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「プロキシ」って使っていいの?

こんにちは、せいやです。

ポケモンカードに限らず、トレーディングカードゲームにおいて避けて通れない話が一つあります。それがタイトルにある、プロキシについて。

そもそもプロキシとはなんぞや?って人のために。

プロキシ(Proxy:代理)、つまり正式な販売品を模した代わりのカード。もっと突っ込んで言えば、コピー(偽造)されたカードを指します。自作で印刷した物はもちろん、そこらへんのコピー用紙をカードサイズに切って適当に書くだけでもプロキシですし、似たようなカードを別のカードとして扱うのも広義のプロキシと言えるでしょう。(例:手持ちのピカチュウGXを「ピカチュウV」として使用する等)

こういったカードは使って良いのかどうか。結論から言えば、原則として「身内での使用は良く」「その外は良くない」となります。著作権云々の話は長くなるので割愛しますが、おおむねこう思っていただいて差支えありません。つまり家の中で家族や友達と遊ぶ、一人で遊ぶ分には良いですが、店舗や施設を借りて不特定多数と遊ぶ、イベントを開く等といった場合は問題あり、ということです。

ポケモンカードにおいては、著作権はもとより公式から「フロアルール」として明記されており、公認非公認を問わずどのような大会であっても使用することを認めてはいません。

そんな中、昨今では特定の人物・店舗の主催にてプロキシを可とするイベントが開催されたり、YouTube等の動画サイトにて既存カードのプロキシのほか、発売前のカードを使用した対戦動画が配信されております。(公式配信でない限り、発売前のカードはほぼ確実にプロキシとなります。)


ここから先は個人の考えです。絶対的な正解ではありませんのであしからず。


配信が身内に留まるものか、宣伝の一環として容認できるかは一考の余地がありますが、少なくとも大会等のイベントは先述のとおり本来認めていないもの。それを『表立って開催する』のは不適切だと考えます。

その他、なぜプロキシが適切でないかと自分の考えを補足すると、以下のとおり。

①カードゲームとは本来、お金のかかる遊びである

言うまでもなくトレーディングカードは商品。しかも一回買って終わりではなく、毎度の新弾やカード以外の備品など、とにかくお金のかかる遊びであります。そんな中、プロキシの存在は本来購入すべき物の先取り、つまるところ購買意欲に直結します。試したら強かったから買う、もあれば、飽きたから買わない、なんて事もあります。もちろん各々で使える資産には限りがあり、効率運用、格差是正という意味でプロキシは「正当でないが有効なカード」であります。しかし、正規に購入している側からしたら気持ちの良いものでなく、また『真剣勝負の中でプロキシを使う』というのは誠実と言い難い面もあります。やはり適正な対価を払ってこそ、だと考えます。

②カードの大切さが薄れる

こちらは感情面の話が大きいです。

プロキシは複写が容易でいくらでも作れるのが利点。それだけに、カードそのものへの愛着は薄くなると言わざるを得ません。いくらでも替えが利く物に価値は見出しにくいものです。自分のお金で買ったもの、買ってもらったもの、プレゼントされたもの。誰の物でもない、自分だけの思い出のカード。現物だからこその味です。また、替えが利くゆえ、カードを雑に扱う事も増えます。これが常態化した場合、自分のだけでなく相手のカードすら雑に扱う事態にもなりかねません。それでも皆が等しく使える環境の方が良いという考えもあるでしょうが、自分はそれを良しとは思いません。


これらのほか、何らかの理由で流通が阻害され、そもそも現物を手にする機会が損なわれている場合もあるかと思います。それでもプロキシを全面的に是とするかは難しいところです。

いや、心情としてはすごく分かるんですよ。遊ぶ機会としての面ではプロキシ有りの方がよりハードルは低くなるわけですし。ただ、いちオーガナイザーとしては推奨するわけにもいかないのです。自分が主催となるイベントにおいて、プロキシの可否を『自分に求められたら』、それは否と答えるしかありません。仮に可としても、正規に揃えた方と同じ扱いにはできないと思います。

世知辛い話かもしれませんが、プロキシはあくまで身内でこそ使えるもの。その外で使ったり公表したり、イベントの前提とならないように注意してもらいたいな、と思います。
































【余談】

さて、本文にいくつか『』付けでの表現があること、既にお気付きの方は非常に鋭い。そう、原則である以上グレーな部分もあるわけです。

『表立って開催する』ことが憚れるなら、「内内で企画してこっそりやる」分にはまだ許容の範囲かな?と思うし、

『自分に求められたら』否となる以上、「対戦相手に求める」分には突っ込まないのです。勿論、イベントとしてそもそも禁止としてる場合は同意の有無に関わらずアウトではありますが。

また、プロキシでの対応を余儀なくされるような状況、つまり不可抗力的な要素で使う形も往々としてあります。これが『真剣勝負の中でプロキシを使う』のでなく、「ただの自由対戦の場で使う」のであれば、相手の同意も得やすく、自分も黙認といった形を取ることができます。

自分としても、自主イベントの場は「あそこは一切合切認めない固いところ」で一貫するのでなく、「話次第では理解してくれるところ」でありたいと思っています。公式側としての顔、プレイヤー側としての顔、上手く調和させたいものです。



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