強みを生かすマネジメント哲学

人が資本と言われる時代、マネージャーは何を考えて事業の現場を率いていけばいいのでしょう…

強みを生かすマネジメント哲学

人が資本と言われる時代、マネージャーは何を考えて事業の現場を率いていけばいいのでしょう?哲学好きな清内(せいうち)先輩と新人マネージャーの竜野(たつの)ちゃんがマネジメントについてあれこれ考えます

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【第一章】コミュニケーションと育成支援

はじめに 〜哲学好きな先輩・清内より〜  国内IT業界で仕事をしてきて、ずっとマネジメントの重要性を実感しています。この業界は、他と比べて早いタイミングでマネジメントの役割を担うことが多いように思います。早ければ20代中盤でチームを担当することになり、20代後半では本格的なマネジメント責任を負う人も少なくない。30代前半では間接マネジメントを行うような部長・本部長職に就いたり、30代中盤で経営に関わる人もいます。また、ビジネスモデル的に個人の活躍が業績に影響しやすいという点

    • 大きな目標と小さな目標の逆引き思考

      ムーンショット  事業において目標を目指していく場合、まずは現在地から目標に向けて歩みを進めていくという、積み上げ的な思考(フォワードキャスティング)になると思います。しかし積み上げ思考は、前進していきますが、一定期間を経たときに、確実に目標に到達しているかはわかりません。目標を越える結果となるかもしれないし、到達できないかもしれません。  そこで、目標逆引き思考(バックキャスティング)の登場です。目標と現在地の差分を算出し、与えられた期間で均等割りすることで、1日にどれ

      • 目標逆引き思考が達成の再現性を高める

        努力の天才  私たちは日常業務において目標設定をし、その達成率を管理しています。そうした取り組みの結果、目標達成をする人と、未達成に終わる人がいます。仕事においては、そうした結果を踏まえ、努力を継続することが重要です。人は繰り返し行動することで、経験が蓄積し、思考が効率化していきます。そうした学習が成果に結びついていくのです。  イチローは自身を努力して結果を出す天才だと言います。「GRIT」においても、成功者の共通項は生まれ持った才能ではなく、情熱と粘り強さをもってや

        • 【第二章】目標達成ステップ

           第1章では、多様な人材の主体性を引き出すための向き合い方を考えてきました。ポジティブフィードバックによって、3大ポジティブ(自己重要感・自己肯定感・自己効力感)を高め、組織の「関係の質」を向上することで、メンバーの主体性を引き出し、事業の「結果の質」を高めていきます。  しかし、実際の事業の現場では個人の主体性を高めて、あとは成果を待つだけといういわけにはいきません。組織の目標を個人の目標に因数分解し、月次で目標の達成率を管理し、確実に予算を達成していくことが求められます

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        【第一章】コミュニケーションと育成支援

          自分ならできる気がする!そんな自己効力感が道を切り開く

          自己効力感とは  自己効力感(セルフエフィカシー)とは、目標を達成するための能力を自分が持っていると認識すること。「自分ならできる」「きっとうまくいく」と思える状態のことを言います。行動心理学の権威・バンデューラによって提唱されました。 自己効力感を高める4つのポイント  自己効力感を高めるには、4つのポイントがあります。まず、1つめは「成功体験」です。小さな成功体験を積み重ねることで、自信がつき、次のチャレンジに向けて自分ならできるという気持ちになれることは誰しも

          自分ならできる気がする!そんな自己効力感が道を切り開く

          自己肯定感でレジリエンスを高め、事業の荒波を乗り越えていく

          自己肯定感とは  自己肯定感とは、ありのままの自分を受け入れ、その自分に価値があると感じられること。仕事のみならず、生きていく上で大事なお話ですねー。自己肯定感が高いと、ポジティブで、主体的に行動でき、失敗を恐れずにチャレンジすることができます。ぜひとも高めたいポイントです。  自己肯定感は、「自己受容」と「自己価値」によってもたらされます。ありのままの自分を受け入れることを「自己受容」といい、その自分自身に価値を見出すことを「自己価値」と言います。    自己受容は、

          自己肯定感でレジリエンスを高め、事業の荒波を乗り越えていく

          自己重要感 〜人を動かす唯一の方法〜

           カーネギーは、「人を動かす唯一の方法は、相手の自己重要感を満たすこと」と言いました。「自己重要感」とは、自分自身を重要な存在として認める自己認識のことです。どうすれば、相手の自己重要感を満たすことができるのでしょう? 自己重要感を満たす方法  1つめは、ポジティブフィードバックです。相手が重要な存在であることを認める言動を行います。人は他者に認められたいと思っており、認められることで自信を持ち、相手に対して好意的になる生き物です。まずは相手を認めることで、こちらも認めて

          自己重要感 〜人を動かす唯一の方法〜

          人は感情の生き物、感情と向き合うが大事

           ポジティブな感情は前向きな思考を生み、主体的な行動に繋がる。ネガティブな感情は後ろ向きな思考を生み、不本意な行動にも繋がりかねない。だからこそ、私たちは、お互いがポジティブでいるために関係の質を高めることが重要です。 人間は感情の生き物  どんなに正論であったとしても、嫌なものは嫌だと感じてしまう経験を誰しもしたことがあると思います。ビジネスの成果や、それに至る行動の背景には、ポジティブな思考、そのための感情が必要になります。まさにメンタルや思考をコントロールすることが

          人は感情の生き物、感情と向き合うが大事

          ポジティブフィードバックでやる気スイッチを入れる

           組織で個人が活躍するためには、組織の中に居場所があり、自他共に重要な存在だと認められることから始まります。そうした自己重要感を高めるポジティブなコミュニケーションが組織内の人間関係においてはとても大事になってきます。  日常業務において、相手の良い言動に対して良い評価を伝えることをポジティブフィードバックと言います。おおまかには、相手のモチベーション向上を目的に行われるものですが、マネージャーはこのポジティブフィードバックというコミュニケーション手法を活用することで、メンバ

          ポジティブフィードバックでやる気スイッチを入れる

          山本五十六の教えとドーパミンによる成長促進

          山本五十六の教育法  山本五十六(いそろく)は、大日本帝国海軍の第26、27代連合艦隊司令長官で、太平洋戦争当時、日本海軍の最高の指揮官と言われた人物でした。彼の部下育成に関する名言は、多くのビジネスの場で参考にされています。  「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、誉めてやらねば、人は動かじ。話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。」  「やってみせ」は、まずは自分自身がやって見せるということ

          山本五十六の教えとドーパミンによる成長促進

          組織の「関係の質」を高める

          ゴーイングメリー号との別れ  ワンピースの名場面の1つに、長く一緒に航海をしてきたゴーイングメリー号との別れの話があります。  修復不能なゴーイングメリー号と別れ、旅を続けるというルフィに対し、苦楽を共にしてきた仲間を簡単に切り捨てるようなことはできないと反発するウソップ。そして麦わらの一味の中でも戦力として劣ると感じていた自身の姿を見捨てられる船に重ねているような言動が続く。  主張を変えないウソップに対し、だったら出ていけと言いかけるルフィを、サンジが滅多なことを

          組織の「関係の質」を高める

          組織の多様性を生かすメタ認知力

           マネジメントは組織を活性化し、個人の能力を引き出し、事業の未来をつくるやりがいのある仕事です。反面、人と向き合う難しさや多様性を受け入れる人間力が問われ、学べばすぐに実践できるという類のものではないのが悩ましいところもあります。 マネジメントとは  マネジメントのManageという言葉の語源は、馬の調教を意味するイタリア語だそう。ちなみにコーチは目的地まで運ぶ馬車という意味のハンガリー語。太古の移動技術に関する言葉から派生してビジネス用語になっている点がとても面白い。ま

          組織の多様性を生かすメタ認知力