ジブリの「君たちはどう生きるか」はタイトルこれしかつけられないね、てなった。(ネタバレをします)

これほど「観に行って!」しか言えない映画もないよねえ。公式からの事前情報ほぼないし。だから、これは感想文よりメモに近いし、観た人だけ「あーね」てなるやつです。
観てもならないかもしれない。

好きか嫌いかで言ったら好きだし面白かったけど、面白さも好きなポイントも個人経験に寄り過ぎて言語化しにくい感じがしてる。



ものすごく平たく言うと、映画自体は

「お前たちも、お前たちのいる悪意まみれな世界で生きていくんだぞ。だいじょうぶだからな」て話だと思った

演出が難解、ではあるけど…(あの落ちていった薔薇とか私は「美女と野獣」のあれしか連想できなくて「もう愛は詰んでるってこと!?!?」てなって。だけど全然違うかもしれん)、話自体は王道ていうか「こないだフラッシュ(DC)で見た!」みたいなとこはある。
あと、ナルニア国物語とか児童文学の手触り。



物語がないと生きられないニンゲンは物語がないと生きられないニンゲンなので、治らないし卒業しないけど、

それでも真っ当に暮らしていかないといかないんですけど。この真っ当に暮らしていくハードル高いじゃないですか。
社会にコミットしてオタクやるの、しんどいっすよ。なにせ生きてるだけで分断され何かを傷つける自覚を持ちながら、作品内の表現に無自覚でいることなんて出来ないじゃん。
作品世界だけ大事に生きていけるなら、そのほうが楽だし愉しいわよ。

そこについてクリエイターたる人々がちゃんと言おうとすると、「作品世界の外で生きよう!」とか作品内でメッセージ打ち出してくると、途端に「私より断然、「物語がないと生きられないニンゲン」で仕事にするくらいのハイエンドクラスな癖に自分のことは棚に上げおって…」てなるんですけど。(まあいくつか、映画でその手の説教を受けての拗らせですわね。レディプレイヤー1とか…エヴァとか…)

やっぱり御大はすげーよね。

またこれさ、宮崎駿監督自体、モチーフの「君たちはどう生きるか」を受けての作品で、バトンの受け取り先だとわかってるから素直に受け取れるのかもしれん。



登場人物の話。

眞人くんの、「やばい怪異に目をつけられた」の理解からの秒で物理攻撃に走るの、まじ暴の男で最高だが????

木刀、刃物、弓て。
悪意に対して物理攻撃。いいと思いますので。


そこと、わたわたの飛ぶの手伝ってあげるとことの落差よ…。お手手で保持するの優しすぎるんじゃ…ぬいくるみとか鷲づかみそうな振る舞いに見えてたのに…。

ペリカンも埋めてあげるし、アオサギの手当もしてあげる。

やさしさはある。

でも同級生とは殴り合う…。

こどものアンバランスさよ…!

主人公を好きにさせるのがうますぎないか???
わたし割りと木刀持ってアオサギ殴りに行ったとこから彼のこと好きですけど、わたわたの飛行手伝うくだりと、ペリカンの話をちゃんと聞いたくだりで完全におちた感じする。


お手製武器を携えてる眞人くん、やばない?。
「あれが効くんだな??」で弓を錬成するな。敵の一部を材料にすな。ハンターか。しかもそれがクリティカルなんかい。そして終盤父は刀を装備してくる。似たもの親子…!

父、むちゃくちゃ好感度高い声なんだが木村拓哉さんであってるか???あってた!の流れで楽しかった。


父も新たに母になるひともはしゃいでいて、眞人だけお母さんの亡くなった事実に今も苛まれてるの、まじでもう…。

ちゃんと話を聞きなよ大人ども…。でも大人なんてあんなもんよ。夏子さんはわかってたから、あっちにひっぱられたんだろうけども。

あの血筋だけ引っ張られる異界、ってそれはもうホラーなのよ。

スパイダーバースに慣れた目でも、アニメとして綺麗過ぎてはわわてなる。

アニメとして自然な動きよね。

実写とは厳密にちがうけと自然な動き。リッチ…。

まじで宮崎駿さんの絵コンテ起こそうとしたら錚々たるスタジオ総動員になってたな…。



亡くなった母の登場の仕方。

フラッシュポイントやん…ちょ、フラッシュポイントやん…。

わたわた可愛すぎてなに???あんなかわいいもの引き出しにあったんだね。

存外に優しいラスト。

風の谷のナウシカ原作の方方式の地獄かと疑ってたよ。




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