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今回の教訓とは何か?


 いまのおれのように病院とかいう施設に入院していると、普段よりも強烈に感じさせられるのが、この国の極端な家族偏重主義。これにはマジでウンザリさせられる。

 おれがいま入院している病院のルールでは、友人や知人が見舞いに来た場合、受付でマスク着用を義務付けられ、しかも病棟には一歩も入れず、エレヴェーターホールの脇にある極寒のデイルームでの患者との短時間の面会しか許されていない。

 しかし家族が見舞いに来た場合、受付で家族だと名乗れば、ほぼフリーパスでマスクもせず我が物顔で病室に乗り込むことができる。そして喋る、喰う、いちゃつく、笑う,泣く、走る、暴れる、と朝から晩までやりたい放題。家族なら何をやっても許されるのか? 

 家族だからインフルエンザではない、なんて保証はどこにもないのだから、あの連中こそが明らかに院内感染の元凶になっている。にもかかわらずフリーパスで病棟内で大暴れだ。この国では家族がいちばん偉いのか? 

 家族がいるパンピーだけが一方的な勝ち組で、おれみたいなドンバ崩れのソロ・アーティストは永遠の負け組なのか? 酷い国だよ、まったく。なんて最悪の気分で朝を迎えなきゃならないくらい入院生活はストレスフルだぜ。

 だから病気にはならないほうがいい。これが今回の教訓か? え、そんなこと、言われなくても知ってるって? バカだな。いくら知っていても誰だって病気にはなるんだよ。だから、この教訓はまったく役に立たない。それこそが本当の教訓だ。


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