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大きな目標と小さな目標の逆引き思考


ムーンショット

 事業において目標を目指していく場合、まずは現在地から目標に向けて歩みを進めていくという、積み上げ的な思考(フォワードキャスティング)になると思います。しかし積み上げ思考は、前進していきますが、一定期間を経たときに、確実に目標に到達しているかはわかりません。目標を越える結果となるかもしれないし、到達できないかもしれません。
 そこで、目標逆引き思考(バックキャスティング)の登場です。目標と現在地の差分を算出し、与えられた期間で均等割りすることで、1日にどれだけの仕事量をこなす必要があるかを明確にします。そして毎日の仕事量を確実に達成することで、目標を達成することができるというわけです。

 この目標逆引き思考の事例として、”ムーンショット”が有名です。1960年代のアメリカで、ケネディ大統領によって有人宇宙飛行計画(アポロ計画)が発表され、見事に人類史上初の偉業が達成されました。とても難しい目標ですが、達成できたら大きな意義がある目標を掲げることで、時代の流れをつくることに成功した話です。
 意義ある目標設定と、それに向き合う姿勢として、目標逆引き思考という考え方はとても有意義だと思います。マネジメントの現場において、組織モメンタム(=事業成長の勢い)をつくっていく方法論として最も重要視しています。


1%の改善

 逆に、小さな目標設定の話をします。どんなに大きな目標も最初の一歩から始まります。数年後の目標を1ヶ月ごとに分解し、更に1日あたりの活動量にすることで、毎日をどう過ごしたら良いかを考えることができます。朝1時間早く起きて、準備をする習慣を持つことに繋がるかもしれません。1%の改善を365日続けた場合と、1%の悪化が365日続いた場合のは、実に1,260倍にもなります。それくらい1日をどう過ごすか?は長い時間で見ると大きな差に繋がります。

 目標逆引き思考は、組織モメンタムを変えるような壮大な目標を掲げつつ、それを毎日の活動にまで細かく因数分解することで、生活習慣を改善していくことができます。そして、努力をコツコツと積み重ねていくことで大きなインパクトに繋げていくのです。


新人マネージャー竜野が思うこと

結局今やる仕事は変わらないとしても、目標とそれに向かう日々の動きの解釈は、かける言葉次第で変えられそうだなと思いました。

メンバー自身がピンとくるまで繰り返し伝え続けないといけないところはあるかもしれません。でも、遠い目標を見据えながら日々のアクションに因数分解する思考を一度共有できたら、本人にとっても、マネージャーにとってもその後が楽そうです。

「楽になる」=「組織モメンタムができつつある」のだと信じて、粘り強く伝えていこうと思います。

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