制国家に人間味を』です。

前回は、『日々の政治』を取り上げ、これからの社会のあり方としての『プロジェクト民主主義』について議論しました

6月期は、現実の政治の場に議論を移します。
取り上げるのは『命の価値: 規制国家に人間味を』です。この本は端的に言うと、「オバマ政権のホワイトハウス情報規制問題局(OIRA)の局長を務め、連邦政府による主要規制についてのレビューと承認を行った」著者が、「OIRA時代の経験をもとに、政府が規制をどのように評価検討するのかを詳細に述べた」ものです。今のコロナ禍における政策のあり方を考える上での大きなヒントがあるかもしれません。どうぞご参加のほどを。

また、実は僕は訳者である、山形さんの大ファンなのです。高校生くらいで拝読しております。その意味でも楽しみです。

今回も、松原明さんと細川甚孝で読み解いていきます。

ーーーーーー
アマゾンでは;



「ナッジ」で知られるハーバード大学の教授がホワイトハウスへ。情報規制問題局の局長として、規制に関する法律の実際の立法に関わる。政策採用の是非の基準や、その際の費用便益分析の用い方まで、その内実を明らかにする。

読売新聞の書評でこのようにまとめられています。



題名を見て、命に値段をつけるなんて、と思う人もいるかもしれない。しかしこの本は、人命を重視したいのであれば、人命の価値評価を抜きにしては先に進めない、とする。行動経済学は人々の行動が起きるメカニズムを説明してくれるが、政府が行う規制の操作によりその初期設定を変えることで、より良い行動、人々の安全につながるのではないか、というのが著者の発してきたメッセージだ。

 アメリカでは情報規制問題局(OIRA)という強力な組織が存在し、各省庁が導入する連邦ルールについて審査し、許可を出す。レーガン政権の時に導入されたこの制度は、民主党と共和党の各政権によって追認されてきた。

 著者は、オバマ政権でそのOIRAの局長を務め、数々の規制改革を主導した有名な学者である。本書は、かなり詳細に費用便益分析の考え方を示してくれている。著者は、政府の民間への介入はよくない、といった単純化された議論ではなく、規制によって得られる便益から、規制によって発生する費用を差し引いた純便益が高いものが良い規制であるとする。

 しかし、どうやって費用便益を導き出すのか。そこで出てくるのが、お金に換算することが難しいものをどうするか、という話である。リスクに関する感じ取り方、リスクを回避するために人々が払っても良いと感じる金額、そういった観察に基づいて議論を進めていくわけだが、そんな中で命の価値の話が出てくる。つまり払う能力の低い貧困層の命だからといって軽視してはならず、危険が現実に起こる実際の確率を人々が無視しがちだというバイアスをも分析に入れこまなければならないということだ。

 世の中を彼のような専門家が設計しようとしすぎることについての抵抗はあるかもしれない。けれども、費用便益分析自体を否定する必要はない。それを本書は丁寧に教えてくれる。山形浩生訳。

 ◇Cass R.Sunstein=1954年生まれ。ハーバード大ロースクール教授。著書に『熟議が壊れるとき』など。


お申し込みはこちらから。1,000円ズームのみです(了)。


ありがとうございます!