自分のやりたいことはなんだろうか

学芸員になってから10年が過ぎようとしている。いや、もう過ぎたかもしれない。
その間に祖父母が亡くなり、父親が倒れたり入院したり(一応問題なく回復した)、熊本地震に被災したり仕事を2つ変えたりもした。残念ながら、身分的には有期雇用職員から脱出することはかなわず、そういう状況下で結婚して現在に至る、と書き出してみたら割と浮き沈みの激しい10年だったといえる。
35の歳で一応仕事に就いていて少ないけど収入もあり、どうにか結婚できたからこの業界的にはいい方なのかもしれない。有期雇用という不安定な立場でなければ子供もほしいところだ。

その前に正規職に就かなくては、と思っているのだが、この年になるとものすごく焦りを感じる。だいたい、どこの自治体や企業も「長期キャリア形成を目的として」35歳以上の採用はほとんどない。募集年齢に制限がない書き方もしくは60未満の生年月日になってるところは年齢差別がないふりを装いながら内部でがっつり落としている、という話も聞く。

ともかく、自分はこのまま学芸員の道を進みたいんだけど、その決意も最近ちょっと揺らぎ始めてる。スマホには転職アプリを3つ4つ入れて、昼休みとか休憩時間にはスカウトのメールが来てないか、興味深い業種はないか、博物館関連の仕事は無いかとずーっと探している。そういうときに限って出てこないもので、6月に辞めていった同僚は(その辺の顛末もいずれ書ければ)「時期ていうのがあるんですよー動くべき時とそうでないときがあるんです、潮目というか。今はあなたは動くべき時じゃないんじゃないですかねー」と言っていた。じゃあ君はどうなんだい?と聞きたかったが、その前に辞めていったからどうしようもない。多分、彼女は「動くべき時」だったのだろう。

確かにそうかもしれない。あの美輪さんも確か似たようなことを言っていたような気がする。じゃあ今は自分のスキルを磨くことと、もう少し自分のやりたいことを見つめ返す時期なのかもしれない。

自分のやりたいことって何だろう。仕事の勢いで今まで生きてきたけど、改めて考えてみると自分でもよく分からない。博物館で学芸員として働きたいってのはあるけど、そういう学芸員を支える立場の仕事も面白そうな気もする。

あとは性格的な部分もあるんだけど、なるべく人付き合い無く静かなところで本読んであれこれ物事を考えるとかいうのをしたい。インドア系趣味も充実させたいってのもある。考えれば考えるほどお金とは無縁の暮らししか出てこなくて笑ってしまいたくなる。ああ、そもそもそういう星回りなんだなって。

自分のやりたいことって何だろうか、というよりも自分を仕事に合わせて変えていった方がいいのかよく分からないが、考え続けることは大事なんだろう。転機ってヤツがもしかしたら近いのかも。ふとそう思った。

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